中小企業のマイナンバー対応における5つのポイント|使えるチェックリスト付き

中小企業_マイナンバーとうとう2016年1月から導入が始まるマイナンバー制度。マイナンバー制度については、制度概要や企業への影響がどのようなものかといった記事はたくさん見かけるようになりましたが、「中小企業でマイナンバー制度に対してどういう対応をしたら良いのかわからない?」と不安になる方もいらっしゃるのでないでしょうか。 そもそも、似たような法令である個人情報保護法では小規模事業者(※)を「個人情報取扱事業者」の適用対象外としています。

(※) 事業の用に供する個人情報データベース等を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数の合計が過去6か月以内のいずれの日においても5000件を超えない事業者(個人情報保護法2条3項5号・同法施行令2条)。

しかし、番号法(マイナンバー制度)ではこのような小規模事業者を除外する規定がありませんので、上場しているような大企業だけでなく、中小企業はもちろん、1人会社であっても個人の番号利用における適切な管理や税務・社会保険等に係わる新たな事務について、形式上、対応していかなければなりません。

そこで今回は、マイナンバー制度の導入にあたり中小企業が対応すべき5つのポイントについて、整理しておきます。

1)対象業務の洗い出し

まずは、どういった業務や書類がマイナンバーの記載対象になるか整理が必要です。 大きく分けて、税務分野(税務署等に提出する各種調書・届出類)と社会保障分野(健康保険、雇用保険、年金等)の2分野の書類にマイナンバーの記載が必要となります。 該当する書類の詳細は、以下のリンクを参照ください。 ほとんどの書類がH28年1月以降、マイナンバーを記載する新書式での提出に切り替わっていきますので、新旧いずれの書類で準備するのか、自社の決算期や状況に応じて早めに税理士、社労士などの専門家に相談することをお勧めします。 〈参考〉 税関係新様式(案) 健康保険・厚生年金保険、雇用保険関係新様式(案)

2)マイナンバー収集対象者の洗い出し

2つ目のポイントは、収集の対象となる者の洗い出しです。洗い出すのは、主に以下のような項目に該当する対象者になります。 ① 従業員等とその扶養家族 ② 不動産の使用料金の支払先 ③ 士業等、外部の報酬支払先 ④ 配当の支払い先 従業員「等」には、役員やパート・アルバイトも含まれますのでご注意ください。 また、業態としてパート・アルバイトの多い業種(小売業、製造業、飲食業など)や、謝金の支払いの多い業種(出版関係など)は、たとえ中小企業であってもマイナンバーに係わる事務処理が膨大になる可能性があるので、早めにマイナンバーの収集を開始するように注意してください。

3)対処方針の検討

対象業務と収集対象者の洗い出しが終わったら、それぞれの対処方針を検討します。 具体的には、組織体制、社内規程、担当部門・担当者の明確化、身元確認・番号確認方法、安全管理措置などの方針を考えることになります。 しかし、現実的には、ほとんどの中小企業では、マイナンバーのための専門の組織・担当者や新しい規程を作ったりするほどの余力がないものと思われます。 そのため、まずはエクセル等で管理するマイナンバーに必ずパスワードを設定しておくなど、最低限のセキュリティ管理をしたり、不必要に多くの担当者にマイナンバーを触らせないなど、自社の現状にあわせて、運用できるレベルから対処方針を検討してください。 ただし、上述したパート、アルバイトの多い業種の中小企業の方は、場合によっては、総務、経理、人事の人員を増員したり、マイナンバー対応を外部の専門家に依頼するなど、大企業に準じた対応が必要になるかもしれません。 なお、安全管理措置については、中小企業者に特例での軽減措置があります。 〈参考〉安全管理措置とは?5つの手順まとめ|マイナンバー制度の基本知識

4)マイナンバー収集対象者への周知

4つめのポイントは、マイナンバーの収集対象者への周知です。 まず、従業員や外部の取引先に対し、「○日までにマイナンバーの会社への提出を依頼する」、社労士や税理士の先生に、「○日までに会社から対象者のマイナンバーをお渡しする」、という基本的なスケジュール設定をしましょう。 スケジュールとあわせて、具体的な提出方法の周知(マイナンバーのコピーだけ提出すればいいのか、会社所定の書式も提出が必要か、本人確認書類もあわせて提出するかなど)も整理しておいてください。 また、上記に付随して、会社が受け取ったマイナンバーの利用目的や会社側の適切な管理ポリシーを記載した誓約書などを提出者に対して交付する、といった対応ことも必要になろうと思います。    この辺りの実務については、各人にマイナンバーが配付され始めた段階で、徐々にマニュアル、ガイドライン、パンフレット等の整備が行政を中心に進んでいくはずなので、中小企業のみなさんは、そういった公的な書類をうまく活用することで、収集対象者への周知に係わる業務負担を軽減することができるでしょう。

5)関連システムの改修と委託先・再委託先の監督等

5つ目のポイントが、主にマイナンバーの管理に係わる内容です。 こちらは、中小企業の場合、比較的受け身で対応すればよい項目です。 中小企業では汎用品の会計ソフトや給与計算ソフトを使っていることが多いと思いますので、基本的には、ソフトウェア会社側が行うシステム改変にあわせて対応すればよいでしょう。 ただし、自社で人事や経理のシステムを開発している場合は、システムの改修が必要となる場合がありますので注意してください。 マイナンバーは非常に厳密な個人情報であるため、「収集して、保管して、利用する」という作業だけでも非常に面倒です。 そんな場合に、マイナンバー管理サービスを使うと、経営者や税理士の方は、顧客や従業員とマイナンバーのやりとりをしたり、自社内で保管したりする手間を省くことができます。 ちなみに、こちらのサイトから登録(無料)すると、マイナンバーガイドなど様々な特典がついてくるのでオススメです。

6)まとめ

いかがでしたでしょうか? なお、中小企業向けのマイナンバーの入門としては、以下も合わせてご参照ください。 〈参考〉中小企業のみなさんへ|内閣府 また、以下の表に今回のポイントをまとめたので参考にしてみてください。 マイナンバー対応 マイナンバー制度の導入まで、まだ時間があるので、上記の5つのポイントを意識して、一度自社の現状を振り返り、必要があれば専門家に早めにご相談ください。

この記事は、UKトラストグループ様に寄稿いただきました。 経営ハッカーでは、記事制作にご協力いただける方を募集しております。 お申し込みはこちらから