給与所得者の扶養控除等(異動)申告書とは?概要と書き方まとめ


年末調整に必要な書類の一つである「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」。

そもそも扶養控除等(異動)申告書とは?という基本的な知識から扶養控除等(異動)申告書の書き方まで、ご紹介します。提出の〆切になって間近に慌てないように、余裕を持って準備しましょう。

目次

  1. 扶養控除等(異動)申告書とは
  2. 扶養控除等(異動)申告書の提出は義務なのか
  3. 年末調整で対象となる所得控除
  4. 扶養控除等(異動)申告書の書き方
  5. まとめ

1)扶養控除等(異動)申告書とは

そもそも年末調整は、1年間の給与所得および源泉徴収した所得税について、年末に会社が再計算して過不足を調整する、確定申告の簡易版を指します。年末調整を行うことで、会社の給料から天引きされて、払いすぎていた所得税の還付金を受けられます。年末調整の際に従業員が記入する主な書類として、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「保険料控除兼配偶者特別控除申告書」があります。

中でも給与所得者の扶養控除等(異動)申告書とは、扶養している家族に関して申告を行ない、個々の事情に合わせて税金を軽減するための申告書のことです。

会社から給与所得を受けている人が、配偶者控除や扶養控除、障害者控除(特別障害者含む)、寡婦控除(特定の寡夫含む)、寡夫控除、勤労学生控除などの控除を受けられます。

主な対象として、配偶者のいる人や子供のいる人、親の面倒をみている人があげられます。

2)扶養控除等(異動)申告書の提出は義務なのか

「扶養控除等(異動)申告書」は、給与の支払いを受けた人は提出する義務があります。扶養親族がいなかったり、自信が障害者や寡婦/寡夫、勤労学生に当てはまらなかったりしても、その旨を会社に報告する書類でもありますので、きちんと記入して提出しましょう。

3)年末調整で対象となる所得控除

年末調整では、通常の確定申告で対象となる14種類の所得控除のうち、雑損控除・医療費控除・寄附金控除を除いた11種類の所得控除に関して申告することができます。その中でも「扶養控除等(異動)申告書」では、主に扶養控除を中心とした人的控除について記載します。以下は、対象となる控除の一例です。

配偶者控除

合計所得金額が38万円以下の配偶者に対する控除。

扶養控除

合計所得金額が38万円以下の扶養親族に対する控除。

障害者控除

身体障害者手帳・精神障害者手帳などの交付を受けている、控除対象配偶者や扶養親族にたいする控除。

寡婦控除

夫と死別または離婚後に再婚せずに扶養親族がおり、合計所得金額が500万円以下の人に対する控除。

寡夫控除

妻と死別または離婚後に再婚せずに生計を共にする子がおり、合計所得金額が500万円以下の人に対する控除。

勤労学生控除

所得者本人が児童、生徒、学生または訓練生で、合計所得金額が65万円以下で給与所得以外の所得金額が10万円以下の場合。

4)「扶養控除等(異動)申告書」の書き方

それでは「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の書類を記入する際の注意点について見てみましょう。ここでは、記入される方の多い「基本情報」「配偶者控除」「扶養控除」の記載について見ていきます。

基本情報

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の書類を受け取ったなら、上から会社名や会社所在地、自分の名前、個人番号、住所、生年月日、世帯主名と続柄を記入します。また、配偶者の有無も忘れずに○で囲みましょう。

自身のマイナンバーがわからない場合には、マイナンバーの通知カードを発行するか、マイナンバー付きの住民票の写しを発行するなどして把握するようにします。

控除対象配偶者や扶養親族などがおらず、自身が障害者などに当てはまらない場合、この基本情報の欄に記入して提出するだけで問題ありません。

扶養対象配偶者

扶養対象配偶者がいる場合は、その情報を記載していきます。ここでのポイントは「所得」の欄です。

「所得」欄は、その年に配偶者が稼いだ収入ではなく、来年の収入を予想してその想定額を記載します。なお、記載する金額は、給与収入額から給与所得控除額である65万円を差し引いた金額を記載しましょう。

「103万円(給与収入) − 65万円(給与所得控除額)= 38万円(合計所得額)」 が一般の配偶者控除額となります。
差し引き後の金額が38万円を超える場合は、そもそも配偶者控除の対象とならないため、注意してください。

なお、控除対象配偶者のうち、その年12月31日時点で70歳以上の場合は、老人控除対象配偶者となり、48万円が控除額となります。

扶養対象扶養親族

扶養対象扶養親族がいる場合は、その情報を記載していきます。年少扶養控除が廃止されたため、年齢16歳以上の人だけが扶養控除の対象です。扶養控除額は、親族の年齢と同居しているかで控除額が変わってきます。

控除額
一般の控除対象扶養親族(年齢が16歳以上の扶養親族) 38万円
特定扶養親族(年齢が19歳以上23歳未満の扶養親族) 63万円
老人扶養親族(年齢が70歳以上の扶養親族)で同居老親*など 58万円
老人扶養親族(年齢が70歳以上の扶養親族)で同居老親*以外 47万円

*1 年齢は、その年12月31日時点で判断します。
*2 同居老親とは、年齢が70歳以上の扶養親族のうち、納税者またはその配偶者の父母・祖父母などで、納税者またはその配偶者と常に同居している方を指します。

5. まとめ

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、年末調整の際に、扶養家族に関して申告を行ない、個々の状況に応じて税金を軽減するための申告書です。「扶養控除(異動)申告書」を提出すると、1年間に給料から天引きされた所得税の過不足を調整し、家族の事情を考慮して所得税の控除が受けられます。

年末調整は12月の給与計算に必要ですから、年末に慌てることのないように、前もって準備をしておくとよいでしょう。

<年末調整に関するすべての疑問を解決したい方はこちら>

・「年末調整ガイド|年末調整に関する疑問すべて解決【永久保存版】

年末調整に関する疑問を解決するには

毎年冬が近づくと行われる年末調整。毎年行われる年末調整はどのようなものなのかご存じでしょうか?
年末調整に関するあらゆる疑問を一挙に解決できる年末調整ガイドを作成いたしました。
経理担当者や、中小企業担当者の方はぜひご活用下さい。

e-book_cover_年末調整_1

目次

  1. 年末調整とは
  2. 年末調整のスケジュールと対象者
  3. 必要書類を確認
  4. 給与担当者がやること
  5. 従業員がやること
  6. 年末調整チェックリスト
  7. 最後に
無料でダウンロード
無料でダウンロード