償却資産税の計算方法についてわかりやすく解説

dentaku

1)償却資産税ってどんな税金?

償却資産税は、一般の方にはあまりなじみのない言葉かもしれません。事業に使用する固定資産に課税される税金のことですが、一般に広く認知されている所得税や法人税などとは異なる税金です。

しかし、自営業の方などから仕組みや計算方法を理解したいという要望をよく耳にします。そのご希望にお応えして、償却資産税の概要を確認したうえで、税金の計算方法を解説していきます。

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2)償却資産税の対象となる資産は?

償却資産税の対象となる資産は、事業の用途に使用する固定資産です。しかし、全ての固定資産が対象となるわけではなく、土地および家屋は課税の対象となりません。また、自動車税・軽自動車税の対象となる車両も課税対象となりませんので注意してください。具体的には、自営業の方が使用するパソコンや応接セット、工場などで利用している機械装置や工具器具備品などが対象となります。

上記で償却資産の例としてパソコンを挙げましたが、これは厳密にとらえると誤りのケースもあります。なぜならば、償却資産税の課税対象となる固定資産は、所得税法、または法人税法上の所得計算時に減価償却資産として認識される資産のみが対象だからです。

つまり、減価償却費を計上するような資産のみが対象となりますので、パソコンが減価償却費を計上しない方法で処理されていた場合は、償却資産税の課税対象とはなりません。厳密には以下のような地方税法の規定解釈が存在します。

1.取得価額10万円未満の資産で一時に損金処理を行ったものは償却資産の課税対象外
2.取得価額20万円未満のうち一括償却資産として3年均等償却を行ったものは償却資産の課税対象外

つまり、購入したパソコンが10万円未満であれば、個人でも法人でも一括で費用計上できるので償却資産税の課税対象とはなりません。また、10万円以上20万円未満の場合も、一括償却資産として3年均等償却を行っていれば、課税対象とはならないのです。ただし、10万円以上20万円未満の固定資産でも通常の減価償却計算で費用化している場合には、償却資産税の課税対象となります。

3)償却資産税の計算方法

償却資産税は市区町村単位の自治体が徴税を行い、その年の1月1日時点で償却資産を保有している方が納税義務者です。償却資産税は法人税や所得税などと同様に、資産を所有している方がその年の1月末(土日の場合は直後の月曜日)までに申告書を作成して申告を行います。

しかし、法人税や所得税とは異なり、償却資産税の税額は納付先の市区町村が提出した申告書を基に税額を計算する賦課決定方式が採用されています。つまり、申告時には償却資産税の税額計算まで行う必要はありません。ただし、納税額の予測等を行う際には必ず計算方法を理解しておかなければ算出できませんので、計算方法については理解しておいたほうが良いでしょう。それでは、税額の計算方法について確認していきましょう。

課税標準額(1,000円未満切捨て)×税率=税額(100円未満切捨て)

税額を求める計算式だけを見てみると簡単ですが、課税標準額がこの計算方法を理解するうえでのポイントとなります。まずは、税率について確認してみましょう。税率は市区町村単位の地方自治体が設定することができ、現在の標準的な税率は1.4%ですが、一部の市区町村では1.5%などの税率を用いているところもあります。

それでは、ポイントとなる課税標準額について確認してみましょう。課税標準額とは各年度におけるそれぞれの資産の評価額合計で求めることができます。それぞれの資産の評価額は以下の算式で求めることが可能です。

初年度:評価額=取得価額×(1-減価率×1/2)
2年目以降:評価額=前年度評価額×(1-減価率)

上記の評価額を求める算式を見てみると分かりますが、取得して初めて申告を迎える資産は取得月にかかわらず、半年分の減価が行われたとみなして計算されています。次年度以降は前年度評価額に対して1年分の減価が行われたものとして計算していることが把握できます。

ちなみに、ここで出てくる減価率とは資産の耐用年数に応じて定められたもので、減価償却計算の旧定率法の減価率と同じ率を用いています。それでは、さっそく具体的な計算について見ていきましょう。

4)具体的な計算例

前提として、平成28年1月の償却資産税申告を東京都23区(税率1.4%)で行うと仮定します。保有している償却資産は下記A、Bの合計2点です。

A:機械装置 耐用年数10年(減価率0.206) 取得価額3,000,000円 平成27年3月取得
B:工具器具 耐用年数6年(減価率0.319) 取得価額500,000円 平成26年8月取得

まずはA、Bそれぞれの評価額を計算します。

A:3,000,000円×(1-0.206×1/2)=2,691,000円
B:420,000円×(1-0.319)=286,020円

Bの420,000円は初年度の500,000円×(1-0.319×1/2)=420,250→420,000円(1,000円未満切捨て)という計算から求めることができます。評価額が計算できたので、評価額の合計を出して課税標準額を計算します。

課税標準額=2,691,000+286,020=2,977,020→2,977,000円(1,000円未満切捨て)

課税標準となる金額が算出されたので、後は税率を乗じると納税額が求められます。ちなみに、課税標準額が150万円未満の場合には償却資産税が課税されません。

納税額=2,977,000円×1.4%=41,678→41,600円(百円未満切捨て)

まとめ

ここまで償却資産税の計算方法を解説してきましたがいかがでしょうか。まずは、それぞれの資産のその年度における評価額を計算し、その合計額が課税標準額となるところがポイントです。各市区町村のホームページには償却資産税の計算方法や減価率などが掲載されていますので、興味のある方は一度計算にチャレンジしてみてください。

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目次

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  2. 法人の決算に必要なものまとめ
  3. 貸借対照表で会社の資産状況を把握しよう
  4. 損益計算書で会社の利益を把握しよう
  5. 法人のための税申告・納付まとめ
  6. 法人にかかる税金は9種類もある
  7. 税金を滞納したら、どんな罰則がある?
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