一括償却資産・少額減価償却資産・固定資産の違いを徹底解説|経理・税務の基本知識

一括償却資産・少額減価償却資産・固定資産

固定資産処理で変わる会計・税務処理

事業用の固定資産(以後「固定資産」といいます)を購入した場合、金額によってどのように会計処理するかを選ぶことができます。貸借対照表、損益計算書、税金計算にどのように影響するかを以下で見ていきましょう。

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1)覚えておきたい3つの資産

当記事では「固定資産」「一括償却資産」「少額減価償却資産」の3つの資産について解説していきます。ここでは「会計の視点」と「税務の視点」の2つの視点が重要になります。「会計の視点」ではあなたの事業の貸借対照表と損益計算書にどう影響するか、「税務の視点」では税金計算上どのように扱われるか、ということを見ていきます。

・固定資産

固定資産として処理する場合、「会計」では貸借対照表の資産の部に記載し、減価償却という形で少しずつ費用となっていきます。減価償却は、機械や備品などの資産の種類と内容によって、決められた方法で費用にします。例えばパソコンを購入した場合、国税庁の分類で「器具備品」―「電子計算機」―「パーソナルコンピュータ(サーバー用のものを除く)」は4年、とあります。つまり4年かけて費用にしなさい、ということです。減価償却費は使い始めた月からの月割計算となりますので、事業年度の最後の月に使用開始した場合は、一年分の12分の1だけが費用となります。
例外を除き、「会計」で処理したそのままの金額が「税務」でも使用されます。

・一括償却資産

「一括償却資産」とは、固定資産のような資産の種類や内容に関わらず、「会計」では全額費用とするか、資産の部に記載して3年で均等に減価償却するかを選択します。「税務」では3年で均等に減価償却します。会計と税務の費用がずれるのは分かりづらい点です。詳細は別の機会に譲りますが、損益計算書で費用になっても、税金計算上は費用にできないことがあり、税金申告時に「税務調整」という処理をします。
なお、固定資産と違い、何月に購入しても減価償却費は月割りせず、3分の1の額が使えます。

・少額減価償却資産

「少額減価償却資産」は「会計」「税務」ともに、購入した年度に全額経費にできるものです。ただし、中小事業者(主に資本金1億円以下の中小法人と個人事業主)が対象です。また、少額減価償却資産として処理する資産の合計額は一年で300万円が上限です。

2)金額による処理の違い

・10万円未満

10万円未満のものは重要性が低いものとして購入時に「経費」とし、固定資産としなくてもいいとされています。5万円のプロジェクターは固定資産処理は不要です。

・10万円以上20万円未満

10万円を超えると固定資産となります。ただし、20万円未満の固定資産は、「一括償却資産」として処理することができます。

・20万円以上30万円未満

20万円以上の資産は固定資産ですが、「少額減価償却資産」の処理も可能です。20万円以上ですと、「一括償却資産」とすることはできません。

・30万円以上

固定資産として資産計上をすることになります。

まとめると以下の図のようになります。
償却資産

3)どの資産が有利か?

ポイントは、経費を抑えて利益を出したいか、目先の税金を安くしたいか、です。事業の状況により分かれてきます。全ての状況に当てはまるわけではありませんが、おおむね以下のようにまとめることができます。

・10万円未満

税金をおさえるなら費用処理です。利益を出したい場合は、「一括償却資産」か固定資産としても構いませんが、固定資産台帳管理の手間と、税金計算上の費用を数年間先延ばしにすることになります。

・10万円以上20万円未満

税金をおさえるなら、中小事業者なら「少額減価償却資産」、中小事業者以外は「一括償却資産」です。利益を出すなら固定資産処理です。

・20万円以上30万円未満

税金をおさえたい中小事業者の方は、「少額減価償却資産」を選びます。それ以外の場合は、固定資産とします。

・30万円以上

固定資産として処理します。なお、少額減価償却資産と固定資産には、固定資産税が課せられます。

4)まとめ

固定資産取得の際に幾つか処理方法があることをご理解頂けましたでしょうか。処理によって、資産の金額、利益の出方、税金、固定資産管理が変わってきますので、内容を理解し、自社に有利な方法を選択してください。

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目次

  1. 会社の経理を始めるために
  2. 法人の決算に必要なものまとめ
  3. 貸借対照表で会社の資産状況を把握しよう
  4. 損益計算書で会社の利益を把握しよう
  5. 法人のための税申告・納付まとめ
  6. 法人にかかる税金は9種類もある
  7. 税金を滞納したら、どんな罰則がある?
  8. 法人のための節約のコツ
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