読書の秋!スタートアップに興味津々のあなたにオススメの起業本 厳選10冊+α

スタートアップ,起業,本
読書の秋です。いつか起業をしたいあなたも、すでに起業して大暴れしているあなたも、秋はじっくり腰をすえて本を読んでみてはいかがでしょうか。

ここ1、2年で明らかに国内のスタートアップの状況は盛り上がりを見せてきています。今年に入り、ベンチャーキャピタルから大型の資金調達を成功している企業の数も増えています。

ということで、起業の中でもとりわけスタートアップに関係したオススメ本を目的別に10冊厳選してみました。

★テーマ別にオススメ本をリストアップしてみました!

1.スタートアップの空気を味わう!
『Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール』
2.起業の全体像を掴む!
『完全網羅 起業成功マニュアル』
3.スタートアップのマーケティングを学ぶ!
『リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす』
4.失敗体験から学ぶ!
『社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由』
5.自分の隠れた才能を知る!
『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす』
6.女性の起業について考える!
『LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲』
7.日本の起業の新しい風を感じる!
『20代の起業論――成功するアイデアとリーダーシップのつくり方』
8.ファイナンスの基本を知る!
『起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと』
9.事業計画を作る!
『51の質問に答えるだけですぐできる「事業計画書」のつくり方』
10.モチベーションを高める!
『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』

 


1.スタートアップの空気を味わう!

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『Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール(ランダル・ストロス)』

 この本で何が分かる?

  • シリコンバレーのスタートアップの熱い空気を感じ取れる。
  • スタートアップ業界のヘンテコな用語がマスターできる?

シリコンバレーの、シードスタートアップの養成グループと言えば、「Yコンビネーター」と「500スタートアップス」の存在感が突出しています。本書は、伝説のハッカー「ポール・グレアム」が率いるYコンビネーターに3%という合格率を突破して残った64チームの起業家に密着したノンフィクションです。天才的な頭脳をもったメンバーだらけのなかで、どんなチームが注目されるのか。ポール・グレアムの生のアドバイス。実際に、養成スクールの数ヶ月の期間の中で、チームに何が起こるのか。臨場感溢れる描写で、シリコンバレーのスタートアップの熱気が伝わってきます。

「エンジェル投資家」「ピボット」「ピッチ」などなど、スタートアップ業界特有の用語が、辞書的ではなく実際の場面でどんな意味で使われているのかがリアルに伝わってきます。

Yコンビネーターのアドバイスの中には、MBA的な知識や経営的な知識はほぼ皆無。では、どんなアドバイスがなされているのか。スタートアップの世界の理屈ではない「何か」を感じることができます。

 

2.起業の全体像を掴む!

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『完全網羅 起業成功マニュアル(ガイ・カワサキ)』

 

 この本で何が分かる?

  • 起業に関わる全体像が分かる。
  • 特に、起業に関わらず、新規事業を立ち上げる時のポイントが楽しく理解できる。

 

起業に関わる、幅広い知識をまずは学びたいという方に一番オススメ。資金調達、人材採用、売り込み、ブランド構築、口コミマーケティングなど、幅広い情報が網羅されています。この手の網羅系の本は、読んでいて眠たくなるものが多いのですが、本書は文章のリズムや、ちょこちょこ入ったエピソードなどでテンポが良く、楽しく読める珍しい一冊。著者のガイ・カワサキ氏はアップル創業初期に関わっている他、複数の起業に関わっている経験豊富な人物で、実際にそれらの体験がこの著書を読みやすく実感の沸くものにしています。
起業家だけでなく、社内で新しい事業の立ち上げに携わっている人にも大変役に立ちます。

 

3.スタートアップのマーケティングを学ぶ!

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『リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす(エリック リース)』 


この本で何が分かる?

  • スタートアップのマーケティングで大切なことが分かる。
  • なぜ、ITスタートアップの人たちがピボットという言葉を連発しているかが分かる。

 

スタートアップ業界の中では、いつの間にか「ピボット」という言葉が定着している・・・というか流行っていますが、 その流行に大きな影響を与えた1冊。
自信満々で、誰も欲しくないWEBサービスをうっかり作ってしまわないためにはどうすればいいのか。平たく言ってしまうと、「事業に致命的な影響が出ない小さなコストで、プロトタイプをユーザにさらして仮説をどんどん検証していこうね」という話なのですが、具体的な方法論や、理論の整理などは大変参考になります。

近年、WEBの進化によって、サーバや、各種マーケティングの手法、WEBシステムの改善などがローコストでできるようになったため、リーン・スタートアップの手法が、ますますWEBサービスの業界と相性がよくなりつつあります。「そんなことは知っているよ」とバカにせずに、一度熟読しておくとよい一冊です。かなり高い確率で発見があるはずです。

 

4.失敗体験から学ぶ!

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『社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由(板倉 雄一郎)』 

 

この本で何が分かる?

