200人以上に会って分かった、数字に強い経営者になるための7つのステップ

keiei

あなたは数字に強い人ですか?経営において数字に強いというのは、暗算が早いとか、難しい数学を知っているとかではなく、経営がうまくいくための別の要素があるということになります。

僕が考える経営者や経営幹部、店長として成功するために必要な数字の強さというのは、
1. 過去の数字を分析し、
2. 今のとるべき行動を決め、
3. 未来の目標数字を達成することができる人

だと考えています。

1がない経営は、行動に根拠がない「ヤマカン経営」になってしまいますし、2がない経営は思っているだけで行動を伴わない「評論家の頭でっかち経営」、3がない経営は、結果が出せない「口だけ経営」になってしまいます。

僕が今まで200社以上の経営者、経営幹部、店長とお付き合いをしてきた中で、数字に強い経営者、経営幹部、店長には共通点があるとわかりました。今回は、その共通点を7つのステップに分けてお話ししたいと思います。

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1)明確な利益目標を設定する

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あなたの事業・会社の利益目標はいくらですか?具体的に言えますか?

例えば、ダイエットしたいと思っている人が2人いたとします。

Aさんは「私、めちゃくちゃやせたい」
Bさんは「私、48kgになりたい」

と言っているとしたら、どちらが実現しそうですか?それはBさんですよね。これを、経営に置き換えると「儲けてお金持ちになりたい」と言っている人と「最終利益1000万円」と言っている人の違いになります。当然、「最終利益1000万円」という明確な数値で目標を持っている方が実現しそうですよね。

多くの経営者は売上の目標は持っているのですが、利益目標を設定していない(意識していない)ことがあります。最終的に会社や事業のキャッシュになるのは利益です。その利益目標が具体的に決まっているか、その利益目標を達成するためには売上高はいくら必要かということを明確にしておくことが大切です。

2)正確な現状を数字で把握する

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先ほどのダイエットの話の続きからいきたいと思います。

Aさんは「私、48kgになりたい。ただし今、何kgか分からない。」
Bさんは「私、48kgになりたい。今、58kgなんです。」
と言っているとしたら、どちらが実現しそうですか?もちろん、Bさんですよね。これを経営に置き換えると、Aさんの状況というのは「今期の目標は、最終利益1000万円です。しかし、今の利益はわかっていません」という状態です。

非常に曖昧な言葉に、「儲かってる」という言葉があります。1円単位まで数字で把握しておく必要はありませんが、自社の状況を、「儲かっている」「儲かっていない」という感覚だけでしかわかっていなければ、適切な意思決定はできません。数字に強い経営者になるための第2ステップは、客観的な現状を数字で把握していることです。

3)適切な期限を設定する

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ここでも、ダイエットの話の続きからいきます。

Aさんは「私、48kgになりたい。今、58kgなんです。めちゃくちゃ早くダイエット成功させたいです。」
Bさんは「私、48kgになりたい。今、58kgなんです。3ヶ月後までにダイエット成功させたいです。」
と、言っています。この場合も、Bさんの方が、ダイエット実現しそうですよね。

最終利益1000万円という目標が明確で、現在の利益は500万円という現状がわかっていても、最終利益1000万円という目標を達成できたのが20年後では遅すぎます。一方で、最終利益目標が1000万円で、現状が500万円なのに、今週中に達成することも不可能だと思います。

この適切な期限を設定しているということが大切で、とくに「適切な」というところに注意が必要です。

例えば、10年後に最終利益1億円を達成したいとした場合、現状が500万円だとしたら、ちょっと、目標が大きすぎて現実味がないですよね。そんな時は、「毎年1000万円づつ利益を増やしていって、10年後に1億円にしたいので、残り半年で最終利益現状500万円を1000万円にしたい」というように、期限を短くすることで調整できます。言い換えると、現状と理想とのギャップの大きさを考えて、期限を適切に設定することで、ちょうどよい目標設定にするという視点が大切ということになります。

4)1と2の差から「課題」と認識してやるべき行動を決める

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恒例のダイエットの話からいきましょう。
Aさんは「私、48kgになりたい。今、58kgなんです。3ヶ月後までにダイエット成功させたいです。がんばります。」
Bさんは「私、48kgになりたい。今、58kgなんです。3ヶ月後までにダイエット成功させたいです。そのために、摂取カロリー計算を毎日し、毎日5キロのウオーキングをします。」

と言っています。この場合も、Bさんの方が実現しそうなのは明らかです。これは、目標48kgに対して、現状58kgということは、10kgの減量をしなければならないという「課題」に対してやるべきことを決めているということです。

このように、上記の1と2が明確になると、現状の課題が明確になります。つまり、明確な目標と、正確な現状のギャップが課題になるのです。この課題を適切な期限内に達成できれば、理想な状態になるということです。

その課題を達成するためには、何らかの行動(選択)をするしかありません。Aさんのように「がんばります」と言っているだけで何も行動(選択)しなければ、課題は到底解決できません。ここで、単に「行動」ではなく、「行動(選択)」と書いたのは、『行動しない』ことも選択だからです。

10kgの減量目標に対して、カロリー計算もウオーキングもランニングも水泳も筋トレも大切ですが、そのうちどれを選択し、選択しないということが大切なのです。つまり何かを「行動」したという背景には、必ず「行動しなかった」ということがあるはずなのです(時間は有限なのですから)。

これを経営に置き換えると、目標の最終利益1000万円に対し、現状500万円足りないとすると、その差額500万円という課題に対して、どのような行動を選択するのか、そして選択しないのかということが大切になります。

経営数値を変えることは、「行動」でしかできません。つまり、数字に強い経営者になるための第4ステップは、現状の課題に対してやるべき行動を決めている、やらないことを決めているということです。

