交際費が50%非課税になってどんな効果が生まれたか?

「交際費が50%非課税」の「交際費」についてご存知ですか?

Wedding table. Close-up of folded napkin and empty glasses

交際費の50%非課税とは具体的にどのようなことを意味するのか、ご存知でしょうか。「あれっ、交際費って損金に出来ていたのでは?」と思った方もいると思います。この交際費の50%非課税とは交際費全てのことを指している訳ではないのです。では具体的にどんな交際費を意味しており、それが50%非課税となったことでどんな効果が生まれるか、皆さんにご説明したいと思います。

[目次]
■1)まずは「交際費の50%非課税」とはどういうものか確認しましょう
■2)効果を読み解く鍵は「大企業対象」と「上限無し」
■3)「5千円」というボーダーラインがあることを忘れてはダメ!
まとめ)経済は循環するもの!あまりに悲観的に考える必要もない!

■1)まずは「交際費の50%非課税」とはどういうものか確認しましょう

まず「交際費の50%非課税」とはどういうものか確認しておきましょう。この制度改正を理解して頂く上でのポイントは以下の2点です。

・交際費の意味:全ての交際費のことではなく、「接待飲食費」を表している
・この制度の対象:大企業のみ対象(もともと一定額交際費が認められていた中小企業は無関係)

従来、資本金で1億円超の大企業は接待飲食費は交際費として認められていませんでした。それを50%までなら交際費として認めましょう、つまり損金として非課税扱いとしましょうというのがこの制度改正なのです。では、この改正によってどんな効果が生じるのでしょうか。

■2)効果を読み解く鍵は「大企業対象」と「上限無し」

この改正による効果、つまり日本経済への影響やインパクトがどのような領域でどの程度あるのかといったことですが、これを読み解く鍵は「大企業」が対象であるということと、更に「上限がない」ということにあります。

中小企業の場合ですと元々接待飲食費も交際費として認められていたということだけでなく、そもそもそんなに接待飲食費など使いませんよね。例えば売上げ1億円の企業が、接待飲食費だけに、1千万も2千万も予算をまわすことは無理です。その点で大企業は、規模によっては1社だけで10億円ぐらいの接待飲食費を使ってくれる可能性も十分あります。つまり「(経済に与える)規模のインパクト」が大きいと言えます。

しかも50%非課税というのはあくまで「割合」上の制限であって、金額上では無制限なのです。その点を踏まえれば、例えばいままで「接待飲食費は1人当たり1万円」と上限決めていた大企業が、「1万円まで損金に出来るなら2万円まで引き上げよう」と考えるようになることも十分期待出来ると言えます。

経済というのは「お金を貯める」方向に向かえば萎縮しますが、「使う」方向に向かえば活気づきます。従って大企業が上限を緩めて接待飲食費を使うようになれば、当然日本の景気に良い影響が期待出来ると言えます。では、その恩恵が特に期待できるのはどのような方々と言えるのでしょうか。

■3)「5千円」というボーダーラインがあることを忘れてはダメ!

交際費50%非課税は、日本の景気に好影響をもたらしてくれそうな期待が持てそうですよね。では、その恩恵を顕著に受ける対象者はどのような方々と申しますか、どのような業種かと言うことを考えてみましょう。

接待 ”飲食” 費ですから、飲食を提供するレストラン等の外食産業を浮かべた方が多いと思いますが、それではあまりに対象が広過ぎると言えます。それは「1人当たり5千円までは会議費として認められる」という従来からある制度が大きく関わってくるからです。

つまり取引先と食事会を実施した際、1人当たりの飲食費が5千円以内なら会議費で100%損金に出来ていた訳です。50%と100%では大きな違いですよね。そのため「5千円」以内にするか超にするかという、経費判断上のボーダーライン(歯止めのライン)が生じることになります。

また、2点目として会議費5千円以内の100%損金は従前からの制度なので、5千円以下の飲食を提供する飲食店舗等は前からその恩恵を受けており、この制度改正によって新たに恩恵が加わるものではないと言えます。以上2点のことを踏まえまとめると下記のようになります。

・接待飲食費は大企業が5千円を超えて会食をしたいと考える、重要な取引先や相手に限られる。
・直接的な恩恵は飲食店全般ではなく、5千円を超える高級な飲食サービスを提供するクラブや料亭等の高級店に限られる。

日本の景気高揚に大きく貢献してくれそうな制度に思えましたが、このように考えますと、勿論景気への良い影響は期待して良いのでしょうが、その効果は限定的と言えそうです。

まとめ)経済は循環するもの!あまりに悲観的に考える必要もない!

やや期待はずれだと思った方もいるかも知れませんが、だからといって「景気は変わらない」といった悲観論に傾く必要もありません。経済とは循環するものです。

例えばこの改正で料亭が儲かったとして、その料亭が古くなった家具を新調すれば家具店が儲かります。儲かった家具店が従業員の給与を増やせば、従業員の方々の消費支出が増えます。その消費は高級料亭とは関係のない様々な支出に跨るでしょう。このように直接的な恩恵は限定的であっても、一定の経済への波及効果は期待出来るのです。

つまり、こうした税制面での改正は過大視も過小視も禁物で、冷静にその効果を見極めてゆくことが大切だと言えます。

 

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目次

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  2. 職業規則や給与規定は、給与計算のルール
  3. 入社手続きに必要なものまとめ
  4. 給与明細を見れば給与計算がわかる
  5. 残業代の計算は、◯倍で考えよう
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