株式会社が官報などに必ず行う決算公告。そもそもなにをどうやればいいの?

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3月決算の会社は株主総会も終了してほっと一息といったところでしょうか?
決算が終了してから行うイベントとして広く知られているのは「株主総会」ですが、決算の情報を広く周知する「決算公告」という仕組みがあるのです。ご存じでしたか?
今回は「決算公告」の仕組みと、低コストで効率的に決算公告を行う「電子公告」のテクニックについてお伝えします。


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決算公告ってなに?

株式会社を含むさまざまな形態の会社についてルールを決めているのが「会社法」です。この「会社法」」では、会社の事業に関わる重要な情報を公に告知する「法定公告」という制度を定めていますが、このなかで決算数値が確定・承認されてから行う「決算公告」という仕組みがあります。

 

もう少し具体的に見ていきましょう。

(決算公告の内容)
会社法では、株式会社に対して「計算書類等の作成、保存、株主への提供等」を義務付けています。この「計算書類等」(決算書のこと)は、株主総会で承認されてから「決算公告」として閲覧に供されます。つまり、誰でもその会社の決算情報を「公開情報」として無償で閲覧・入手できるのです。
(決算公告の範囲)
会社の大きさによって、決算公告の範囲は2通りに分かれます。
会社法上の大会社(資本金5億円以上、または負債200億円以上の会社)については、計算書類のうち「貸借対照表」と「損益計算書」が公告の対象となります(ただし、有価証券報告書提出会社は決算開示するための制度が別にあるため、公告の対象外となります)。
大会社以外については「貸借対照表」が公告の対象となります。
本コラムをお読みの方の大半は「大会社以外」に分類されると思われますので、公告を行うのは「貸借対照表」です。

(決算公告の時期)
会社法第440条では
「定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表を公告しなければならない」と定めており、
3月決算の会社であれば決算公告のタイミングは6月末前後の株主総会開催の後になります。

 

決算公告の方法と「電子公告」

この「決算公告」について、会社法第939条で法定公告(決算公告を含む法的に必要な公告)の方法を3つ定めています。

  1. 官報に掲載する方法
  2. 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
  3. 電子公告

 

  1. は、国が毎日発行している官報という媒体に公告を掲載する方法です。
  2. は、日刊新聞に公告を掲載する方法です。日本の株式会社は3月末を決算日とする会社が多いため、6月末頃は各紙ともに決算公告を別紙として刊行することが多くなります。
  3. は、近年普及してきた新たな方法です。企業のウェブサイトなどに決算公告のデータを掲載して、電子的な手段で公告を行う方法です。従来行われてきた「官報」「日刊紙」は数十万円のコストがかかっていたのに比べて、電子公告はより低いコストで実施することができます。これをやらない方法はありませんよ!

 

電子公告のステップ

電子公告制度については、法務省のウェブサイトに記載されています。

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電子公告は具体的には4つのステップで進めます。

  1. 定款の変更
  2. 電子公告の登記
  3. 電子公告の実施
  4. 電子公告調査機関による調査・確認

1.2.の手続は、煩雑ですが必ず行わなければなりません。
設立当初に電子公告方法を「官報への記載による」としていた場合、「定款の変更」と「変更の登記」を行わなければなりません。これに数万円のコストがかかってしまうので、できれば設立当初から電子公告を前提に定款を作成しておきたいものです。具体的には、会社の定款に「当会社(当法人)の公告は,電子公告により行う。」などと記載します。

3.は、決算公告データ(PDFやHTMLで作成します)をウェブサーバの指定箇所にアップロードする作業です。

4.の手続には、電子公告特有の事情があります。
電子公告を行う場合、一定期間そのコンテンツ(決算データ)が会社のウェブサイトなどで「改変されることなく継続して公開されていること」が第三者によって検証されている必要があります。

せっかく公告を閲覧しようとしても「404 not found」などと表示されては困りますね。このようにならないよう、一定期間公告データが確実に閲覧できることを第三者がチェックします。第三者機関による調査結果の通知が行われれば、電子公告は完了です。
(なお公告に供されたコンテンツは5年間開示する必要があります)

ここまで見ると電子公告はとても大変そうに思えますが、決算公告に関しては特例があります。

  • 電子公告のうち「決算公告」については、「4.電子公告調査機関による調査・確認」を省略することができます!
  • 公告方法を「官報又は日刊新聞紙による方法」としている場合であっても,「決算公告のみ」をウェブサイトに掲載することもできます!(この場合、該当するウェブページのURLを登記する必要があります)

いかがでしょう? 電子公告のハードルが少し下がったと思いませんか?

 

電子公告で決算公告をやってみよう!

さて、電子公告による決算公告を行う際のポイントは3つです。

・定款には設立当初から公告方法を「電子公告による」として登記しておきましょう!
・設立後に電子公告に変更したい場合、決算公告を行うURLを登記事項に追加しましょう!
・特例を活用して「調査機関による調査・確認」を省略しましょう!
ネットで公告ができる時代。書面手続をできるだけ省略して、スムーズにすすめたいですね。

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目次

  1. 法人が出しておくべき19の届出まとめ
  2. 事業計画の書き方とは?
  3. 法人口座の必要書類と銀行比較
  4. 法人カードの作り方
  5. 取締役・役員はどう決める?
  6. 役員報酬は自由に変更できない?
  7. 助成金・補助金・創業融資を貰おう
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