交際費はどこまで損金になるの?法人税の税務調整まとめ

交際費はどこまで損金になるの?法人税の税務調整まとめ

交際費 「飲食費は一人あたり5000円まで」と上司や経理部の人に言われたことがあると思います。これは、一定の条件を満たせば1人あたり5000円以下の飲食費は交際費から除外して会議費などにしてよいとなっているためです。交際費は原則として損金不算入であり、会議費になれば損金算入できます。 ここで、そもそも「損金って何?」「経費とは何が違うの?」と疑問に思う人もいると思います。そこでまずは、損金と経費の違いについて説明したいと思います。

[目次] ■1)大前提:損金と費用は同じではない ■2)税務調整を行って課税所得を計算する ■3)交際費の損金算入について ■4)平成26年度からは交際費を損金算入できる条件が広がります ■まとめ

■1)大前提:損金と費用は同じではない

まず、「費用」と「損金」はイコールではありません。同様に、「収益」と「益金」もイコールではありません。決算では「収益」「費用」から「利益」を求めますが、法人税を計算する場合は、会社が「費用」と考えるものであっても、税法上は費用にならないものが出てきます。これは課税の公正さや、国の税務政策などを考慮に入れるためです。

例えば交際費の場合は、会社の利益を計算する上では「費用」ですが、税法上は原則として損金とはなりません。よって損金と費用は同じにはならないのです(同じく益金と収益も同じにはなりません)。

ちなみに交際費が原則として損金不算入なのは、交際費は会社の事業にとって無駄な費用(冗費)だ、という観点からだそうです。

<損金とは?損金不算入ってなに?こんな時は『【損金不算入】経営者にとって切っても切れない「法人税」まとめ。』をご覧ください>

■2)税務調整を行って課税所得を計算する

「収益」と「益金」、「費用」と「損金」が異なるため、会社の(事業年度の)利益に対して、益金に入れるもの(益金算入)&損金に入れないもの(損金不算入)をプラスして、益金に入れないもの(益金不算入)&損金に入れるもの(損金算入)をマイナスします。これを税務調整と言います。税務調整の計算方法は以下の通り。

利益+益金算入+損金不算入-益金不算入-損金算入=所得

このように、決算利益から税務調整をして課税所得を計算します。最後の調整を「申告調整」と言います。

■3)交際費の損金算入について

上のほうで、交際費は原則損金不算入と書きましたが、損金算入できる交際費もあります。 国税庁のページによれば、以下の2つについては交際費等から除かれる(つまり損金算入できる)とされています。

1.専ら従業員の慰安のために行われる旅行・運動会などに要する費用 2.飲食その他これに類する行為のために要する費用(その法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待費を除く)であり、支出を参加人数で割った額が5000円以下である費用

この記事冒頭で「一人あたり5000円以下の飲食費は交際費から除外できる(損金算入できる)」と書いたのはここの記述によります。このほか、社員旅行なども損金算入できるようですね。

■4)平成26年度からは交際費を損金算入できる条件が広がります

平成25年度までは資本金が1億円を超える企業については交際費の全額が損金不算入でした。しかし、平成26年度からは、資本金1億円を超える企業についても、「飲食に掛かる支出」については50%まで損金算入にできるようになりました(平成28年3月31日まで)。損金不算入額について表にまとめると、以下のようになります。

上図にもありますが、資本金1億円以下の企業については、①交際費800万円超の全額か、②交際費のうち飲食費の50%+飲食費以外の全額のどちらかを選択できます(この表は損金不算入額について表していることに注意です)。

法人の平成26年4月1日以後に開始する事業年度から適用され、適用期限は平成28年3月31日となっています。

■まとめ

以上、交際費の損金算入について見てきました。このほか、事前に届け出をしていない役員賞与や一定以上の寄付金などは損金不算入になります。これについては、【損金不算入】経営者にとって切っても切れない「法人税」まとめを参照してください。

TEXT = 安齋慎平 [sc:ebook_kyuyo ]