衆議院解散と消費税増税問題の行方、そしてその影響まとめ

消費税増税待ったなし!その根拠と影響は?

インパクト 安倍首相は消費税を10%に引き上げる予定を来年10月から18か月後の2017年4月に1年半延期すると発言しています。おそらくこの発言は実行されるでしょう。

消費税は逆進性と言って、お金がない人ほど負担する割合が収入に対して大きくなってしまう性質を持っています。それだけに国民の目はシビアに光ります。しかし、資本主義による貧富差の拡大を抑えるにはどうしても税収が必要です。

以下では所得税や法人税ではなく、なぜ消費税なのか、そしてその増税が2017年4月に行われると考えられるのはなぜなのかについて見てきます。

[目次] ■1)消費増税の理由 ■2)衆議院総選挙の行方 ■3)消費増税が中小企業にもたらす影響

■1)消費増税の理由

貧富差の拡大を食い止めるのであれば、お金持ちから税金をとってそれを貧困層に配分すればいいという考え方が一番単純です。しかしこの理屈には歴史的な失敗があります。それは社会主義です。

社会主義は簡単に言えば「みんなで働いて、平等に分けよう」という考え方です。ソビエト連邦や中華人民共和国などがこの考え方のもと政治を行おうとしましたが、ソ連は崩壊し、中国では形骸化しました。その原因は「みんながみんな一生懸命働くわけではない」という事実でした。例えば「10」働いた人と「2」働いた人がいるとしましょう。社会主義の思想に基づけば、どちらの人にもひとしい給料が支払われます。であれば「10」働いた人は、よっぽどの働き者でない限り、「どうせ2でも同じ給料がもらえるんだ」と一生懸命働かなくなります。こうして社会主義を国家レベルで行おうとすると、そうしても衰退の道しか残されない、というのが人類の歴史的教訓なのです。

所得税や法人税というのはこの社会主義的な要素の強い税金です。すなわち、下手に増税すると「稼いでいる人たち」のやる気をそいでしまい、結果的に国家全体が経済的に衰退してしまうのです。特に現在の日本の経済事情は、再び成長コースに乗れるのか、あるいはまた脱輪するのかの瀬戸際です。

ここでその最前線を走る企業から資金力をそいでしまうのはあまりにリスクが高い。それよりむしろ、全体から消費税を集めて、企業や富裕層を含めた人たちにお金が回るようにしたほうが、今の経済の背中を押せるというわけです。

■2)衆議院総選挙の行方

おそらく順当に行けば自民党が再び与党になるでしょう。各メディアも今回の選挙の状況を「1強状態」などと書いているほどです。どうしてこのような事態になったのでしょうか。「ほかにやる人がいない」。誤解を恐れず言うのであればおそらくこれが世論の本年でしょう。

2014年11月現在の安倍内閣の支持率は45.5%、不支持が32.3%です。60%を超えた昨年1月よりは確かに下がりましたが、それでもまだ半分近くの人が安倍内閣を支持しているのです。また安倍内閣が常に掲げ続けてきた「経済成長」ですが、上がったり下がったりを繰り返してはいますが日経平均株価は確実に上昇しています。そして国民は相も変わらず「お金は多い方がいい」という成長指向。この状況で、自公政権を崩す理由が国民側にはないのです。

しかし、この安倍内閣の成長戦略「アベノミクス」にはきちんと犠牲者が用意されているのです。そのことを理解したうえで、私たちは自民党の政治を選ばねばなりません。

■3)消費増税が中小企業にもたらす影響

平成20年度のデータでは、滞納されている税金の実に45.8%が消費税であるという事実がわかります。これは何も消費税が企業にないがしろにされているからではありません。負担が大きすぎるからなのです。

日本の企業のうち、99.7%は中小企業で、そのうちの88%が小規模企業や個人企業だと言われています。そしてその中小企業のうち7~8割は赤字経営をやりくりして何とか食いつないでいる状況です。

平成20年ということはまだ消費税は5%ですが、それでもこの有様です。5%から8%に税率が引き上げられた今年の滞納額はさらに大きなものとなるでしょう。なぜなら消費税は逆進性の税金です。つまり赤字だろうが黒字だろうが、同じ売り上げ規模があれば容赦なく課税されるのです。しかし無い袖は振れません。火の車の中小企業に油をかけるのが消費増税なのです。この事態は17年4月に10%に引き上げられればさらに悪化するでしょう。