知らない人も多い法人化のメリットとデメリットまとめ

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個人事業主(フリーランス)の方で、法人化しようか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
ただ、個人事業主(フリーランス)と法人化がどのように違うのか理解されている方はそう多くはないと思います。
そこで今回は、法人化にするメリットとデメリットを解説していきます。
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個人事業主から法人化する場合のメリット

個人事業主の方は、長年事業を行っていると、どのタイミングで法人化するべきか悩む事と思います。
では、そもそも法人化することで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

メリット1:税金面でのメリット

【個人事業主に課税される主な税金】

1:所得税

2:住民税

3:事業税

【法人に課税される主な税金】

1:法人税

2:法人住民税

3:法人事業税

どちらの場合についても、収入から経費を差し引いたいわゆる「所得」に対して課税されるという点では共通していますが、一番の違いはその「税率」にあります。

税率の違いについて

所得税については「累進税率」が採用されており、5%から45%までの7段階の累進課税となっています。
つまり、所得が増えれば増える程、税率が高くなり、たくさん税金がかかることになります。

これに対し、法人税の場合は「比例税率」が採用されています。法人の規模や課税所得に応じて2種類の税率が定められており、所得税のように細かく段階的に区分はされていません。
また、最大のポイントは、法人税率の上限が25.5%であるということです。

つまり、所得税と法人税の税率が逆転するポイントが、個人事業主から法人化へ移行すべき分岐点となるのです。
個人と法人では所得の計算方法自体が違うため、単純計算で比較する事はできませんが、実効税率ベースで比較すると、概ね年収が600万円を上回る辺りで法人化の方の税金が安くなり始めます。

所得の分配効果

仮に1,000万円の所得があるとします。
もしも個人事業主だとすると33%も所得税が課税されることになります。
けれども、この人が法人を設立して家族などを従業員として雇った場合、この1,000万円の所得を給与として分配することができます。

例えば、計4人の家族従業員で1,000万円の所得を分配したとすると、一人当たり250万円の所得となり、税率は10%にまで引き下げられます。
このように、法人化して一人当たりの所得を引き下げる事で節税することができるのです。

また、法人化することで個人事業主が事業所得として申告していた収入が、給与収入となります。
給与収入については給与所得控除が受けられるため、さらに節税効果が高まります。

メリット2:経費の幅が大きく広がる

税金を計算する上で、非常に重要となるのが「経費」です。個人事業主の場合に経費として収入から差し引く事ができるのは「その収入を得るための必要経費」に原則として限定されます。
そのため、関連性が薄い出費については、経費として計上する事ができません。

けれども法人の場合は、企業活動において支出するものについては、原則として経費、つまり損金として処理ができるため、よほど的外れな出費でなければ、経費計上が可能となります。

例えば、会社の場合は出張旅費規程を別途設定することで、出張手当などを経費として支給することができます。
出張旅費規程に基づいて支出した経費については、その全額を経費として計上することができるため、これもまた大きな節税効果を発揮します。

メリット3:相続税においても有利

個人事業主が死亡して相続が発生すると、その資産はすべて個人に蓄積されているため、場合によっては多額の相続税が課税される可能性があります。

けれども法人化をして家族を従業員として雇い、給与として所得を分散させることで、節税をしながら相続財産が蓄積されていくことを防止することができます。

つまり、法人化自体が、広い意味での生前贈与のような形となり、節税しながら財産を次の世代へ移転していくことができるのです。

個人事業主から法人化する場合のデメリット

・デメリット1:設立費用がかかる

会社を設立するためには、最低でも一定の費用がかかります。仮に株式会社を設立する場合は、最低でも以下のような費用がかかります。

【株式会社設立にかかる費用】

1:資本金 1円〜

資本金については法改正がされたため、現在では1円でも設立する事が可能です。

2:定款の印紙代 4万円

会社を設立するためには、会社の基本情報を記した「定款」を作成する必要があります。
最近ではネット上に定款のひな形などがアップされていますので、やろうと思えば自分で作成することも可能ですが、定款には4万円の印紙を貼らなければなりません。

ちなみに、定款作成を行政書士に依頼すれば、電子定款を作成することができるため、この印紙代が不要になります。

3:公証人認証手数料 5万円

定款を公証役場に持ち込んで公証人の認証を受ける必要があります。この際に5万円が手数料としてかかります。

4:登録免許税 15万円

これが最も大きな費用となります。厳密には、資本金×0.7%ですが、最低でも15万円が必要となります。

よって、株式会社を設立するためには、最低でも24万円程度が必要となります。

・デメリット2:維持費がかかる

法人化すると所得によってはかなりの節税効果がありますが、その分維持費もかかるようになります。

特に注意が必要なのは税務申告です。
個人の場合は自分自身でもなんとか確定申告が可能ですが、会社の場合は決算書類の作成など個人に比べ税務申告書がかなり複雑になりますので、よほど腕の良い経理担当がいない限りは税理士に外部委託する必要性が出てきます。

ですので、法人化を考える場合は、予め税理士についてもどこに依頼するか検討してその費用についても見込んで検討することが重要となります。

まとめ

このように、法人化にはメリットとデメリットがありますが、ポイントとなるのはその「タイミング」です。

個人事業主と法人どちらが良いということではなく、どの段階で法人にするのかが一番重要なのです。

まずは税理士に相談して、法人化のベストなタイミングを検討してみてはいかがでしょうか。
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一口に会社設立と言っても、そこには様々なやり方、種類があります。実際に起業する前に、どのような選択肢があるのかを把握しておくことが大切です。
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本ガイドがお客様のビジネスの第1歩としてお役に立てれば幸いです。

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目次

  1. 個人経営主と法人のメリットを比較
  2. 会社の種類は?4つの形態の違いを比較
  3. 新会社法は会社が守るべきルール
  4. 会社は6万円の費用で設立できる
  5. 最短時間で会社を設立するための流れとは?
  6. 会社設立の際に決めるべき5つのこと
  7. 定款の作り方とは?定款は会社のルール集
  8. 電子定款の作成手順を完全解説
  9. オンラインで電子定款を送信してみよう
  10. 紙で行う定款作成・認証方法まとめ
  11. これで完了、登記の手順
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