  • 事業が成長していく時に発生する落とし穴が分かる。
  • 事業が波に乗って行く時の期待感とワクワク感も感じ取ることができる。

 

成功体験、成功事例も大切ですが、失敗談はそれ以上に重要です。起業するにあたって可能な限り事前に失敗談、失敗事例には触れておくことをおすすめします。その中でも、とても面白くのめり込んで読みきってしまえる一冊。出版年数はそれなりに古いのですが、今読んでも遜色なく面白いです。資金調達の失敗から、社員とのコミュニケーション、期待の失敗。どのように人が離れていくか、また、波に乗っている時にはどのようなことが起きるのか、引き込まれるような文体で読むことができます。

今は、中古でしか手にはいりませんが、個人的には下記の「追われもの」という本は私が大きな影響を受けた1冊です。東証マザーズと米店頭株式市場(NASDAQ)での同時上場を果たした、クレイフィッシュという会社の代表が書いた本です。ライブドア事件よりももっと前に起きた話。日本のIT業界の勃興時の様子が伝わってくる内容で、当時を知るという意味でもとても面白いです。どのようにして、著者が上場企業の座を追い落とされるのか生々しく書かれています。今の若い人は、クレイフィッシュっていう名前を聞いても、もう分からないんだろうなぁ。

 

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『追われ者―こうしてボクは上場企業社長の座を追い落とされた(松島 庸)』 

 

5.自分の隠れた才能を知る!

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『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす(マーカス バッキンガム , ドナルド・O. クリフトン)』 

 

この本で何が分かる?

  • 自分が気がついていないかもしれない長所について考えるきっかけになる。
  • 同じくらい、自分が短所だと思い込んでいた部分を見直すこともできる。

 

自分の隠れた強みを発見するための1冊。起業家には、様々なタイプがいて、単純に「こういう人だから成功した!」という分かりやすいパターンはないように思えます。まずは、苦手なところより、強みにフォーカスしようということで、オススメです。

成功している起業家は、万能タイプよりも総じて自分の得意な資質に特化した変わり者が多いものです。この本には、巻末にIDがついていて、それを使うと、WEB上で「ストレングスファインダー」という才能テストみたいなものを受けることができます。(中古で買うとこれがまず使えないので注意)

「ストレングスファインダー」をやってみると、自分では短所かなと思っているものが、実は思いがけない強みだったりすることに気づかされて面白いです。私は、「内省」「戦略性」「未来志向」が上位3つでしたが、「内省」的な性格は事業をやる身としてはマイナスだと思ってましたが、この本を読んで考え方が少し変わりました。

同じアプローチで、下記の本では、リーダーシップの素質を「ストレングスファインダー」から判断することができます。両方共WEBのテスト(ストレングスファインダー)は同じです。

 

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『ストレングス・リーダーシップ―さあ、リーダーの才能に目覚めよう(トム・ラス, バリー・コンチー )』

 

6.女性の起業について考える!

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『LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲(シェリル・サンドバーグ)』

 

この本で何が分かる?

  • 女性が社会で働くにあたって起きる問題を、キャリア女性の立場から理解することができる。
  • 女性と労働に関わる問題は、割りと世界共通の部分が多いということも理解できる。

 

もはや日本では、女性が男性と同じように会社で働くのは当たり前になりつつあります。この本の著者「シェリル・サンドバーグ」は、あのfacebookのCOOです。輝かしいキャリアをもった著者が、仕事と育児の両方をこなすのに、どのような困難があり、どのように解決を図ってきたのか、また、アメリカの「女性の声」が平等に反映されない状況を、著者の体験からストレートに伝えています。

一見、日本よりも女性の進出が進んでいるかのように見える米国ですが、現実にはまだまだたくさんの問題が残っていることが分かります。日本も、労働人口の低下や、モチベーションの高い社員の確保が難しくなってくる中で、能力の高い女性に活躍してもらえるかどうかはベンチャーにとって大きな課題です。女性起業家はもちろんのこと、男性の起業家だからこそ、知ってほしい情報が満載の一冊です。

 

7.日本の起業の新しい風を感じる!

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 『20代の起業論――成功するアイデアとリーダーシップのつくり方(榊原 健太郎)』

 

この本で何が分かる?

  • 日本のスタートアップ業界で起きつつある新しい変化を知ることができる。
  • まだ、成長過程のスタートアップ企業の様子が分かる。

 

ベンチャー企業には、シード、アーリー、グロース、レイターという区分(人によって若干違いあり)があります。本当に起業したばかり、もしくは起業する直前のベンチャーである「シード」「アーリー」ステージのスタートアップに投資をしてくれるベンチャーキャピタルは、実は日本にはほとんど存在していません。そんなシードステージのベンチャーに投資をするVCとして、存在感を増しているのが、この本の著者が運営しているサムライインキュベートです。

この著書では、著者の体験と合わせて、国内の成長過程の起業家たちの生の様子を伝えている貴重な一冊です。すでに成功している。もしくは成功直前の起業家について触れている著書は多いのですが、現在成長過程の起業家についての情報は限られています。この著書で取り上げられている起業家たちがどのような事業を行っていて、どんな動きをしているのか追っていくだけでもとても面白いと思います。

また、現在進行形で日本のスタートアップ業界で起きつつあるポジティブな変化や兆候についても触れられていて、「日本の」スタートアップの今が知りたい人にはオススメの一冊です。

 

8.ファイナンスの基本を知る!

