現役税理士が個人住民税の計算方法と納付方法をわかりやすく解説

個人住民税

個人住民税とは?

あなたは、給与明細、もしくは地方公共団体からの通知書を見て「ん?これはなんだ?」と思った経験はありませんか? 個人住民税は、ある日突然、通知が送られてきます。

個人住民税とは「都道府県民税」と「区市町村民税」の総称で、各個人の1年間の所得に対して地方公共団体が課税する地方税の総称です。単に住民税と略することもあります。

個人住民税は、地方公共団体が行う道路や水道の整備、防災など私たちにとって欠かすことのできない行政サービスに対する対価です。

1)個人住民税の仕組み

1. 各個人の所得金額の計算
これは、国税である所得税で計算した金額をそのまま個人住民税でも使用します。 ここで気を付けていただきたいのは、計算に使用する所得は前年の所得である点です。 例えば、平成27年度の個人住民税は、平成26年1月1から12月31日までの所得を使用します。
2. 所得控除額の計算
所得税の計算同様、1. の所得金額からマイナスできる(課税額が減る)所得控除が13種類存在します。 これは、各個人の事情を住民税計算上でも勘案してもらえるもので、該当する項目は、所得金額を上限として、何項目でも控除が可能です。 控除項目すべてを説明するのは割愛しますが、参考までに、東京都の控除項目を掲載します。東京都以外の方も、ほぼ、この控除内容と同じですので、ご参照ください。 〈参考〉個人住民税|東京都主税局
3. 納める税額の計算
次の算式により計算します。 A+B=納める税額(年税額) A→所得割 上記(①-②)×10%-税額控除   *10%は税率です。(内訳:都道府県民税4% 区市町村民税6%)   *税額控除は、住宅ローン控除、配当控除などがあります。 B→均等割 これは、お住まいのある都道府県及び区市町村の住人一人当たり均等に課税されるもので、各都道府県及び区市町村により若干の増減がありますが、およそ5,500円から6,500円ぐらいが目安です。

2)個人住民税を納める方法

個人住民税を納める方法は、サラリーマン、OLなどの給与所得者と公的年金等の受給者か、個人事業主など会社にお勤めでない方かで納める方法が変わります。 給与所得者や公的年金受給者の場合は、原則、手取額からの天引きとなります。これが特別徴収と呼ばれ、自ら納付する手間が省けるシステムになっています。その代わり、個人住民税の計算過程を記した書類が交付されます。 お勤めでない方は、納税通知書がお手元に届けられ、添付されている納付書で年4回の分割支払いである普通徴収になります。この年4回の納付は、お住まいの区市町村によってことなりますので、お手元の納税通知書でご確認ください。

3)個人住民税の注意点

個人住民税は前年の所得を基に計算されますが、納付は今年の所得の中からなので、今年になり給料が減額された、職場を退職した、売り上げが減少したなど何らかの理由で今年の所得が下降している場合には、所得に対する負担感が大きくなりますが、逆に、来年の税額は下がることにもなります。 また、特別徴収の場合は、使用者である企業様、普通徴収の場合は、各個人様が納付の期日に遅れると、納期限の翌日から実際の納付日までの期間について、延滞金と呼ばれる、余分な税金が年14.6%の日割計算で加算されてしまいます。 さらに、納付の督促を無視していると、預貯金や不動産など財産の差し押さえが行われ、取り上げられてしまいます。納税は、国民の義務の一つでもありますので、きちんと納めて、気持ちよく日々を過ごしましょう。

この記事は、下谷直 税理士事務所 下谷 直 様に寄稿いただきました。 経営ハッカーでは、記事制作にご協力いただける方を募集しております。 お申し込みはこちらから