確定申告|昨年無収入だった人のための保険料計算方法まとめ

昨年無収入だった場合の社会保険と、保険料の金額や計算方法をまとめてみました。

保険
無収入・無職の場合でも払わなければならないものが、国民年金や健康保険などの社会保険料です。ここでは、昨年無収入だった場合の社会保険制度と、保険料の金額や計算方法などを説明していきます。

目次|昨年無収入だった人のための社会保険まとめ
■1)国民年金について
■2)健康保険について
■3)国民健康保険と保険料の計算方法
■4)国民健康保険料の「軽減制度」って何?
■昨年無収入だった人のための社会保険まとめ
ダウンロードページはこちら
クラウド確定申告ソフト今すぐ使える

■1)国民年金について

日本国内に住む20歳以上60歳未満の人は、国民年金に加入し国民年金保険料を支払わなければなりません。
国民年金には、

・「第1号被保険者」
・「第2号被保険者」
・「第3号被保険者」

の3種類があります。第2号被保険者は会社で厚生年金に加入している人が対象者のため、無収入の人の場合は、第1号被保険者、あるいは第3号被保険者となります。

・第1号被保険者

自営業者、フリーター、無職の人などが対象者です。無収入の人の多くが加入することになるのが、この第1号被保険者でしょう。
第1号被保険者の1ヶ月当たりの国民年金保険料は、一律15,250円(2014年度)です。保険料は毎年改定され、最終的に2017年4月から「16,900円×改定率」で固定されることになっています。

ただし、経済的に保険料を納めることが難しい場合には、

・保険料免除制度(全額免除、3/4免除、半額免除、1/4免除)
・若年者納付猶予制度(20歳以上30歳未満)
・学生納付特例制度
・失業による特例免除

があります。保険料免除制度は本人・世帯主・配偶者の所得、若年者納付猶予制度は本人・配偶者の所得、学生納付特例制度は本人の所得、失業による特例免除は世帯主・配偶者の所得をもとに審査されます。

逆に、経済的にゆとりがある場合には、前納(2年前納、1年前納、6ヶ月分前納、1ヶ月早割)することによって国民年金保険料の割引を受けることができます。また、付加保険料(月額400円)を上乗せして納めることによって、将来受給する年金額を増やすこともできます。

・第3号被保険者

第2号被保険者の配偶者のうち20歳以上60歳未満の人が対象者です。いわゆるサラリーウーマン(サラリーマン)の夫(妻)で専業主夫(妻)の場合です。なお、第3号被保険者になるためには届け出が必要となります。第3号被保険者の場合は、配偶者が加入している厚生年金が保険料を負担するため、追加でかかる年金保険料はゼロです。

ちなみに、年間見込み収入が130万円以上(障害年金を受給できる程度の障がい者の場合は180万円以上)で、配偶者の会社の健康保険の扶養になれない場合は、第3号被保険者ではなく第1号被保険者になります。

■2)健康保険について

無収入の人の場合、家族が勤める会社の健康保険の被扶養者になるか、国民健康保険に加入することになります。家族の健康保険の被扶養者になるには、さまざまな条件があるため、被扶養者になれない場合は国民健康保険に加入することになります。では、健康保険の被扶養者になるための条件を説明します。

a) 家族の健康保険の被扶養者になるための条件

会社の健康保険組合によって、被保険者(その会社の従業員)の被扶養者の認定には若干の温度差はありますが、基本的には以下が条件になります。

a-1) 家族の範囲

<健康保険の被保険者と同居していなくてもよい人>
 ・配偶者(事実婚の配偶者、いわゆる「内縁」を含む)
 ・子、孫、弟妹
 ・直系親族(父母、祖父母など)

<健康保険の被保険者と同居していることが条件の人>
 ・上記以外の三親等以内の親族(義父母、兄姉など)
 ・内縁の配偶者の父母、(連れ)子
 ・内縁の配偶者が死亡後のその父母、(連れ)子

a-2) 収入条件

・年間見込み収入(公的年金、傷病手当金、失業給付金などを含む)が130万円未満。60歳以上または障害年金を受給できるレベルの障がい者の場合は180万円未満

・上記の収入が、同居の場合は健康保険の被保険者の年収の1/2未満、別居の場合は被保険者からの援助額(仕送り額)よりも少ないこと

無収入の人は、後者の収入条件はまず関係ありませんが、問題は、18歳以上60歳未満の場合、「就労可能な年齢なのに生活費を援助してもらわなければならない」状態の証明書類を提出させる保険組合があることです。学生なら在学証明書でほぼOKなのですが、それ以外の場合はケースによって違ってきます。また、別居の場合、仕送りの事実を銀行振込みなどの方法で後々も証明させられる可能性があることです。

なお、後期高齢者医療制度の被保険者(75歳以上、または65歳~74歳で障害の認定を受けた者)は、健康保険の被扶養者にはなれません。

b) 健康保険料

追加でかかる保険料はゼロです。
ただし、介護保険料については、被保険者が40歳未満あるいは65歳以上で、被扶養者が40歳以上65歳未満の場合は、被扶養者の介護保険料を徴収する健康組合もあります。被保険者も被扶養者も40歳以上65歳未満の場合は、被保険者の介護保険料でまかなわれるため、追加保険料はゼロです。

