車の減価償却についてわかりやすく解説

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減価償却を知らないと、思わぬ誤算も!

通常、車は数年間使用するものですので、数年間に分けて経費としようというのが減価償却の基本的な考え方です。しかし、車の購入費用を経費にするとき、「利益が出たから事業用に車を購入して節税しよう」と考えていると、思っていたほど経費として計上できず、税金の負担が大きくなり資金繰りに困るケースもあります。後々痛い目に合わないように、車の減価償却について理解しておきましょう。

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1)減価償却の意味と償却方法

1.減価償却の意味

「減価償却」とは、時の経過に伴い価値が下がっていく資産について、その時の経過に合わせて費用化していくことを言います。その資産が利用に耐えられる、おおよその見積られた期間を「耐用年数」といい、財務省令によりその年数は定められています。資産の取得価額を基に、耐用年数を使用して減価償却費が計算されるのです。

2.償却方法

車の償却は個人事業主は定額法、法人は定率法で計算します。但し、この2つの方法は届出を提出しなかった場合の償却方法です。税務署へ届け出をすることにより、これら以外の償却方法を選ぶこともできます。特別な事情がない限りは届出を提出せず、決められた方法で償却しましょう。

次の図は定額法と定率法のイメージ図です(実際の計算は例と多少異なります)。例えば、600万円の車を現金で購入し、6年で減価償却をするとしたら、次の図のように毎年少しずつ経費として計上していきます。現金で購入した場合は、一度にキャッシュが出ていくのですが、1年以上使用でき、取得価額が10万円以上の減価償却資産は、原則として一度に経費にすることができません。

定額法の減価償却イメージ

定額法は取得価額を均等に償却していくため、1年間の償却費は毎年同じ金額となります。
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定率法の減価償却イメージ

定率法は早い段階では経費になる金額が大きくなり、一定額に達した時点で均等償却に切り替える方法です。
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<参考> 減価償却資産の償却限度額の計算方法
<参考2>減価償却の基礎知識【定額法と定率法】
<参考3>減価償却と償却率を徹底解説|経理・税務の基本知識

2)車の取得価額

車を購入すると、自動車取得税などの付随費用が発生します。この付随費用は、基本的に取得価額に含めることになります。しかし、一部の付随費用については取得価額に含めなくてもよいと定められています。
 

取得価額に含めないことができる付随費用
  1. 自動車税
  2. 自動車取得税
  3. 自動車重量税
  4. 自賠責保険料
  5. 登録費用(業者の代行費用含む)
  6. 車庫証明費用(業者の代行費用含む)
  7. リサイクル料金

上記の費用(7を除く)を取得価額に含めない場合は、租税公課などの経費として計上します。なお、自賠責保険料は2-3年など、1年を超える期間分をまとめて支払っても、自賠責保険が強制加入であるため、支払時に一括して経費に計上することができます。

また、リサイクル料金は車とは別途、預託金として資産計上し、売却または廃車時に経費になります。逆に取得価額に含めなければならないものは、車両本体価格、カーナビなどのオプション価格、納車費用です。もし以前使用していた車がある場合、その下取り価額は資産の売却として処理し、下取り時の車の簿価と下取り価額の差額が売却益又は売却損となります。

3)車の耐用年数

新品で取得した場合

・普通乗用車 6年
・軽自動車  4年
 ※トラックなどの特殊な車やタクシーなどは上記と異なります。

中古で取得した場合

・耐用年数がすでに経過したもの
 新品の耐用年数の20%に相当する年数

・耐用年数の一部が経過したもの
 (新品の耐用年数-中古の経過年数)+経過年数×20%

例えば、2年8ヶ月(32ヶ月)落ちの普通乗用車を購入した場合は、

{72ヶ月(6年)-32ヶ月} + 32ヶ月 × 20% = 46.4ヶ月(3.8年)

と計算され、耐用年数は3年となります。1年未満の端数は切り捨て、計算した結果2年に満たない場合は2年とします。

4)一括で経費に出来る場合もあり

青色申告をしている中小企業者(主に資本金1億円以下の中小法人と個人事業主)は、30万円未満の取得価額であれば、1年以上使用する車であっても、一括して経費にできます。但し、現在のところ、平成28年3月31日までに取得し、かつ、使用を開始したものとされています。

<参考>一括償却資産・少額減価償却資産・固定資産の違いを徹底解説|経理・税務の基本知識

また、期首に中古車を取得し、耐用年数が2年である場合も一括で経費にできます。
例えば、4年落ちの中古車を200万円で購入した場合の計算は、次のようになります。

・耐用年数 (6年-4年)+ 4年 × 20% = 2.8年 →2年

・200万円 × 1.000(耐用年数2年の定率法償却率)× 12ヶ月 / 12ヶ月 = 200万円
売却まで備忘価額を付す必要があるので、1円を残し、1,999,999円を経費とします。
 
但し、これは、定率法を使用した場合のみです。そして、期首ではなく期中に取得した場合は一括して経費にすることはできません。

まとめ

車を購入した際、経費に出来るタイミングや車の減価償却についてご理解いただけたでしょうか?「もっと経費に出来ると思っていたのに……」ということにならないようにしっかり把握しておきましょう。
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目次

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  2. 法人の決算に必要なものまとめ
  3. 貸借対照表で会社の資産状況を把握しよう
  4. 損益計算書で会社の利益を把握しよう
  5. 法人のための税申告・納付まとめ
  6. 法人にかかる税金は9種類もある
  7. 税金を滞納したら、どんな罰則がある?
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