リバースチャージ方式ってなに?消費税法改正後の仕訳を解説

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1)「リバースチャージ」方式とは

2015年10月から、消費税法が改正され、「リバースチャージ方式」が導入されます。リバースチャージ方式とは、「国外事業者から事業者向け電気通信利用役務の提供(これを特定課税仕入れという)を受けた場合、サービスの受け手である国内事業者に消費税を課す」方式です。

 「国外事業者からの事業者向け電気通信事業役務の提供」というとわかりにくいかもしれませんが、代表的なものとして、Google AdWordsがあります。Google AdWordsはネットのリスティング広告の運営などで身近な人が多いのではないでしょうか。広告主は利用料(事業用の広告宣伝費)をグーグルに対して支払っています。

Googleは海外の会社ですから、Google AdWordsの使用料(広告宣伝費)には今のところ消費税はかかりません。一方、日本にある会社の同じようなサービスを利用した場合、消費税が課税されて広告主の仕入税額控除の対象となります。

広告を出す・見るのは日本であることに変わりはないのに、日本の会社は消費税を支払い、海外の会社は消費税を支払わなくてよかったのです。これを問題視した国税庁は、消費税に新しい課税方式としてリバースチャージ方式を導入することになりました。

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2)仕訳で考えるリバースチャージ方式

リバースチャージ方式は課税仕入れをした事業者に消費税を課すので、非常にわかりにくい制度だと言えるでしょう。Google Adwordsで10万円の広告宣伝費が生じた場合の仕訳を考えてみましょう。

9月までの仕訳は以下の通りです。

広告宣伝費 100,000(不課税)/現金 100,000

しかし、2015年10月以降は以下のようになります。

広告宣伝費 100,000 /現金100,000
仮払消費税  8,000/ 仮受消費税 8,000

このような両建てで消費税の仕訳を行うのが一般的となるでしょう。広告宣伝費を課税標準(売上みたいに)として認識するため、仮受消費税8,000円を払う必要が出てきます。

しかし、課税売上割合が95%以上の事業者なら消費税は全額控除できるので、仕入税額控除として8,000円も全額認識しますから、以下のように相殺されてしまいます。

仮受消費税 8,000/仮払消費税 8,000 

条文でも課税売上割合95%以上であれば当分の間、特定課税仕入れはなかったものとして取り扱うとされています。消費税の両建てを認識していなくても、結果的にはほぼ影響がないだろうという見通しからこの規定が置かれているのはないでしょうか。

3)課税売上割合が95%以下の場合はどうなる?

しかし、課税売上割合が95%未満の事業者の場合は上記のようにはいきません。たとえば課税売上割合が80%で、広告宣伝費が課税売上と非課税売上の共通経費とします。

すると、控除できる仮払消費税は8,000×80%=6400円となり、残りの1,600円は控除できません。一方、仮受消費税8,000は全部納税する必要があるため、以下のような仕訳になります。

広告宣伝費 100,000 /現金100,000
仮受消費税 8,000 /仮払消費税 8,000
雑損失(控除対象外消費税等) 1,600 /未払消費税 1,600

まとめ

海外の事業者が提供するWebサービスなどに消費税がかかるリバースチャージ方式ですが、会計の仕方にも大きな変更があります。繰り返しになりますが、リバースチャージ方式は、2015年10月以降の利用分からが対象となり、事業年度とは関係なくスタートしますのでご注意ください。

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