■3)国民健康保険と保険料の計算方法

家族の健康保険に加入できない人は、国民健康保険に入ることになります。しかし、実際には、加入している多くの人が、国民健康保険料の構成や計算方法を知らないのが実情です。では、国民健康保険料の構成と計算方法をご説明します。

a) 国民健康保険料の構成

国民健康保険料(*1)は、以下の3つから構成されております。
・「医療保険分」
・「後期高齢者支援金分」
・「介護保険分」(40歳以上65歳未満)

この3つそれぞれが以下の「所得割」「均等割」「平等割」に分かれています。

・所得割額:基準総所得(*2)に一定の料率を掛けた金額
(*2)基準総所得=(前年の所得金額合計-基礎控除33万円)×料率
・均等割額:一人当たり年間一定の金額
・平等割額:一世帯当たり年間一定の金額

この3つの額を合計したものが、一世帯当たりの年間保険料となり、毎年7月~翌年3月にかけて9回に分け毎月支払います。なお、所得割の料率、均等割額、平等割額は、市区町村によって、数字が若干違います。

(*1)75歳以上の人、または65歳~74歳で障害の認定を受けた人は、後期高齢者医療制度が適用となるため、計算方法が違います。

b) 国民健康保険料の計算方法

では実際に国民健康保険料を計算してみましょう。国民健康保険料は世帯単位で計算します。

<例>
A市に住む父(60歳)・母(58歳)・子(30歳)の三人家族。三人とも国民健康保険加入で、父の前年の所得金額が233万円、母の前年の所得金額が30万円、子に収入がない場合

表1

基礎控除を引いた後の世帯の基準総所得:200万円
 父:233万円-33万円=200万円
 母:30万円-33万円=△3万円 → 0円

所得割額=200万円×(6.0%+2.6%+1.7%)=206,000円
均等割額=3人×(25,300円+10,300円)+2人×8,500円=123,800円
平等割額=19,300円+7,800円+4,500円=31,600円
合計 361,400円 … 世帯の年間保険料

なお、所得割額の計算に使われている「所得金額」とは、確定申告書上では、「収入金額等」の次、「所得から差し引かれる金額」の前にあります。つまり、各種控除が引かれる前の金額が国民健康保険料の計算に使用されます。各種控除を引いた後の金額ではないことが注意点です。

■4)国民健康保険料の「軽減制度」って何?

一般にはあまり知られていませんが、国民健康保険には前年の所得金額が一定金額以下の世帯に対して、国民健康保険料の軽減措置があります。無収入・低収入の場合、この軽減措置が適用になるケースが多いので、知っておくべきです。

国民健康保険料の軽減には、前年の所得金額に応じて、以下の3種類があります。

同世帯の世帯主と国民健康保険被保険者全員の前年の所得金額の合計が
・33万円以下 → 7割軽減
・33万円+(国民健康保険加入者数×245,000円)以下 → 5割軽減
・33万円+(国民健康保険加入者数×45万円)以下 → 2割軽減

例えば、上述の、A市に住む父(60歳)・母(58歳)・子(30歳)の三人家族の例で、無収入の子が世帯を分離すると、7割軽減が適用になり国民健康保険料がぐっと安くなります。

<子(30歳)が世帯分離すると…>
所得割額=0万円×(6.0%+2.6%)=0円
均等割額=25,300円+10300円=35,600円
平等割額=19,300円+7,800円=27,100円
合計 62,700円 →7割軽減にて7割引→ 18,810円

ちなみに、同じ住所に同居していても世帯分離は可能です。しかも、収入のある父は同居している子の扶養控除を受けられますし、子の国民年金保険料や国民健康保険を負担している場合は、確定申告で子の分の社会保険料を自分の社会保険料控除に加算することができます。もとろん、子の医療費を自分の医療費控除に加算することもできます。

また、世帯主が会社勤務で、無収入の家族が、世帯主の会社の健康保険の被扶養者になれなかった場合、世帯分離をして別世帯になってしまえば、同様に7割軽減を受けることができます。

ただし、これらの軽減措置をスムーズに受ける場合、無収入でも所得の申告をする必要があります。その申告手続きについては、市区町村役所にお尋ねください。

■昨年無収入だった人のための社会保険まとめ

これまで見てきたように、前年無収入だった人の場合、年金と健康保険に関して、以上の選択肢があり、保険料の減免措置があります。賢くなって、社会保険料を節約しましょう。

経理・決算、税金の基礎についてもっと詳しく知るには

経理や決算、税金の計算は、会社を設立した以上避けては通れないもの。何から始めていいかもわからないという方は、まずはその全体像を掴みましょう。
このガイドでは初めて経理や決算を行うという方を対象に、その入門となる知識をご紹介します。経理や決算にどんな作業が必要で、税金とは具体的に何を指すのか。
このガイドでスムーズに経理業務をスタートしていただければ幸いです。

ebook_keiri_cover-small

目次

  1. 会社の経理を始めるために
  2. 法人の決算に必要なものまとめ
  3. 貸借対照表で会社の資産状況を把握しよう
  4. 損益計算書で会社の利益を把握しよう
  5. 法人のための税申告・納付まとめ
  6. 法人にかかる税金は9種類もある
  7. 税金を滞納したら、どんな罰則がある?
  8. 法人のための節約のコツ
無料でダウンロード
無料でダウンロード