【マイナンバー導入】法定調書への記入・提出方法・注意点まとめ

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一般法人や個人事業主が利用する法定調書の記入と提出のポイント

法定調書とは所得税、相続税、租税特別措置法その他税務署に提出が義務づけられている資料で59種類があります。
マイナンバーを記入を義務づけられることによる頻繁に使用する法定調書について、マイナンバー法の施行日である2016年1月からのひな形と提出時の変更点や気を付ける点について確認していきましょう。

[目次]
■法定調書とは?
1)59種類の法定調書のうち主な法定調書
2)主な法定調書の提出義務者
3)給与所得の源泉徴収票(給与支払報告書)
4)報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
5)マイナンバーの記入を猶予されている法定調書
6)法定調書の提出方法
7)まとめ


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マイナンバー対策、大丈夫ですか?

■法定調書とは?

法定調書というと、一つの書面のようにイメージしている人もいるかもしれませんが、実は法定調書とは1枚の書面を指しているのではなく、「所得税法」や「相続税法」において提出することが義務化されている資料全体のことを言います。
法定調書の主な役割は「脱税の防止」です。
仮に、法定調書がなかったとすると、会社から一定の報酬を得た人が所得税を払いたくないからと、確定申告をしなければ、税務署は脱税に気がつきません。
けれども、会社が法定調書を税務署に提出すると、誰にいくら報酬を支払ったのかがわかるため、その人からの申告がなければ、脱税だと気がつくことができるのです。
なお、このようにして税務署に気がつかれると、税務署から申告漏れがないか尋ねる書面が届きますので十分注意しましょう。

1)59種類の法定調書のうち主な法定調書

法定調書は59種類あります。そのうち主なものは以下の3つ挙げられます。
・給与所得の源泉徴収票
・退職所得の源泉徴収票
・報酬、料金、契約金および賞金の支払調書

法定調書は、従業員の給料などを支払った個人・法人が税務署に提出します。
また、給料など、何らかの報酬を受け取った個人は確定申告書を税務署に提出します。
税務署は確定申告者の所得が正確かどうかを法定調書により確認することができます。
法定調書は支払調書とよく比べられますが、源泉徴収票や支払調書をまとめた呼び方が法定調書ということになります。


2)主な法定調書の提出義務者

・給与所得の源泉徴収票:給与などの支払をする人
・退職所得の源泉徴収票:法人の役員等に退職手当等の支払をする人(死亡退職による退職手当を支払った人は提出不要)
・報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書:報酬、料金、契約金及び賞金の支払をする人
 
法定調書の提出期限は、支払の確定した日の年の翌年1月31日です。
それまでに事業所等の所轄税務署長に提出する必要があります。
今までは、従業員の住んでいる市町村へ従業員ごとに支払調書を作成し、郵送をしていました。また、源泉徴収票は税務署へ提出していました。
ですが、マイナンバーが導入されることによってこれらの手間が省けます。
具体的に言うと、オンラインで従業員のマイナンバーとともに電子申告することによって、自動的に各市町村へ情報が伝達されるシステムになっているため、業務の効率化が図れます。

〈参考〉e-Gov電子申請の利用方法完全ガイド|従業員や法人税の申告まとめ


3)給与所得の源泉徴収票(給与支払報告書)

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■以前の源泉徴収票との4つの変更点

・「支払を受ける者」の欄に、「個人番号」の項目が加わる
・「控除対象配偶者・控除対象扶養親族」の欄に、「個人番号」の項目が加わる
・「支払者」の欄に、「個人番号又は法人番号」の項目が加わる
・用紙の大きさがA6→A5サイズに拡大する
※写真赤枠参照

■源泉徴収票の2つの注意点

・源泉徴収票を所得証明書にはしてはいけない
・支払者欄の個人番号又は法人番号は、本人交付用には記載しない

源泉徴収票には給与を受ける者と支払う側のマイナンバーが記載されています。
外部に情報を漏らさないためにも所得証明書として従業員に使用させてもらっては困ります。
そのため、所得証明書が必要な場合、源泉徴収票ではマイナンバーを記入し、個人番号を記入しない源泉徴収法をもう一枚つくり、これを所得証明書としてもらうことになります。


4)報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書

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■以前の支払調書との4つの変更点

・「支払を受ける者」の欄に、「個人番号又は法人番号」の項目が加わる
・「支払者」の欄に、「個人番号又は法人番号」の項目が加わる

■報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書の3つの注意点

・支払側は、支払先にマイナンバーを提供してもらう必要がある
・法人はマイナンバーを支払先から直接提供してもらう必要はない
・作成する際、支払金額欄は消費税込の金額を記入する
・未払い金額も支払調書の支払金額とする

