【損金不算入】経営者にとって切っても切れない「法人税」まとめ。

損金不算入とは?

損金不算入
会社の税金である「法人税」。これはいわば「法人の所得税」です。実際、法人の儲けのことを「所得」と呼びます。しかし、法人税の計算方法や税額を算出する方法は、所得税とは異なっています。たとえば、所得税の場合は毎年1月1日からと期間が決まっていますが、法人税では自分で決めた事業年度をもとに計算します(一般的に事業年度を4月1日~3月31日とする会社が多い)。
というわけで今回は、経営者にとって切っても切れない関係である「法人税」に迫ります。

[目次]
■1)益金と収益、損金と費用は同じではない
■2)利益を所得に直す「税務調整」
■3)損金不算入になるものは?
■まとめ

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■1)益金と収益、損金と費用は同じではない

会社は「収益」から「費用」を引いて「利益」を求めますが、税法上は「益金」から「損金」を引いて「所得」を算出します。この収益と益金、費用と損金はイコールではありません。
会社の経営状態を調べるには、正確な情報が必要です。そのため、決算では「収益」「費用」「利益」を求めます。対して法人税の計算の場合は、課税の公正さや国の税務政策を優先する性質上、会社が費用だと考えるものでも、税法上は費用にならないというものが出てくるのです。よって益金と収益、損金と費用は同じにはならないのです。

 

■2)利益を所得に直す「税務調整」

上記のように、会社の利益と会社の所得はイコールではありません。そのため「税務調整」という調整を行います。税務調整の計算方法は以下の通り。

利益+益金算入-益金不算入-損金算入+損金不算入=所得

たとえば、会社の交際費は「費用」ですが、税法上は損金とはなりません。これを損金不算入と呼び、税務調整の際にプラスする必要があります。

 

■3)損金不算入となるものは?

では、損金不算入となるものにはどのようなものがあるのでしょうか? 損金不算入となるのは以下の通り。

 

・交際費等

交際費等とは、交際費、接待費、機密費などの費用です。交際費等は、法人税上は原則として損金不算入となります。ただし、資本金1億円以下の法人については、交際費等のうちの一定の限度額(定額控除限度額)までは損金として認められます(それ以上は損金不算入となります)。

定額控除限度額については、平成25年度4月1日以降に開始する事業年度から、年間800万円までの交際費については全額が損金の額に算入されるようになりました。また平成26年4月1日からは、すべての法人でも「飲食に掛かる支出」については50%まで損金算入にできるようになりました。中小企業は定額控除限度額との選択で適用できます。

ちなみに、以下の2つについては交際費等から除外されます
1)専ら従業員の慰安のために行われる旅行・運動会などに要する費用
2)飲食その他これに類する行為のために要する費用(その法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待費を除く)であり、支出を参加人数で割った額が5000円以下である費用

交際費等の範囲と損金不算入額の計算|国税庁

・減価償却の超過額など

減価償却については、法人が減価償却費として損金経理(企業会計において費用または損失として処理すること)した額のうち、償却限度額を超える部分について損益不算入です。

なお、少額減価償却資産については全額を損金算入できます。少額減価償却資産とは以下のものを指します。
1)使用可能期間が1年未満のもの
2)取得価額が10万円未満のもの

※取得価額が20万円未満の減価償却資産については、事業年度ごとに、その全部又は一部の合計額を一括し、これを3年間で償却する一括償却資産の損金算入の規定を選択することができます。
少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示 | 国税庁

 

・事前に届け出のない役員給与・過大な役員報酬など

役員給与のうち、定期同額給与・事前確定届出給与・利益連動給与のいずれかに該当する場合は損金算入できます。ただし、不相応に高額な部分の金額は損金不算入です。まとめると、定期同額給与・事前確定届出給与・利益連動給与に該当しないもの、または不相応に高額な給与については損金不算入となります。

 

・法人税や法人住民税(租税公課)

法人税や法人住民税も損金不算入となります。その他、延滞税・加算税・罰科税・源泉所得税なども損金不算入です。

 

・一定以上の寄付金

寄付金については、一定額まで損金算入が認められています。ただし、一定額を超えるものについては損金不算入です。
一定以上の寄付金<画像は国税庁のページより>
寄附金を支出したとき | 国税庁

 

■まとめ

このように、会社が費用だと考えるものでも、税法上は費用にならないものを加味して法人税額の課税所得を計算する必要があります。わかりにくい部分もかなりありますので、国税庁のページを参考にしながら、専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。

TEXT = 安齋慎平

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目次

  1. 会社の経理を始めるために
  2. 法人の決算に必要なものまとめ
  3. 貸借対照表で会社の資産状況を把握しよう
  4. 損益計算書で会社の利益を把握しよう
  5. 法人のための税申告・納付まとめ
  6. 法人にかかる税金は9種類もある
  7. 税金を滞納したら、どんな罰則がある?
  8. 法人のための節約のコツ
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