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『起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと(磯崎 哲也)』

 

この本で何が分かる?

  • 「スタートアップ」に特化した視点でファイナンスについて理解することができる。
  • ファイナンスについて、気をつけなくてはいけないポイントが切り込んで理解できる。

 

ファイナンスについて、全くわからない。どこから手をつけたらいいか分からない。という人にオススメの1冊。苦手な人にはとことん難しいファイナンスの知識が、ものすごくわかりやすくまとまっています。内容が起業にフォーカスしているのも素晴らしいです。

実務的な知識というよりは、そもそもの起業の意味や、株主、ベンチャーキャピタルとの関係で気をつけなくてはいけないことなど、「ここが知りたかった!」という部分に、ピンポイントで切り込んでいるのも、本気で起業を目指している人、もしくはスタートしている人にとってはとても好感が持てます。著者の思想がしっかり組み込まれたファイナンス本は珍しく、ファイナンスという言葉に逃げ腰な人もぜひ読んで欲しい一冊です。

 

9.事業計画を作る!

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『51の質問に答えるだけですぐできる「事業計画書」のつくり方(原 尚美)』 

 

この本で何が分かる?

  • 事業計画書で何を書く必用があるのか、理解できる。
  • 小分けに事業計画書を作っていけるので、実際に事業計画書を作るためのきっかけを作りやすい。

 

モチベーションも高まって起業のアイデアも浮かんできたら、いよいよ事業計画です。事業を始めるのに出来の良い事業計画書は必ずしも必要ではありませんが(資金調達の時には作っておきましょう!)、一つ一つ言葉に変えていくことで、頭が整理されます。

事業計画書の本は、読むだけ読んで、結局作らずじまいということが多いのですが、この本は、質問項目が51に分かれていて小出しに少しづつ事業計画書を作っていくことができます。正直51の質問にガチで答えていると、大変なのですが、書きやすいところから幾つかピックアップして書き始めてみると、手をつけやいです。私も、実際に作ってみましたが、大変頭が整理できました。

スタートアップの場合は、まずもって事業計画書どおりに事業が進むことなどないと言い切ってしまっていいのですが、作ることで自分の事業への愛着や、思いを整理できるという意味でも取り組んでみるべき作業といえるでしょう。

 

10.モチベーションを高める!

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『完訳 7つの習慣 人格主義の回復(スティーブン・R・コヴィー)』 

 

この本で何が分かる?

  • 書店に行くと山ほど売っている成功本のエッセンスが大体理解できる。
  • ダークサイドに落ちそうになった時に救ってくれる。

 

最後に、自己啓発本。スタートアップならではの本をセレクトしたかったのですが、下手な流行本よりも基本の名著です。「7つの習慣」には、あらゆる成功本のネタ元だったり共通になっている考え方が凝縮されています。手当たり次第に成功本を読むよりも、「7つの習慣」の内容をじっくり読んで理解することをオススメします。

ものすごく売れている本ですが、実は全部読み切ったり、内容をきちんと理解している人は、すごく少ないように思えます。Win Winなど言葉だけがひとり歩きしている感じですね。

正直、キレイ事が多すぎるきらいもあるのですが、逆に事業で散々な目、理不尽な目にあってダークサイドに落ちそうになった時にあなたを引き戻してくれる1冊になるでしょう。下記の、「人を動かす」も、基本書としてオススメです。

もちろん、起業は、キレイ事だけの世界ではありません。自分が誠実に事業をやろうとしても、まわりに良からぬ人が近づいてくることもあるでしょう。また、時には、負の感情が事業のエネルギーになることもあるでしょう。そんな方には、下記の「非常識な成功法則」もオススメです。私たちが持ってる心の負の側面とも向きあいつつ、しっかり気持ちを前にも向かせてくれます。

 

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『人を動かす(デール カーネギー)』 

 

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『非常識な成功法則―お金と自由をもたらす8つの習慣 (神田昌典)』

 

最後に

タイトルにある通り、これはスタートアップに「興味津々」の人のための本です。本気で起業に取り組む人は、入門的な書籍はほどほどに、ガンガンWebサービスをつくっていくか、もっと必要に応じた専門的な書籍に入っていきましょう。これを読んだら起業で成功できる本ではないのであしからず。合掌。

*今回は、ビジネス・マーケティングの読書会bizimaを主宰している、 山田案稜さんに、オススメのスタートアップ本をセレクト&解説してもらっています。