5分で学ぶ消費税転嫁法|中小企業を「買いたたき」する親事業者急増に負けない3つの対策

消費税の価格転嫁対策についてまとめてみました。

買いたたき
消費税が増税となったことで、消費税の価格転嫁の対策が課題になっています。消費税の価格転嫁とは、いったいどういう意味なのでしょう。さっくりわかりやすく解説します。

[目次]
■1) 消費税の増税後の購入価格の変化
■2) 仕入れ業者等が頭を悩ます問題点
■3) 親事業者に負けない5つの対策
■4) 大企業も中小企業も消費者も、公平に負担が理想です
■まとめ|正しい知識をもち、毅然といた態度で接することが大切です!
kakutei

■1) 消費税の増税後の購入価格の変化

正式に消費税が増税になったことで、商品やサービスを受ける際に、消費者は支払う総額は増えることになってしまいました。
例えば、1万円の洋服を買う際に、1万500円支払えばよかったのに、1万800円支払わなければ買えなくなりました。

1)税法的な変化
5%が8%になり、1万円の商品なら、消費税額が、500円から800円へと増税したのです。
ここで、勘違いしてならないのは、1万円の商品が値上がりしたわけではないということです。

2)一般的な消費者マインド
買う側にとってみれば、商品自体が値上げされようが、増税分が増えただけだろうが、支払いの総額が増えれば、総じて、値上がりしたという感覚になるものです。単純に支払総額の増えると想定される商品に駆け込み需要が起きるのは仕方のないことです。

3)仕入れ業者の苦悩
1万500円で納品していたものを、1万800円で仕入れてもらうことができれば、下請け業者や中小企業での問題は起きませんが、ビジネスの現実は、そうそう単純ではないのです。

■2) 仕入れ業者等が頭を悩ます問題点

全ての商品が、このように、卸し価格が増税分高く仕入れてもらえて、消費者が購入していた金額に影響がなければ、何の問題もありません。しかし、現実は、消費者の支払う金額を上げずに、商品を流通させるために、仕入れ業者や下請け業者に、納入価格の値引きというしわ寄せが来ているという現実が起こっているのです。これが、消費税の価格転嫁ができない!という問題なのです。

1)大企業である大手スーパーなど
例えば、大企業である大手のスーパーが、零細・中小企業から、仕入れ価格を下げてもらえれば、消費者へは、仕入れ価格が安くなたことで、商品価格を下げ、増税分を足しても、増税前の金額で販売できるので、当然、仕入れ業者に圧力をかけるのです。

2)仕入れ業者・下請け会社
問題になるのが、大きなロットで購入してくれる大企業との取引を継続するしかない立場だった場合など、やむなく価格を下げることに合意するしかない悲しい現実があります。半ば値引きを強要されている現実もあります。それならば、値引きを要求する企業との取引をやめればいいのか、というと、そういう単純な問題でもなく、頭を悩ませるところなのです。特定の下請け業者などは、大企業としか取引ができないという場合も多いのです。

3)消費者
サラリーマンや自営業の家庭では、この数年手取りの給与が減っていると言われることが多い中、家計のやりくりをするのに、一円でも安く商品を買いたいという気持ちがあります。仮に、同じ金額でスーパーで買えた場合は、ラッキーです。いつも買っている商品が、増税で、支払総額が増えている商品は、購入を躊躇するでしょう。

ここで、気が付いてほしいのは、同じ値段で買えた場合、消費者は、値上がりした感覚はありませんが、確実に消費税額は増税されている点で、中小企業が値下げをさせられ泣いていることまではわかりづらい点です。

■3)親事業者に負けない5つの対策

中小企業庁はこの消費税転嫁対策として平成25年10月1日施行の「転嫁対策特別措置法」にもとづいた具体的な対策を実施しています。その具体的な取り組みを3つ見ていきましょう。

1)転嫁対策専門の調査官を配置
 全国に474名の調査官を整備し、消費税転嫁に関する拒否・阻害行為の監視や取り締まりを行っています。

2)書面調査や立ち入り検査の実施
 情報収集のため、公正取引委員会と共に15万社の事業者に書面調査を実施。 
 そのうち、買いたたき行為の可能性がある、既に行っていると思われる事業者が
 多数あると思われる業種の団体(卸・小売業、製造業、建設業など)に対して、要請文章を示しています。

3)全国に相談体制を整備
 商工会・商工会議所を中心に、2,336箇所の相談窓口を設置。専門家により出張相談などを行って、随時相談業務を実施しています。

4)講習会やフォーラムを開催
 転嫁対策に関する情報を提供し、適切な対処方法を学べる機会を提供しています。

5)パンフレット・ポスター・新聞広告等での告知
 全国の事業者、消費者両方に、正しい知識の周知に努めています。

■4) 大企業も中小企業も消費者も、公平に負担が理想です

現実には、大企業が、一番美味しいところを取り、現状を維持。立場の弱い中小企業は、泣く泣く取引先の要求を受け入れ、一番苦しいビジネスを強いられてしまっている。そして、消費者はその中間。と、いったところでしょう。

1)大企業に望まれること
立場の強いことを利用した便乗値下げの要求や、要求に応えられない取引先との取引量を減らしたり、スケールメリットの乱用をしないでいただきたいということ。値下げの要求をしたくても、折衷案などで、少しは痛み分けをしてほしいものです。

2)中小企業に努力してほしいこと
例えば製造業などであれば、製造コストの見直しをして、商品の原価を抑え、合理的な卸価格値下げが行えないか検討し実行してもらいたい。それでも、厳しい企業が圧倒的に多いことはな違いないのですが、中には、優良な取引先もあろうことから、自助努力は引き続き行うということです。

3)消費者が考えてほしいこと
日本の企業の9割以上は中小企業です。勤労社会人も9割以上は中小企業勤務です。賢く節約をしながらも、特別な時には、きちんと消費をできる生活プランを立てたいものです。

■まとめ|正しい知識をもち、毅然といた態度で接することが大切です!

まずは、自分自身が法律をしり、正しい知識をもつことが必要不可欠です。「おかしいな?」と感じたら、まずは全国の相談窓口へ問い合わせ、専門家から具体的なアドバイスをもらいましょう。