2015年に起こりうるであろう政治問題とその影響を3つピックアップしてみる

衆議院総選挙後の政治問題とその行方やいかに!?

国会
衆議院の解散が決まり、あれよあれよと言う間に総選挙のための選挙活動が始まっています。この解散には様々な思惑や計算が渦巻いているわけですが、棚上げされたTPP問題や消費税増税問題など、国民生活と直結する政治問題が山積みです。この選挙以降起こり得る政治問題とその行く先がもたらす影響をについて3つの問題を起点に考えてみましょう。

[目次]
■1)原子力発電所問題とその行方
■2)環太平洋経済連携協定(TPP)問題とその影響
■3)解雇規制緩和問題と起こりうる事態

■1)原子力発電所問題とその行方

原発
まだ記憶に新しい2011年3月11日の東日本大震災で、世界中に波紋をもたらした福島第一原子力発電所の「事故」。世論を受けて2012年には福井県大飯原発を除いた全ての原子力発電所が稼働を停止しました。しかし、この原子力問題を取り扱う専門機関「原子力委員会」は現在短期の「原発再稼働」と中長期の「脱原発」を課題としています。

現与党の自民党は、この原発再稼働に積極的で、脱原発には慎重になっています。安倍首相も「簡単に脱原発とは言わない」という旨の発言もしており、今回の総選挙で自民党が与党となれば、そう遠くない未来に原発が再稼働するのは確実だと言われています。

例えば、2011年の原発の海外生産比率は過去最高の18.4%を記録しました。これは2006年時点の予想を1%以上、上回るものです。今から5年後の2016年には22.4%となることが予想されていますが、原発の再稼働問題の如何によってはさらに加速する事態もあり得るでしょう。

この影響をもろに受けるのは中小企業の中でも製造業でしょう。日本の製造業はほぼ100%が中小企業で、そのうち88%が小規模企業、さらにその43%が個人企業であるというデータが平成18年に出ています。これらの企業が打撃を受ければ日本の産業構造そのものが崩れ去る可能性もあるでしょう。

よって経済成長を通じて国民の生活の安定を図ろうという与党にしてみれば、「脱原発」には非常に慎重にならざるを得ないのです。

■2)環太平洋経済連携協定(TPP)問題とその影響

TPP
TPP問題は2012年にその協議がスタートして以来、何度も議論が交わされてきてはいますが、なかなかまとまらないというのが今の現状です。

この原因として、簡単に言うと、アメリカ側は【自動車産業を守りたい】と言ってきかず、日本側は【農業を守りたい】と言って譲らないためだと言われています。TPPはこれまで輸入品にかけてきた関税を撤廃し、「経済における国境」を無くしてしまうための協定です。これはアメリカが推進している全世界自由市場化の一つで、より活発な経済活動を推進するものです。

しかし、例えば現在でも中国産、アメリカ産の野菜や肉が安く手に入り、国産のものが売れなくなっている状況があります。ここにTPPが締結されるとあっという間に国産のものは市場から激減してしまう可能性も考えられます。もちろんそれで生活していた人たちは困窮します。これは農業界に限ったことではありません。

例えば鉄鋼製品に関しては2014年現在で3.9~5.2%の関税が掛けられています。これが撤廃されればどうなるか想像するのはそれほど難しいことではないはずです。

与党自民党もこのTPPには基本的な参加姿勢は持っているものの「譲らないところは譲らない」という慎重さも併せ持っており、アメリカの性格を考えるとTPPの締結はまだしばらくは長引くでしょう。

しかし同時に「締結されないまま頓挫」というシナリオは考えにくいのも事実です。いずれは迫ってくるTPPの猛威に備えて、地力をつけておいて損はないでしょう。

■3)解雇規制緩和問題と起こりうる事態

解雇
経済界(大企業)から再三にわたって要請されている解雇規制の緩和問題。2013年12月時点ではその法制に実際に手を付けるのは見送られていますが、経済成長を御旗の錦と掲げる自民党がいつ緩和に乗り出すかは誰も読めません。

現在の解雇規制は「合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない」場合には解雇できないというもので、この合理的な理由は重大な法律違反や違法行為などに限定されているため、企業の都合で解雇をするのにはかなり細かい条件を満たさなければならなくなっています。条件を満たしたとしても、実際に裁判をするまではその適否ははっきりせず、企業側にとっては解雇のリスクが高いのが現状です。

しかし同時に労働組合の強い大企業の正社員は守られており、労働組合のない中小企業の正社員は守られておらず、不当解雇が横行しているという意見もあり、現況も誰も正確には把握できていないのが実際です。

緩和推進派の言い分は「緩和規制によって人材の流動性が損なわれ、衰退産業から成長産業への人材移動が抑制され、経済成長を妨げている」というもの。これに対して世論は「緩和の実行すれば雇用環境が悪くなり、国民の生活が不安定になる」として、緩和を拒否してきました。この構造は今も変わりません。

2014年の農林水産業従事者を除いた非正規雇用者比率は37.9%となっており、1990年から比べると17.9%も上昇しています。非正規雇用は不安定な雇用や低賃金、スキルアップのチャンスがない、セーフティーネットの欠如など、生活不安に拍車をかけるデメリットが多いため、「正規雇用を増やす」方がよいというのが一般認識です。

企業側が非正規雇用を増やしたいのは、人件費の削減が最も大きな理由でしょう。産業の空洞化をこれ以上進行させないためにも人件費の低減は避けては通れない道だと思います。しかし、本当に重要なのは非正規雇用か正規雇用かの違いではなく、非正規雇用労働者の労働環境を改善するということにあります。それは「保護」という観点ではなく、「チャンスを与える」という観点で語られねばならないのではないでしょうか。

正規雇用と非正規雇用の給料の差には仕事内容も含まれますが、【抱えるリスク】【背負う期待】の違いも多分に含まれています。その差を是正したうえで【解雇されるリスク】を共に背負っていく。こういう形にすれば不当な解雇や不当な給料格差はなくなっていくはずです。

中小企業としては「非正規雇用労働者にも正規雇用者並に働いてほしい」という思いがあります。このような視点で人材のマネジメントを進めれば、非正規雇用者のモチベーションも上がり、正規雇用者の危機感も煽れます。であれば人材面での質の向上が実現できるでしょう。

■中小企業を狙い撃ち!?これからの日本の政治

こうして見ていくと、現在の日本の政治の潮流は「大企業志向」になっているように思えます。消費税増税にしても一番の痛手を負うのは中小企業だと言われています。そんな中で生き残っていくのは至難の業かもしれません。

私たちは情報をいち早く取り入れ、戦略を練る必要性に迫られています。