5)定期的なチェックを行う

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Aさんは「私、48kgになりたい。今、58kgです。3ヶ月後までにダイエット成功させたいです。ただし、体重計に乗るのは今日と3ヶ月後の2回だけです。」
Bさんは「私、48kgになりたい。今、58kgです。3ヶ月後までにダイエット成功させたいです。体重計には毎日乗ります。」

この場合ももちろん、Bさんの方が実現しそうですよね。ダイエットの場合の、この毎日体重計に乗るという行為は、定期的な確認・チェックに該当します。このときチェックするのは、

4で決めた行動ができているかどうか(行動面)
その結果、利益目標に近づいているか(数値面)

の2つの観点からのチェックが必要です。

明確な利益目標まで、なんの障害もなく達成できることなどはほとんどありません。定期的なチェックを行い、必要に応じて軌道修正していくことが数字に強い経営者になるためには必要なことです。

6)コミュニケーションに数字を活用する

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僕がコンビニエンスストアのスーパーバイザーをしていた頃、経営者と従業員の会話でこういうものをよく聞きました。

経営者「この商品、売れている?」
従業員「あまり売れてないです」
経営者「そうか、じゃあ、発注するのはやめておくか・・・」

心配になって、実際のデータを見てみると、実は売れ筋だったなんていうことが数多くありました。これは、経営者の「売れている」という認識と従業員の「売れている」という認識の違いによるものです。

冒頭で、数字に強いとは、

過去の数字を分析し、
今のとるべき行動を決め、
未来の目標数字を達成することができる人

だとお伝えしました。上記のように、「売れている」「売れていない」という曖昧な判断基準で、発注をするかしないかの意思決定をしては、いずれ経営は行き詰まってしまうでしょう。

これを防ぐためには、社内のコミュニケーションにおいても、数字を活用するという意識をもつことが必要です。

経営者「この商品、週販いくつくらい?」
従業員「さっき、データ見た時は、週販20個で先週の半分に落ちています。」
経営者「では、もう半分まで週販が落ちたら発注をとめようか」

というように、具体的な数字を活用してコミュニケーションをすると、スムーズでしかも誤解がありません。特に経営判断をする際には数字をもとにした判断が必須になりますので、社内の共通言語として数字を使うことが重要です。数字に強い経営者は、コミュニケーションに数字を活用しています。

7)数値目標の裏は信念をもつ(人は数字だけでは動かない)

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Aさんは「私、やせたいんです。なんとしても、3ヶ月後までに10kgダイエットしたいんです。」
Bさんは「私、やせたいんです。3ヶ月後に結婚式があって、大好きな彼の横で素敵なドレスが着たいんです。」

このケースも、やはりBさんの方が実現しそうですよね。Aさんの場合は、数値目標は具体的ですが、さらにBさんは、その数値目標の背景となる強い動機が明確になっています。

これは、数値目標がそれを達成することで得られる本当の目的の手段でしかないということをあらわしています。つまり、「お金持ちになりたい。そのために利益1億円を目指します」という経営者でも、例えば無人島で利益1億円を達成しても嬉しくないように、利益1億円を達成した先に「本来のやりたいこと」、又は「こう言われたい」という状態があるはずです。

成功する経営者には、数値目標の裏に強い信念から導き出される動機が存在します。そうでなければ、困難は乗り越えることができないからです。これは、経営者自身だけでなく従業員や取引先などにも当てはまります。成功する経営者は、「人は、数値目標だけでは動かない」ということをよく知っています。つまり、数字に強い経営者は、数字だけではできないことがあるということもよく知っており、手段である数値目標とともに、本来の目的として「どんな社会を実現したいのか」「自社の役割はどういうことなのか」ということを言葉で伝えているのです。

ただし、こういったビジョンとか理念というものは、すぐにできるものではなく、様々な経営者に聞いても、長年の経営によりできてきたものだと言われます。これをお読みの方の中には、まだ日々の経営に必死でビジョンとか理念とかそれどころではないという方もいらっしゃると思います。そういった方は、1〜5の数値計画・行動計画だけでも結構です。

まとめ

上に示した7ステップは、1〜5が事業計画の数値計画・行動計画に該当するもの、6がコミュニケーション、7がビジョンや理念という内容になっています。数値計画・行動計画を作り、実践していく中で、でてきたビジョンや理念に繋がりそうなことを経営者の想いとして言葉で追加していけばいいと思います。
計画の無い経営は、暗闇の中をさまようようなものです。是非、この7つの秘訣を参考に、計画を作成していただければと思います。

僕の経験上、成功する経営者は意思決定の際に数字を用いて客観的な判断をし、実際に行動に移しています。最後に補足をするならば、数字を大切にしすぎてあまり緻密に分析をすることに拘りすぎると、未来の数字を達成するための必要な行動が遅れてしまうことに注意をしなければなりません。

過去の数字の分析は、意思決定をする上でとても参考になりますが、行動をしないことには未来の数字には繋がりません。ということは、過去の数字の分析結果が多少曖昧でも、意思決定(やるかやらないか)に影響がなければ、細部に拘る必要は無いのです。緻密に、時に大胆に、あくまで数字は「手段」として利用するものだと思っています。
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この記事は、西村賀彦税理士事務所 西村 賀彦 様様に寄稿いただきました。
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目次

  1. 法人にも確定申告って必要なの?
  2. 法人税とは
  3. 法人の確定申告の全体的な流れ
  4. まずは法人決算書と勘定科目内訳明細書
  5. 法人税の申告書類の作り方
  6. 作成した申告書を提出して納税する
  7. 最後に
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