消費税の中間納付・中間申告するときに知っておくべき5つのこと

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消費税の中間申告とは?

個人事業主でも、消費税の中間申告の対象になり得ることをご存知でしたか?

消費税の中間申告は、消費税を納税している事業者すべてに必要なものではありません。前年(前事業年度)の消費税額を基準に、中間申告が必要な事業者が決められています。また、中間申告の義務がなくても届出書を提出することで中間申告をすることができます。

消費税の中間申告は、消費税の納税を一度に行うのではなく、何度かに分割することで納税者の負担を軽減することが目的。昨年は中間申告の対象ではなかった方も、今年は対象になっている可能性もあるため、この機会に一度チェックしてみてはいかがでしょうか?

今回は、意外に知られていない消費税の中間申告について、辰田美香税理士に伺いました。

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1)中間申告の対象者は?

中間申告が必要な事業者は、個人は前年、法人は前事業年度の消費税の年税額が48万円を超える事業者です。ここで、注意していただきたいのは、48万円というのは国税だけで、地方税を含まないということです。一般に消費税と言われているものは、実は国税と地方税に分かれています。

しかし、消費税を納付する際には国税も地方税も一緒に支払うため、分かれているという意識がないかもしれません。具体的には、前年(前事業年度)の消費税の確定申告書で、「差引税額(9)」の欄が48万円を超えているかどうかで中間申告の義務を判断してください。

なお、新たに設立された法人の設立事業年度は中間申告の義務がありません。また、年税額が48万円以下の事業者については届出書を提出することにより、中間申告を行うことができます。

2)申告の回数は?

中間申告は、前年(前事業年度)の消費税の年税額によってその回数が変わってきます。この場合の年税額も地方税は含みませんので、消費税の確定申告書「差引税額(9)」を見て判断します。

中間申告の回数は以下の通りです。

中間申告 回数

3)申告の提出期限は?

中間申告の提出期限は、年1回なら前年(前事業年度)を6か月に区分した各期間の末日の翌日から2か月以内です。また、年3回については、前年(前事業年度)を3か月に区分した各期間の末日の翌日から2ヶ月以内になります。

少し分かりづらいので、個人事業者を例として、具体的に考えたいと思います。

1. 申告回数が年1回
6月30日の翌日から2か月以内ですので、7月1日から8月31日が申告期限です。

2. 申告回数が年3回
1回目が3月31日の翌日から2ヶ月以内なので、4月1日から6月30日。2回目が6月30日の翌日から2か月以内ですので、7月1日から8月31日。3回目が8月31日の翌日から2ヶ月以内なので、9月1日から10月31日が申告期限となります。

3.申告回数が年11回
年11回の場合、申告・納付期限は以下の通りです。

申告回数

消費税のあらまし(国税庁)より引用

4)中間申告納税額、2通りの方法

中間申告納税額の計算方法には、前年の実績による方法と仮決算による方法の2通りがあります。

1. 前年の実績による方法

文字通り、前年(前事業年度)の年税額を基に計算する方法です。年1回の中間申告では前年(前事業年度)の消費税額の2分の1、年3回の中間申告では前年又は前事業年度の年税額の4分の1、年11回の中間申告では前年(前事業年度)の年税額の12分の1の金額を申告及び納付することになります。

2. 仮決算による方法

中間申告をすべき各期間(例えば、中間申告が年1回であれば、6か月間)で仮の決算処理をして申告を行う方法です。なお、中間申告において、仮決算で計算をした税額がマイナスになった場合は納税額がゼロになるだけで、還付金は受けることができません。

仮決算による方法は仮の決算処理を行わなければならないため、手間がかかるというデメリットがあります。しかし、前年に比べ売上が下がっている等、状況が悪化している場合は中間申告による納税額を減らし、資金繰りを楽にできるというメリットがあります。

5)中間申告と混同されやすい課税期間の短縮とは?

まず、課税期間とは消費税を計算する期間のことです。個人事業主は1月1日~12月31日、法人は事業年度が課税期間となります。

課税期間の短縮とは、上記の期間を短くする制度です。届出書を提出することで本来12か月である期間を、1か月または3か月に短縮することができます。

中間申告との違いですが、前述したとおり、中間申告では消費税の還付を受けることができませんが、課税期間の短縮制度を使うと、1か月又は3か月単位でも還付を受けることが可能です。輸出免税売上の割合が高い事業者など継続的に還付を受ける事業者については、課税期間の短縮をすることで、資金繰りが楽になる等のメリットがあるでしょう。

ただし、課税期間を短縮すると、1か月又は3か月ごとに消費税の確定申告をすることになります。手間がかかるため、そのメリットとデメリットを十分検討する必要があります。なお、課税期間を短縮すると中間申告の必要はありません。

まとめ

税金の納付は資金繰りにも影響するため、いつ、いくらを納付するのかを事前に把握しておくことが重要です。また、制度を理解することで自社にとってメリットのある方法を選択することができます。

任意の中間申告や課税期間の短縮は、決められた期限までに届出書の提出が必要なため、制度を適用する場合には事前にチェックをしておきましょう。

 

辰田美香 税理士
上場会社等の一般企業にて勤務後、税理士法人や税理士事務所にて10年間の実務経験を積み、日本を支える中小企業の支援をしたいと言う想いから独立しました。当事務所は経営者様の負担を減らし、経営者様のサポーターとして共に考え、支援していくことモットーとしております。
事務所名:たつだ会計事務所

 
 

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目次

  1. 法人にも確定申告って必要なの?
  2. 法人税とは
  3. 法人の確定申告の全体的な流れ
  4. まずは法人決算書と勘定科目内訳明細書
  5. 法人税の申告書類の作り方
  6. 作成した申告書を提出して納税する
  7. 最後に
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