自社に太陽光発電をローンで導入すると元は取れる?計算してみた。

シビアな収益予想が求められる「夢」の太陽光発電

太陽光発電
太陽光発電というと電気を自前でまかなえるという基本的なメリットの他に社会に対して環境活動に取り組んでいるという評価が得られたり、災害時でも自社に設置された太陽光発電によって基礎的な電量の確保をすることができます。

とりわけ太陽光発電が多方面の業界において注目されている理由として、発電した電気を電力会社に売って収益を得るという視点が加わったことです。ただし、決して安くはない初期費用を掛けて導入してまで経済的な高価を会社として回収できるかというと不透明さが大いに残されています。

太陽光発電のメリットである収益性とその裏側に隠されたコストパフォーマンスへの心配を軸に、導入価値を探っていきましょう。

[目次]
■1)産業用太陽光発電のメリットとは
■2)資金調達が導入のカギ
■3)電力会社による連系リスク
■4)投資回収年の計算式
■5)投資回収年の実際

■1)産業用太陽光発電のメリットとは

産業用太陽光発電
太陽光発電で経営者としてもっとも気になるのがその収益性・経済性だと思われます。再生エネルギーとして国からの支援も得られやすい今、初期設備投資を早ければ8年程度で回収することも可能です。太陽光がソーラーパネルを照らし続ける限り、発電そして売電が可能なため自社で使用する電力を全部または一部カバーしながら余剰分を収益として回収すれば、当初の思い切った決断も報われます。

一度設置すればメンテナンス等の維持費は発生するものの、壊れるまで発電できるため「金のなる木」のような感覚で見てしまうのも無理からぬことです。20年を過ぎれば固定買取となるためさらにコストがゼロに近くなります。さらに、クリーンエネルギーの一翼を担うものとして次世代への拡充を図っている国は、この太陽光発電への税制優遇も用意しています。とくにグリーン投資減税を利用して即時償却すれば黒字利益に掛かる法人税のうちかなりの割合の節税効果が見込めます。

このように永続的な収益とビジネスとしては理想的なコストパフォーマンスや国策支援がある産業用の太陽光発電ですが、社会的な意識がまだ乏しいため資金調達をする段で苦労が大きいのが現状です。

■2)資金調達が導入のカギ

資金調達
自社ビルの屋根に導入するにせよ郊外や山間部に事業用ソーラーパネルを設置するにせよ、スムーズに設備投資の融資を得るのは難しいのが現状です。土地や建物とちがうため太陽光発電の設備そのものは担保になりえず、設置以後は継続的な発電が見込めるとはいっても黒字収益になるかどうかは実際にスタートしてみなければ予想が立ちにくいのもその理由です。

とくに中小企業であれば資金的にどうしても金融機関への融資を申し込む流れになるため、通常の事業の一環で融資をお願いするケースより審査のハードルが高くなります。そうなると自前の資金をかなり持った上で担保を設定して融資を受けることになり、この返済に発生する金利と売電収益とのバランスが経済性を見極める分岐点となります。

■3)電力会社による連系リスク

連携リスク
通常のビジネスとちがって太陽光発電の取引先は電力会社のみとなります。現実的にごく狭い範囲であり、その際に問題となるのが連携リスクと呼ばれるものです。売電するときに流れていく変電所の受け入れが難しい場合、電力会社がそれを理由に設備費用を要求したり、最悪拒否することがあります。

中小企業が導入するような小規模(50kw未満)である低圧連系では心配はないというのが一般的ですが、買い手は電力会社しかないとなるので万一こうした不測の事態が生じると、どんなに太陽光発電をしても収益そのものが上げられなくなります。こうした電力会社に左右されるリスクも導入には検討材料となります。

■4)投資回収年の計算式

太陽光発電投資回収
このように魅力的な太陽光発電にはその裏側に経済リスクでの危うさが隠されています。

そこで導入したときにどれほどの経済効果を上げられるかという一つの指針が『投資回収年』の計算式です。一般には8年もあれば設備投資が回収できるといわれる太陽光発電ですが、設置導入してからその回収までの期間をシュミレーションすることで経営に与える影響を判断する一つの材料になります。

『太陽光発電の設置価格』を
『[年間予想発電量]×([電気料金 28円/Kwh]×自家消費率+[買取価格 37円/Kwh]×売電率)』
で割った数字が投資回収年です。

ここでのポイントは電気料金や買取価格は電力会社が決定するため変動があること。
そして、自家消費率の大小によって売電率が影響を受けることです。

■5)投資回収年の実際

例えば、小規模な店舗が屋根に太陽光発電を設置したとしましょう。

  条件1) 設備投資 150万円
条件2) 太陽光発電規模 5kw
条件3) 年間予想発電量 5500Kwh
条件4) 店舗月間電気使用量 300kwh

上記で投資回収年の計算式に当てはめると、

150万/ { 5500KWh × ( 28円/Kwh × 32.7% + 37円/Kwh × 67.3% ) } = 9.0年

となります。
太陽光発電は10年が一つの目安といわれており、それ以上回収に時間が掛かるようではメリットが薄くなるためこの店舗の例で言えばギリギリの選択ラインだと考えてよいでしょう。

上記はあくまでごく簡単な目安ではあります。
実際には年間予想発電量を正確に割り出す必要があり、これは導入する太陽光発電設備の変換効率や設置面積に大きく影響されます。

■まとめ|太陽光発電はローンで導入すると元は取れるのか?計算してみた。

長くても8年で回収できると盛んに謳われている太陽光発電ですが、事業の一環として組み込む際には、慎重な予測を立てることが重要です。とくに資金投入をしたものの思うように収益が上がらないのでは夢のような再生エネルギーも経営のお荷物になってしまいかねません。

設備自体の担保が困難なこと、融資返済にどれほど売電収益を充てられるかをシビアに予想するためにも投資回収年の計算式を一例に厳しい数字を当てはめて判断材料にしたいものです。