モバイル決済サービスが群雄割拠の時代へ。Square、PayPal Here、Amazon Local Registerの最新動向比較

Square、PayPal Here、Amazon Local Register最新動向比較

モバイル決済サービス1<Creative Commons: Some Rights Reserved. Photo by Joe Ross>

スマートフォンやタブレット端末の普及にともない、これらモバイル端末を決済端末として利用する「モバイル決済サービス」が、世界各地で急速に拡大してきました。従来、クレジットカード決済の障壁となりがちだった、導入時の複雑な手続や高額な専門端末の購入を必要とせず、簡単で安価に利用できるとあって、小売店や飲食店など、小規模事業者を中心に、導入が進んでいます。英調査会社ガートナーの予測によると、世界全体のモバイル決済市場は、2012年から2017年まで平均年率35%で成長し、2017年には、ユーザー数4億5000万人、7210億ドル規模にまで拡大すると見込まれています。

このように、モバイル決済市場が活況を呈するにつれ、モバイル決済サービスプロバイダーの競争も激化。機能やサービス、価格などで、差別化をはかろうとしのぎを削っています。こちらでは、Square(スクウェア)、PayPal Here(ペイパル・ヒア)、そして、2014年8月、新たに創設されたAmazon Local Register(アマゾン・ローカル・レジスター)の3つのサービスについて、最新の動向をみていきましょう。


Square

keieihacker_matsuoka140901_2 (2)<Square(スクウェア)の日本語ウェブサイト>

2013年5月、三井住友フィナンシャルグループとの提携により、日本にも進出したSquareは、現在、日本・米国・カナダの3カ国で、モバイル決済サービスを展開。とりわけ、売上管理や在庫管理、レシート発行などをカバーするPOSレジ機能「SQUAREレジ」には定評がありましたが、2014年8月21日、このレジ機能との連携により詳細な売上分析ができる無料ツール「Square Analytics(スクウェア・アナリティックス)」をリリースし、データ分析機能をさらに強化しました。従来のデータに加え、人気商品や平均購入額などがリアルタイムで追跡できる仕組みです。

Squareでは、最近の顕著な特徴として、飲食サービス市場に特化したサービス拡充を進めている点も挙げられます。レストランやカフェに到着する前にオーダーできる一般ユーザー向けスマートフォンアプリ「Square Order」をリリースしているほか、2014年8月11日、事業者向けのオンライン予約サービス「Square Appointments」を公開。月額利用料は30ドルからで設定され、30日間、無料で試用できます。

また、2014年8月4日には、ニューヨーク・ロサンゼルス・サンフランシスコ・シカゴなどでフードデリバリーサービスを展開するスタートアップ企業「Caviar」を買収。飲食サービス市場への関与を強めようという狙いがあるものとみられています。

PayPal Here

PayPal Here<PayPal Hereの日本語ウェブサイト>

1998年からインターネット決済サービスを手がけるPayPal(ペイパル)では、モバイル決済サービス「PayPal Here」を運営。203もの国と地域、26の通貨に対応し、世界で1億人を超えるPayPalのアクティブユーザーを既に抱えているのが強みです。日本では、ソフトバンクモバイルを通じて展開してきました。

PayPalでは、最新テクノロジーを活用し、モバイル決済をさらに進化させることにも積極的に取り組んでいます。その一例が、2014年8月19日に発表されたワンタッチ式モバイル決済サービス「One Touch」。PayPalの親会社eBay(イーベイ)によって買収されたBraintreeとPayPalが共同で開発したもので、その名が示すとおり、氏名や住所、クレジットカード番号などの決済情報を入力する手間なくワンタッチで決済できる点が画期的として、話題となっています。

Amazon Local Register

Amazon Local Register<Amazon Local Registerの公式ウェブサイト>

世界最大級の通販サイトを運営するAmazonも、いよいよオンライン決済サービス市場に参入。2014年8月13日から、オンライン決済サービスAmazon Local Register(アマゾン・ローカル・レジスター)を米国で開始しました。モバイル端末のイヤホンジャックに専用カードリーダーを差し込み、モバイルアプリを通じて操作する仕組みです。

アマゾンでは、このサービス開始に伴い、2016年1月1日までの期間限定で、割安な手数料率を設定。米国でのオンライン決済サービス利用にかかる手数料率は、Squareが2.75%、PayPal Hereが2.7%であるのに対し、Amazon Local Registerは1.75%となっています。

このように、モバイル決済サービスは、日進月歩。Amazon Local Registerのような新たに市場参入してくるサービスのみならず、既存サービスの動向も定期的にモニタリングし、最適なサービス選びにつなげたいですね。

Text = 松岡由希子

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