納品書の意味を知らずにトラブルにあった5つの事例!

たかが納品書だと思っていると、取り返しのつかないことになりますよ

納品書 「請求書と領収書があれば、だいたいなんとかなるでしょ」 「領収書は必要だけど、納品書はそんなに必要じゃないかも」 たしかに、領収書には民法486条に基づく法的義務がありますが、納品書は法的に発行することを義務付けられてはおらず、商慣行的に発行されることが少なくありません。しかしながら、「商慣行」を大事にすることで、取引先との信頼関係を築いていくといっても過言ではありません。

納品書に関するトラブル5選を見ていきましょう。

[目次] ■1)納品書の記載トラブル(数量や品名編) ■2)納品書の記載トラブル(宛名編) ■3)納品書の保管トラブル ■4)納品書の発行トラブル(1) ■5)納品書の発行トラブル(2)

■1)納品書の記載トラブル(数量や品名編)

個人事業主やフリーランスにありがちなトラブルです。納品書や請求書を、その都度excelのテンプレートで発行していませんか?

件数が少なければ慎重に操作することで回避できますが、件数が多くなってきたり、ある時期に一斉にまとめて受注したりすることで、

・数量ミス ・品違い

が起こりやすくなります。また、1件1件1つのファイルで管理するよりも、受注データを引っ張ってきて、加工したり、取り込んだりすることで、人為的ミスが発生しがちです。

売上管理ソフトや販売管理システムを利用すれば、見積もりデータからそのまま請求書や納品書、領収書などの発行データに流用することができますので、顧客と注文データを確実に紐付けることができます。

■2)納品書の記載トラブル(宛名編)

納品書の記載トラブルとして、品名や数量のミス、注文データの取りこぼしといったトラブル以外にも、宛名を間違えるというトラブルも非常に生じやすいです。納品書のデータと納品物は正しいけれど、送付先の顧客情報が一致していないということが考えられます。

Aさんが注文したものは正しく届いたけれど、Bさんの住所や連絡先、クレジットカードNo.などが記載してあれば、個人情報が流出することになり、悪用されることになりかねません。

個人情報保護法を順守しなければならないのは、個人情報取扱事業者に限られています。過去6か月以内に5,000件を超える顧客情報を取り扱っていれば、個人情報取扱事業者となります。主務大臣は、個人情報取扱事業者に対して、報告の徴収や助言、勧告および命令をすることができます。主務大臣の命令に違反したものは、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金というペナルティが課されます。

■3)納品書の保管トラブル

納品書には発行義務を拘束する法律はありませんが、領収書発行義務は民法486条にて規定されています。法的根拠がないからと、納品書を捨ててしまうと「保証してもらえない」というトラブルが起こり得ます。

納品書には、商品や役務の受け渡しがあったことを示す書類です。納品書に記載してある「注文日」や「発行日」といった日付が非常に重要な意味を持ちます。なぜなら、保証書に日付が記載されていなかった場合、納品書の日付が保証発生効力の要因となるからです。日付未記載の保証書と納品書がセットになって、購入した証明となるのです。

■4)納品書の発行トラブル(1)

納品書は、商品や役務の引き渡しがあったことを示す書類ですから、領収書の代わりとはなりません。

領収書は民法486条にて「弁済をした者は、弁済を受領した者に対して受取証書の交付を請求することができる。」と規定されています。お金を支払った人は、受け取った人に対して、「領収書を発行してください」と請求することができるという意味です。すなわち、請求があったにも関わらず発行しないことは、民法486条に違反する行為となるわけです。

ありがちなトラブルとして、銀行振込における領収書発行があります。先方は振込明細書があるにも関わらず、受注者より領収書を発行すれば、受取証書が2部あることになります。このような場合でも、お金を受け取った側は、領収書発行の義務があります。ここで領収書ではなく納品書を発行してしまうと、先方とのトラブルに発展する可能性があります。

このような場合、「振込明細書をもって受取証書とする」旨を特約として設けることで回避することができます。

■5)納品書の発行トラブル(2)

副業で収入を得ている人にありがちなトラブルとして、「NCNR(ノークレームノーリターン)」があります。これは一切の苦情や返品を受け付けないという意味で、NCNRに同意した人のみ購入してくださいと併記されることもあります。

NCNRであれば、納品書や保証書は付ける必要はないということができます。しかし、個人間のやり取りであっても、物品授受における信頼性の程度は、梱包状態や同封してある送付状、納品書といったことから判断されます。

あなたがもし法的効力がないことを理由に納品書を同封しなかったとしたら、丁寧に送付してくれる方と比較されたときに、信頼性を損なう十分な心理作用が働くものと考えられます。信頼関係を築けなかった顧客によって、口コミサイトで氏名やアカウントを公表されてしまうと、データが拡散されて、デジタルタトゥーとなり、一生あなたを苦しめることになるのです。

慣習的なこととはいえ、納品書を発行しておくことが、無難な対応であるといえます。

■納品書は、意外と大事なものなのです。

さて、『納品書の意味を知らずにトラブルにあった5つの事例!』はいかがでしたか?

納品書には発行を義務付ける法的根拠はありません。あくまでも商慣習や商慣行によって発行されているにすぎません。法的根拠がないからと発行しない対応をとる、企業や個人事業主もいるかもしれません。しかしながら、売買契約は民法上、双務契約だと規定されています。双務契約とは、お互いに債務が発生する契約をいいます。自分さえよければいいというわけではないのです。

これらのことを鑑みたときに、納品書を発行することには意味があると思えるのではないでしょうか。