マイナンバーが銀行預金口座に適用で私たちの生活はどう変わる?現状と今後を考察してみた

銀行

個人情報保護法とマイナンバー法が可決

衆議院は2015年5月21日、個人情報保護法とマイナンバー法(略称)※の両改正案を原案通り可決しました。
※(正式名称)「個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案」

当該法令が可決された結果、『世界最先端IT国家創造宣言』(平成26年6月24日閣議決定)等に基づき、さらなる効率化・利便性の向上が見込まれる分野についてマイナンバーの利用範囲の拡大や制度基盤の活用を図るマイナンバー制度の主たる担い手である地方公共団体の要望等を踏まえ、所要の整備を行うものとされており、これがマイナンバーの利用範囲拡大の背景となります。

少しわかりづらい表現になってしまいましたが、今回の改正によって何が変わるのかというと、国民それぞれの個人番号(マイナンバー)を年金や納税だけでなく、銀行の預金口座や、乳幼児が受けた予防接種の記録などにも適用できるようになります。

そこで今回は、マイナンバーが銀行預金口座に適用されることによって私たちの生活にどのような影響があるのか、現状と考察を交えながら解説していきたいと思います。

〈参考〉
これであなたもマイナンバー博士!マイナンバー制度を徹底解説
罰金200万円!知らないとマズいマイナンバー制度の罰則を税理士が解説
マイナンバー法改正案が衆議院通過、果たして何が変わるのか?

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1)マイナンバーの利用拡大の範囲

「このマイナンバーの利用範囲の拡大に関しては、
・預貯金口座へのマイナンバーの付番
・医療等分野における利用範囲の拡充等
・地方公共団体の要望を踏まえた利用範囲の拡充等

という3つの分野において、将来的に利用範囲が拡充される方向になっています。

中でも、個人の方や中小企業者の方の注目度が高い預貯金口座へのマイナンバーの付番に関しては、具体的には、
・預金保険機構等によるペイオフのための預貯金額の合算において、マイナンバーの利用を可能とする。
・金融機関に対する社会保障制度における資力調査や税務調査でマイナンバーが付された預金情報を効率的に利用できるようにする。

という2点を検討していることが内閣官房から発表されています。

要は、ペイオフや税務調査など、預金者側からすればあまりうれしくない事項について、マイナンバーを積極的かつ効率的に利用していこうという趣旨に読み取れます。

ただし、この規定に関しては、他のマイナンバー制度と異なり、本法施行後3年後(2018年)をめどに、措置が講じられる旨が経過規程で定められました。

政府は、附則第一条第六号に掲げる規定の施行後三年を目途として、預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)第二条第一項に規定する金融機関が同条第三項に規定する預金者等から、又は農水産業協同組合貯金保険法(昭和四十八年法律第五十三号)第二条第一項に規定する農水産業協同組合が同条第三項に規定する貯金者等から、適切に個人番号の提供を受ける方策及び第七条の規定による改正後の番号利用法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて、国民の理解を得つつ、所要の措置を講ずるものとする(平成27年改正法附則第12条第4項 参照)

〈参考〉マイナンバー制度の概要と民間事業者の対応|内閣官房社会保障改革担当室

2)銀行預金口座のマイナンバー制度の適用拡大に関する政府の動き

現段階では、平成27年10月5日及び平成28年1月1日に法令が施行されたとしても、直ちに預貯金口座の開設や銀行取引において、マイナンバーの提示を法律上求められる義務は負うわけではありませんし、預金者のマイナンバーを銀行に告知する義務を定めるかについても、麻生大臣の質疑応答からは、フラットの状況です。

しかしながら、この資料のP3を見ると、財務省としては民間へのマイナンバー拡充をしていきたい意向が透けて見えます。

以上の状況を鑑みると、今後、複数の事業から収入を得ている経営者、子供のアルバイトなどで世帯年収を稼いでいるご家族の方、サラリーマンで副業をしている方、生活保護の不正受給をしている方、その他確定申告をせずにこっそりと収入を得ている方などは、今後3年間の政府の動向を注意深く見守り、対応策を考えていく必要がでてくるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。現段階では不透明な要素が多い預金口座へのマイナンバー制度の適用についてですが、今後、本件に関する検討の状況や法令改正の動向が明らかになりましたら、改めてご案内させていただきたいと思います。

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この記事は、UKトラストグループ様に寄稿いただきました。
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マイナンバー制度についてもっと詳しく知るには

すべての国民に番号をつけて、税・社会保障関連の手続きに活用される「マイナンバー制度」。2015年10月からマイナンバーの通知が始まります。そして、2016年1月にマイナンバー制度が開始します。
制度開始まで間もないですが、どのような制度なのかまだ調べている段階で対策にまで手が回っていない方がほとんどかと思います。
このガイドでは、マイナンバーのスケジュールやその他知っておきたい基本知識など、マイナンバーを理解するのに必要な情報を全てまとめました。
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目次

  1. 今さら聞けないマイナンバー制度とは?
  2. 制度開始までのスケジュール
  3. 収集時の本人確認の方法
  4. 保管に必要な安全管理措置
  5. マイナンバーを提供していい範囲とは?
  6. 法定調書への記入・提出方法・注意点
  7. マイナンバーによる年末調整の変更点
  8. マイナンバーに関してよくある質問10選
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