【用語解説】公益法人会計基準とは?一から解説してみた

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公益法人とは?から公益法人会計基準までを10分で理解しよう

公益法人会計基準というのは最も簡単に言えば、公益法人を運用するにあたっての会計のルールです。でもこれではさっぱり理解できないはず。これを理解するためにはそもそも公益法人とは何なのかというところから理解する必要があります。まずはそこから解説しましょう。

[目次]
■1)公益法人ってつまりなんなの?
■2)公益法人と一般の法人との違い
■3)会計基準を一から簡単に
■4)公益法人会計基準の特徴は?
■5)正味財産とは?
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■1)公益法人ってつまりなんなの?

日本における公益法人の歴史は非常に古く、はじまりは明治29年1896年の民法34条の「祭祀、宗教、慈善、学術、技芸其他公益ニ関スル社団又ハ財団ニシテ営利ヲ目的トセサルモノハ主務官庁ノ許可ヲ得テ之ヲ法人ト為スコトヲ得」という文言です。およそ120年も昔の法律ですが、この文言はつい6年前、つまり2008年まで使われていました。

2008年にこの旧民法34条は改正されましたが、おおまかな定義に変わりはないので、ここではこの文言を定義として解説していきます。公益法人はつまりは「営利目的ではなく、かつ公益のために活動する法人」です。ここでは具体的にどんな公益法人があるのかを見ていきましょう。

・公益社団法人大阪府鍼灸師会
活動概要:本会は、鍼灸学術を振興し、鍼灸業務を通じて公衆衛生の向上に関する事業等を行い、もって国民の健康と福祉の向上に寄与することを目的とする。

・公益財団法人大阪市都市型産業振興センター
活動概要:公正かつ自由な経済活動の機会の確保及び促進並びにその活性化による国民生活の安定向上を目的とする事業
※引用:国・都道府県公式公益法人総合情報サイト「公益法人information」より

どうでしょうか。おおまかなイメージはつかめたのではないでしょうか。
では公益法人は具体的にどのように決められ、ほかの法人とどのような違いがあるのかを次に見ていきましょう。

■2)公益法人と一般の法人との違い

これは非常にわかりやすく定められており、「運営費用の50%以上が公益目的事業に当てられている」ことです。ほかにもいくつかの条件がありますが、一番この条件がわかりやすいものですよね。もっと単純に言えば「半分以上はみんなのためにお金を使っている」ということです。

この「公益目的事業」というのは一般に「赤字事業」という認識がありますが、厳密にはそうではなく、あくまで「収支のバランスが公益に照らしてみて不適正でない」という基準に基づいています。公益法人の認定は現行法ですと内閣府と各都道府県の専門の機関が行うのですが、この「不適正でない」というあたりが極めてお役所的で曖昧です。

ですが逆に言えば「赤字事業なんだから公益目的事業だろ」という暴論がまかり通らないようにしてあるわけで、お役所的曖昧さは常にセーフティネットを張っているという点で、非常に重要な要素でもあるのです。

■3)会計基準を一から簡単に

会計基準についておおまかに理解しておきましょう。会計には大きく2種類あって、これが財務会計と管理会計です。経営者などの企業内部のために作るのが管理会計、それに対して外部に発表するために作るのが財務会計なのです。そしてこの財務会計を構成するのが財務諸表というわけです。財務諸表を作るときのルールを会計基準と呼び、このうち特に公益法人に関するものを公益法人会計基準というわけです。

また、財務諸表とは何を指すかというと「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」「株主資本等計算書」の4つです。それぞれを簡単に説明すると「会社の全財産の状況の一覧」「会社がどれだけ儲けたかの一覧」「会社のお金の流れの一覧」「純資産の増減表」となります。これらを総合的に見ることで、会社の会計状況を分析・理解できるというわけです。

しかしこの財務諸表をみんながみんな好き勝手な基準で書いていては、それを読むのにいちいちその基準を理解するところからはじめなければなりません。そのような手間を省くために必要になるのが「会計基準」なのです。では、この会計基準のうち、公益法人会計基準はそれ以外のものとどう違うのか、次で理解しておきましょう。

■4)公益法人会計基準の特徴は?

企業会計では、出資者との資本取引と利益を生む損益取引を区別することが重要であるのに対し、公益法人会計では財源提供者からの拘束のありように変化を与える指定正味財産増減取引と変化を与えない一般正味財産増減取引を区別することが重要である。

公益法人にとって重要なのは利益ではなく公益なので、それを示す指標を会計に盛り込まなくてはなりません。そのため公益法人会計基準では損益計算書の代わりに「正味財産増減計算書」という財産の増減に特化した一覧をつけるよう定められています。
この「正味財産」に重きを置くのが公益法人会計基準の大きな特徴です。

■5)正味財産とは?

正味財産とはすなわち、「資産から負債を差し引いたもの」のことを言います。簡単に言うと、手取りの財産が正味財産と考えても良いでしょう。
仮に正味財産が増加すれば、儲けが出ていることになりますし、減っていればその逆ということになります。
公益法人における正味財産とは、貸借対照表における正味財産のことで、「指定正味財産」「一般正味財産」そして「基金」の3つに分類されます。
使途に制約が課されている寄附者から受け入れた財産のことを「指定正味財産」と言い、それ以外の正味財産を「一般正味財産」と言います。
また「基金」については、平成20年に新たに導入された新制度であり、法的には債務となりますが、区分上は正味財産として扱います。

■公益法人を運用にあたっての会計のルール=公益法人会計基準

冒頭でこのように説明しましたが、ここまで読めばおおまかにはこの意味がわかるようになったのではないでしょうか。厳密な理解にはまだまだ細かい説明が必要ですが、なにごともまずはアウトラインをつかむのが大事。もっと知りたい!という人は自分でも勉強してみてくださいね。

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目次

  1. 会社の経理を始めるために
  2. 法人の決算に必要なものまとめ
  3. 貸借対照表で会社の資産状況を把握しよう
  4. 損益計算書で会社の利益を把握しよう
  5. 法人のための税申告・納付まとめ
  6. 法人にかかる税金は9種類もある
  7. 税金を滞納したら、どんな罰則がある?
  8. 法人のための節約のコツ
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