領収書の宛名が空欄だとNG?筆者が会社員時代に感じた領収書の謎

「宛名が空欄はNG」はウソ?サラリーマン時代の領収書のルールの謎に迫ります

領収書宛名
事業主やサラリーマンにとって、知っているようで知らないのが領収書の書き方。会社勤めだと「領収書を別途発行してもらわなければならない」とか「一定額以上の金額を購入した際の領収書は収入印紙が必要」などと厳しい規則が経理担当者から言われると思います。しかし、これらは会社独自のルールであることが多く、必ずしもそれらに従わないといけないというわけではありません。

たとえば領収書の宛名は必ずしも必要ではなかったり、収入印紙の貼っていない領収書も有効と認められる場合があったりします。このように、フリーランスや経営者の場合は会社の経理担当者ほど厳しい決まりがあるというわけではありません。というわけで今回は、領収書のルールについて改めて見てみることにしましょう。

[目次]
■1)領収書に必ずしも宛名は必要ではない
■2)収入印紙の貼っていない領収書も有効
■3)事業用とプライベートで買った商品が一緒になったレシートでもOK
■4)30万円未満の減価償却資産についても全額損金算入できる(中小企業のみ)
■まとめ

 

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■1)領収書に必ずしも宛名は必要ではない

実はレシートも領収書として使えます。レシートには「日付」「金額」「商品名」「(飲食代の場合は)人数」などが記載されています。そのため、レシートも領収書としての効力を発揮するのです。そのことからも、領収書には宛名は必ずしも必要ではないということがわかります。

また消費税法第30条及び施行令49条で、「書類の交付を受ける当該事業者の氏名または名称」は、その記載金額が3万円未満である場合や小売業、飲食店業、写真業および旅行業などの特定の業種では、3万円以上でも宛名の記載がなくてもよいことになっています。これは、少額の領収書であれば「上様」でも効力があることを示しているのです(もちろん会社ではNGとなるケースがほとんどでしょう)。事業主の場合は、会社の経理のルールなどありませんから、上様のままで仕訳してしまっても事実上は経費として認められます。

ある税理士の話では、「どんな用途に使ったか不明な領収書よりも、場所や商品名などが記載されているレシートのほうが信頼できる」と話していました。わざわざ領収書を発行してもらうのが面倒という方は、レシートのまま帳簿に保管しておきましょう。

 

■2)収入印紙の貼っていない領収書も有効

5万円以上の高額な商品を購入した際の領収書には収入印紙を貼るというのは常識。でも、もし領収書に収入印紙が貼られていなかったらどうでしょうか?
実は、収入印紙の貼られていない領収書に関して、その領収書が有効か無効かは「受け取った代金の証明が書類でされているかどうか」が論点となります。そのため、印紙の有無で別途納税負担が増えることはありません。ちなみに、印紙が貼られていない場合の納税義務者は「領収書の発行者」になります。

 

■3)事業用とプライベートで買った商品が一緒になったレシートでもOK

仕事で使う備品(ペンやノートなど)とプライベートで使う商品を一緒に会計してしまうと、1枚の領収書に一緒になって印字されてしまいます。会社員だと場合によっては「会計を別にして領収書をもらってください」と言われてしまうかもしれませんが、実は事業用とプライベート用が一緒になっていても問題ありません。

事業用とプライベートが一緒になっている領収書には、どれが事業用の商品なのかがわかるように商品名のところに丸印かマーカーでしるしをつけておきましょう。意外と知られていませんが、領収書を改ざんする目的でなければ、領収書にメモ書きをすることは問題ありません。

 

■4)30万円未満の減価償却資産についても全額損金算入できる(中小企業のみ)

「10万円未満の減価償却資産は全額損金算入できるが、20万円未満のものは3年で均等償却しなければならない」という話を聞いたことがあると思います。しかし、実は中小企業(後述)の場合は、30万円未満の減価償却資産について全額損金算入ができるのです。

この場合の中小企業とは以下の通り。

1)資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人

※ただし、同一の大規模法人(資本金の額若しくは出資金の額が1億円を超える法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1000人を超える法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます)に発行済株式又は出資の総数又は総額の2分の1以上を所有されている法人及び2以上の大規模法人に発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上を所有されている法人を除きます。

2)資本又は出資を有しない法人のうち、常時使用する従業員の数が1000人以下の法人

国税庁のページより引用

つまり、スタートアップ企業や個人事業主の場合は、30万円までの減価償却資産を全額損金算入できるということです。

ただし、適用を受ける少額減価償却資産の取得価額の合計額は年間300万円まで。この特例自体も平成28年3月31日までとなっています。また、この特例を受けるためには、少額減価償却資産を取得した年度ごとに損金経理するとともに、確定申告書などに「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書(別表十六(七))」を添付して申告することが必要です。

「中小企業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の 特例制度」を適用する場合の明細書の添付について | 国税庁

 

■まとめ

このように、会社員時代に比べて事業主となると、経費の精算がより身近になると思います。私自身も、サラリーマン時代は「レシートが領収書の代わりになる」ということを知りませんでしたし、減価償却の特例も聞いたことがありませんでした。国税庁のページなどを参考にしながら、税に関する知識を増やしていくのが、経理を身に付ける一番の近道なのではないかと思います。」

TEXT = 安齋慎平

 

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目次

  1. 会社の経理を始めるために
  2. 法人の決算に必要なものまとめ
  3. 貸借対照表で会社の資産状況を把握しよう
  4. 損益計算書で会社の利益を把握しよう
  5. 法人のための税申告・納付まとめ
  6. 法人にかかる税金は9種類もある
  7. 税金を滞納したら、どんな罰則がある?
  8. 法人のための節約のコツ
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