【特定支出控除】サラリーマンのスーツを経費にするには?

特定支出控除

サラリーマンは年末調整があるから確定申告は不要、と思っていませんか? 実は、サラリーマンでも確定申告をしたほうが良い場合もあるのです。サラリーマンの場合は、「医療費控除」「住宅ローン控除」「寄付金控除」といった各種控除がポイントになります。

参考:確定申告がさっぱりわからないサラリーマンのための「確定申告とは」

しかしながら、さらに経費を積み重ねることで課税所得(所得税の課税対象となる所得)を低くし、税金を安く済ませることができるのです。いったいどのような方法なのか、ここからはサラリーマンでもできる節税方法について説明していきたいと思います。

<特定支出控除:目次>
1)サラリーマンの税金(所得税)は給与所得によって決まる!
2)給与所得控除額は年収によって変わる!
3)サラリーマンの経費「特定支出控除」とは?
4)特定支出控除になる経費とは?
5)特定支出控除の注意点
■まとめ
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1)サラリーマンの税金(所得税)は給与所得によって決まる!

そもそも、サラリーマン(給与所得者)は、給与所得から税金を計算します。給与所得とは、年収から給与所得控除(いわゆる経費)を引いて、その額(給与所得)から税金の計算をします。

給与所得=年収-給与所得控除額

一般的にはこの給与所得は会社の経理部の人がやってくれます。しかし、会社で計算してもらった所得よりも控除額が多くなった場合、(実際の給与所得が少なくなるので)税金は払い過ぎということになり、税金が戻ってくるのです。その給与所得の計算を税務署に提示するのが「確定申告」というわけです。
 

2)給与所得控除額は年収によって変わる!

給与所得控除額
給与所得控除額は年収によって異なります。上の図は国税庁のページから拝借しました。この表から、あなたの給与所得控除額と給与所得が計算できます。

たとえば年収500万円のAさんを例に計算してみましょう。年収500万円の人の場合、給与所得控除額は、
500万円×20%+54万円=154万円
つまりAさんの給与所得控除額は154万円となります。すなわち、Aさんの給与所得は500万円-154万円=346万円となります。この346万円に課税され、税金が計算されるのです。

 

3)サラリーマンの経費「特定支出控除」とは?

この給与所得控除にさらに控除を積み重ねることができる制度があります。それが「特定支出控除」です。
サラリーマンの経費
上の図は国税庁のページから拝借しました。年収1500万以下の人は、特定支出控除額の適用判定の基準となる金額を超えるときは、確定申告によりその超える部分の金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができます。1500万円超の人は125万円まで所得金額から差し引くことができます。

年収500万円のAさんの場合は154万円が給与所得控除額でした。この場合、特定支出控除額は、
154万円×1/2=77万円
つまり、Aさんの特定支出控除額は77万円となり、Aさんは77万円を超える部分の金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができるということです。

 

4)特定支出控除になる経費とは?

国税庁のページによれば、以下のものが挙げられています。

1.一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出(通勤費)
2.転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出(転居費)
3.職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出(研修費)
4.職務に直接必要な資格を取得するための支出(資格取得費)
5.単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出(帰宅旅費)
6.次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの (勤務必要経費)
(1)書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用(図書費)
(2)制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用(衣服費)
(3)交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出(交際費等)

このうち、通勤費・研修費などはもともと会社が支払ってくれるものなので、以下では主に注目すべき特定支出控除について扱います。

・資格取得費
弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費も特定支出の対象となります。資格の学校などで勉強している人は、その分の受講費を一定金額まで経費に算入することができます。

・勤務必要経費(65万円まで)
書籍や雑誌、金融新聞の電子版など業務に関係する図書費も特定支出の対象です。また、作業服などの衣服費も特定支出の対象となります。場合によってはサラリーマンの着ているスーツなども特定支出に算入できる可能性があります。ただし、これらの経費は65万円までに制限されています。

 

5)特定支出控除の注意点

国税庁のページによれば、「特定支出はいずれも給与の支払者が証明したものに限られます」とあり、会社の証明が必要です。さらに「給与の支払者から補填される部分があり、かつ、その補填される部分に所得税が課税されていないときは、その補填される部分は特定支出から除かれます」となっています。つまり、大前提として「会社からの証明」が必要になります。

 

■まとめ

これら特定支出控除は、条件があるものの、認められればかなり大きな控除額として給与所得から差し引くことが可能。会社からの証明さえもらえれば、あなたも特定支出控除の恩恵を受けられます。今まで確定申告をしたことが無い人も、これを機に確定申告をしてみてはいかがでしょうか?

TEXT=安齋慎平

 

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