退職金の住民税の計算方法をわかりやすく解説|計算例つき

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退職金にも税金が課される?

退職金は、長年の労働に対する報償的な性格、賃金の後払い的な性格、退職後の生活保障的な性格など、各種の性格により、会社の退職金規定に従って、役員や従業員の退職時に一時に支払われるものです。

そして、退職金に対しても、給与と同様に所得税・復興特別所得税・住民税が課されることとなり、税金がどのくらいの金額になるかは気になる部分。そこで今回は、退職金に対して課される税金のうち、住民税(分離課税に係る所得割)の計算方法をわかりやすく解説していきます。

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1)退職金に課される住民税の計算の流れ

退職金に対して課される住民税は、下記2)の方法により計算した退職所得の金額に10%(市町村民税6%+都道府県民税4%)を掛けて算出します。

算式:【退職金に課される住民税】=【退職所得の金額】×【税率:10%】

※税額に百円未満の端数が生じたときは、切り捨てます。

2)退職所得の金額の計算方法

1. 退職所得の金額の計算

退職金に対して課される住民税の計算のもととなる収入金額(=退職所得の金額)は、退職金から下記2の方法により計算した退職所得控除額を控除した金額に2分の1を掛けた金額となります。

つまり、退職金から退職所得控除額を控除した金額のうち、半分にのみ住民税が課され、残り半分には住民税が課されない仕組みとなっており、税金の負担が軽くなるように配慮されています。

算式:【退職所得の金額】={ 【退職金の金額】-【退職所得控除額】 }×1/2
※退職所得の金額に、千円未満の端数が生じたときは、切り捨てます
※勤続年数が5年以内の法人役員等については、2分の1を乗じない金額が退職所得の金額となります。
  

2. 退職所得控除額

退職所得控除額は勤続年数により計算方法が異なります。

・勤続年数が20年以下の場合
退職所得控除額=40万円×勤続年数(80万円に満たないときは80万円)

・勤続年数が20年を超える場合
退職所得控除額=800万円+70万円×(勤続年数-20年)

3)計算例

・退職金の支給額が1,000万円、勤続年数が10年8か月の人の場合

勤続年数11年(1年未満の端数は1年に切上げ)
退職所得控除額 40万円×11年=440万円
退職所得の金額 (1,000万円-440万円)×1/2=280万円
住民税額 280万円×6%+280万円×4%=28万円

・退職金の支給額が3,000万円、勤続年数が29年1か月の人の場合

勤続年数30年(1年未満の端数は、1年に切上げ)
退職所得控除額 800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円
課税退職所得金額 (3,000万円-1,500万円)×1/2=750万円
住民税額 750万円×6%+750万円×4%=75万円

4)まとめ

いかがでしたでしょうか?意外と簡単に計算できるという印象を受けた方も多いのではないでしょうかと思います。

なお、源泉徴収の対象となる退職金(分離課税の対象となる退職金)については、退職金の支払者が税額を計算行い、その税額を、退職者のその年の1月1日現在の住所地の市町村に申告納付することとなっております。分離課税の対象とならない退職金については、退職所得の生じた翌年の総所得金額及び山林所得金額に合計して課税されることとなります。

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目次

  1. 会社の経理を始めるために
  2. 法人の決算に必要なものまとめ
  3. 貸借対照表で会社の資産状況を把握しよう
  4. 損益計算書で会社の利益を把握しよう
  5. 法人のための税申告・納付まとめ
  6. 法人にかかる税金は9種類もある
  7. 税金を滞納したら、どんな罰則がある?
  8. 法人のための節約のコツ
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