「103万円の壁」って何? 配偶者控除と配偶者特別控除

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扶養控除とは違うの?

お盆が過ぎたころから急に涼しくなり、気が付けば、今年も残り3か月余り。そろそろ年末の足音が聞こえ始めるこの時期は、「扶養に入るために…」と、バイトやパートの時間調整を考え始める時期でもあります。

一口に扶養とはいっても、そもそも何の扶養なのか、配偶者については優遇があるようだが…といったよくある質問にお答えします。

1)税金の扶養か?社会保険の扶養か?

「扶養に入る」。よく聞く言葉ですが、一般的に「税金(所得税・住民税)の扶養」を指し、例えば、夫が妻を扶養といった場合、夫の所得から一定額が控除され、夫の所得税と住民税が安くなる配偶者控除又は配偶者特別控除をいいます。

ちなみに、社会保険の扶養は、扶養対象者の総収入が130万円未満であり、所得税・住民税の扶養の基準とは異なりますので、経営ハッカー<社会保険、扶養の条件は?健康保険と厚生年金の扶養条件をわかりやすく解説>をご参照ください。

2)所得税の計算構造

簡単にですが、所得税・住民税の計算構造は下記の通りです。今回は、給与のみとします。 article1

(第1段階)給与所得の計算 ① - ② = ③ (第2段階)課税所得金額の計算 ③ - ④ = ⑤  (第3段階)年税額の計算 ⑤ × 税率 = 年税額

3)配偶者控除と配偶者特別控除

配偶者控除・配偶者特別控除は、その名の通り、配偶者のみに認められている制度で、上記④の所得控除の一種で、控除額は、下記の通りです。

配偶者控除の額

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配偶者特別控除(年齢による控除額の増減はありません)

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4)配偶者控除又は配偶者控除を受けられるかどうか

注意点

配偶者控除と配偶者特別控除は重複して控除を受けることができません。したがって、どちらを選ぶのではなく、所得金額によりどちらか一方のみの控除しか受けられません。

所得金額の判断

配偶者はパートやバイトの収入のみという前提でお話しします。

1.配偶者控除 (2)で取り上げた所得税の計算構造のうち、③給与所得の金額が380,000円以下であると配偶者控除が受けられます。また、年齢によって控除額が増加します。

では、パートやバイト収入がいくらまでなら380,000円以下になるでしょうか。所得税の計算構造のうち、②給与所得控除額の最低額は650,000円と決められているので、650,000円+380,000円=1,030,000円となります。

2.配偶者特別控除 所得税の計算構造でいうところの③給与所得の金額が、380,000円超760,000円未満となる場合に配偶者特別控除が受けられ、所得金額の増減によって、控除額も増減する仕組みとなっています。

配偶者のパートやバイトの総支給額から650,000円を控除した残額を一覧表に当てはめて控除額を求めます。

5)まとめ

いかがでしょうか?なかなか複雑ですが、これを機に、年末に向けてご夫婦で話し合い、早めに準備を始めましょう。