【2015年4月1日改正】簡易課税のままだと損?みなし仕入率改正による法人への影響まとめ

みなし仕入率って何?

そもそも、消費税の簡易課税制度についてはご存知でしょうか。
消費税の計算方法には「一般課税」と「簡易課税」の2種類があります。一般課税は、課税期間における課税売上に対する消費税から、仕入・経費に掛かった消費税を差し引き、納付するという一連の計算方法のことをいいます。
この方法を採用する場合は、課税仕入などの事実を記載した帳簿および請求書の保存が必要です。これらが無いと仕入・経費分の消費税を控除できなくなります。

それに対し簡易課税とは、課税売上に掛かる消費税額(現在は8%)に、事業に応じた「みなし仕入率」を掛けて計算する方法のことをいいます。課税売上に掛かる消費税額だけで算出できるので簡単です。
つまり、実際の仕入れ等の消費税額を計算しなくてもよく、売上高のみから納付する消費税額を算出することができます。

聞くところによるとどうやら平成27年(2015年)4月から、このみなし仕入率が一部の事業領域で若干改正するそうです。
そこで今回は、具体的にどの事業領域のみなし仕入率が改正して、それによってどんな影響が考えられるかをまとめてみました。

簡易課税をするための条件

■1. 前々年度(課税期間の基準期間)における課税売上高が5000万円以下であること
■2.「消費税簡易課税制度選択届出書」を事前に所轄税務署長に提出すること

※簡易課税制度の適用を受けると、2年間継続して適用した後でなければ適用をやめられないためご注意ください。

みなし仕入率の改正点

平成27年4月から以下のようにみなし仕入率が改正されます。
国税庁画像<参照:国税庁のページより>

今回の改正では、以下の変更点があります。

・「金融業」及び「保険業」が第四種事業から第五種事業へ変更(みなし仕入率60%→50%)
・「不動産業」が第五種事業から第六種事業(新設)へ変更(50%→40%)

簡易課税の計算方法

簡易課税の計算式は以下の通りです。

消費税の納付税額 = 課税売上に掛かる消費税額 - 課税売上に掛かる消費税額 × みなし仕入率

※みなし仕入率は事業によって%が異なります。

たとえば、卸売業(みなし仕入率は90%)を営んでいる場合、課税売上に掛かる消費税額を100万円だとすると、

100万-100万×0.9=10万円

よって消費税の納付税額は10万円となります。

簡易課税制度の改正に係る経過措置の内容

実際、どのようなスケジュールで実行されるかは、以下をご参考ください。
スクリーンショット 2015-03-17 11.31.07<参照:国税庁のページより>

簡易課税制度の改正による影響

不動産業を営む法人の場合で一つ例をあげたいと思います。
賃貸料が税抜年額14,400,000円のある物件があるとします。

■1)2014.4.1~2015.3.31の課税期間(消費税率8%、みなし仕入率50%)

1.年間の売上にかかる消費税額 14,400,000 × 8% = 1,152,000円
2.みなし仕入率50%の仕入税額 1,152,000 × 50% = 576,000円
3.納付税額 1,152,000 - 576,000 = 576,000円

■2)2015.4.1~2016.3.31の課税期間(消費税率8%、みなし仕入率40%)

1.年間の売上にかかる消費税額 14,400,000 × 8% = 1,152,000円
2.みなし仕入率40%の仕入税額 1,152,000 × 40% = 460,800円
3.納付税額 1,152,000 - 460,800 = 691,200円

今回の場合、納税額は、691,200 – 576,200 = 115,200円増加しました。
これは大きな差ですよね。
みなし仕入率が50%から40%になったことで、簡易課税から一般課税に切り替える法人も多いのではないでしょうか。
ちなみに、簡易課税から一般課税に切り替える場合は、課税期間の前日までに、「消費税簡易課税制度不適用届出書」を提出する必要があるためご注意ください。

■まとめ

まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はみなし仕入率改正による影響について解説しました。この他にも、経理・決算・給与計算など、すべての会社経営者に役立つ内容はこちらで掲載しています。
ぜひご活用ください。