報酬を支払う側は、支払調書を作成する際にマイナンバーが必要なので、支払先にマイナンバーを提供してもらう必要があります。
ただ、法人の場合は国税庁HPで公表されているため、直接入手する必要はありません。
また、個人の場合はマイナンバーを使用する際に制限があり、マイナンバー提供時に本人確認もしないといけませんが、法人のマイナンバーは用途に制限がありません。
つまり、例えば個人事業主へ報酬を支払っている場合は、個人事業主自身のマイナンバーを提出してもらう必要があります。
ちなみに、個人のマイナンバーを提供してもらう時は、個人番号カードなら1枚でOKですが、通知カードでマイナンバーを提出してもらう場合は、それとは別に身分証明書の提示もしてもらう必要があります。

〈参考〉今さら聞けないマイナンバー制度(番号制度)とは?重要ポイントまとめ


5)マイナンバーの記入を猶予されている法定調書

平成28年1月1日以後、金銭等の支払等に係る法定調書には、マイナンバーを記載する必要があります。
しかし、一部の法定調書は支払を受けた人からの番号通知を受けるまではマイナンバーの記載を猶予されるというシステムがあります。
例えば、金融機関と株主(個人)の関係では、株主(個人)からマイナンバーの通知があるまでは、法定調書へのその株主(個人)のマイナンバーの記入が3年間猶予されるという制度があります。
ちなみに、このとき株主(個人)は平成28年1月1日前に特定口座開設届出書を提出して特定口座を開設している必要があります。

以下20種類の法定調書が、マイナンバーの記入が猶予されている法定調書です。
(〇印は一般法人に多い法定調書)

・〇 配当、剰余金の分配及び基金利息の支払調書
・〇 配当等とみなす金額に関する支払調書
・〇 株式等の譲渡の対価等の支払調書
・利子等の支払調書
・国外公社債等の利子等の支払調書
・国外投資信託等又は国外株式の配当等の支払調書
・投資信託又は特定受益証券発行信託収益の分配の支払調書
・オープン型証券投資信託収益の分配の支払調書
・交付金銭等の支払調書
・信託受益権の譲渡の対価の支払調書
・先物取引に関する支払調書
・金地金等の譲渡の対価の支払調書
・名義人受領の利子所得の調書
・名義人受領の配当所得の調書
・名義人受領の株式等の譲渡の対価の調書
・上場証券投資信託等の償還金等の支払調書
・特定口座年間取引報告書
・非課税口座年間取引報告書
・国外送金等調書
・国外証券移管等調書

ほとんど金融機関が作成する法定調書であることがわかります。


6)法定調書の提出方法

以下3点を税務署に直接もしくは郵送で提出します。

・給与所得の源泉徴収表等の法定調書合計表
・該当する給与所得者(社員・役員)の源泉徴収票
・支払調書

所轄税務署に提出する際、法定調書合計表と支払調書の他に、該当する給与所得者(社員・役員)の源泉徴収票が必要となります。
源泉徴収票は社員に渡すだけでなく、もう1部作成して税務署へ提出する必要があります。
これらを提出すると、2枚複写の法定調書合計表のうち、1枚が自分の会社の控えとして渡されるので、大切に保管しておきましょう。

追記(2015/6/11)
マイナンバー制度に関わる法定調書様式が公開されました。こちらのサイトからご確認ください。

7)まとめ

いかがでしょうか?法定調書で一般法人や個人事業主がよく利用する源泉徴収票や支払調書もマイナンバー記入が必要になっています。
これらの番号を従業員や取引先から提供してもらい、スムーズに事務が進められるようにスケジュールを立てて準備していくことが必要です。
また、マイナンバーは非常に厳密な個人情報であるため、「収集して、保管して、利用する」という作業だけでも非常に面倒です。
そんな場合に、マイナンバー管理サービスを使うと、経営者や税理士の方は、顧客や従業員とマイナンバーのやりとりをしたり、自社内で保管したりする手間を省くことができます。

ちなみに、こちらのサイトから登録(無料)すると、様々な特典がついてくるのでオススメです。

〈参考〉マイナンバーガイド|マイナンバーに関する疑問すべて解決
*経営ハッカーでは書き手を募集しています。

マイナンバー制度についてもっと詳しく知るには

すべての国民に番号をつけて、税・社会保障関連の手続きに活用される「マイナンバー制度」。2015年10月からマイナンバーの通知が始まります。そして、2016年1月にマイナンバー制度が開始します。
制度開始まで間もないですが、どのような制度なのかまだ調べている段階で対策にまで手が回っていない方がほとんどかと思います。
このガイドでは、マイナンバーのスケジュールやその他知っておきたい基本知識など、マイナンバーを理解するのに必要な情報を全てまとめました。
本ページを活用して、マイナンバーをマスターして有効に使いましょう!

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目次

  1. 今さら聞けないマイナンバー制度とは?
  2. 制度開始までのスケジュール
  3. 収集時の本人確認の方法
  4. 保管に必要な安全管理措置
  5. マイナンバーを提供していい範囲とは?
  6. 法定調書への記入・提出方法・注意点
  7. マイナンバーによる年末調整の変更点
  8. マイナンバーに関してよくある質問10選
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