上場準備に際して注意すべき4つのポイント

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株式の新規上場の状況

株式上場は、会社を経営すると一度は考えることではないでしょうか。

ネットバブルの崩壊やリーマンショック等で一時期低迷していた株式市場ですが、景気指標として重要性を増した「株式市場の活性化」は景気回復を政策に掲げる政府にとって、喫緊の課題として挙げられています。

そのため、政府は株式市場の活性化の重要な要因である、新規での株式上場を積極的に推し進め、近年、新規上場数が増加しています。

株式上場を考える際に、多くの課題をクリアしていかなければなりませんが、まずは、以下の項目を検討していくことになります。

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1)経営計画の策定

株式上場を行う目的は様々ですが、一義的には株式市場から資金調達を行い、これを会社が活用して会社のさらなる成長を促進するという点にあります。したがって、株式市場から調達した資金を使って、どのように会社を成長させて行くかの経営計画を作成しなければなりません。

また、株式上場を行うためには、株式市場ごとに一定の基準が設けられており、例えば、新興市場である「JASDAQスタンダード」では最近1年間の利益が1億円以上、または上場後の時価総額50億円以上という基準が設けられており、ほかの新興市場でも上場後の時価総額の基準が設けられております。

上場後の時価総額は会社の成長性によって決まるため、その成長性を示す精緻な経営計画を作成することが必要になります。(最近は株式上場直後に経営計画が修正されるケースが多々見られるため、証券取引所や証券会社の経営計画に対する審査が厳しくなっているようです)

別の観点からも経営計画は重要な項目と考えられます。株式上場に際しては株主が大幅に増加することとなり、経営判断に株主の同意が得られない恐れが生じます。そのため、適切な経営者の経営判断に同意をしてもらうことができる安定株主を一定割合確保する必要があります。

たとえば、上場後の安定株主を確保するために、上場前に取引先や親族、従業員に増資やストックオプションの引き受けをお願いすることなどが考えられます。これらの資本政策は必要な資金をどのタイミングでいくらの調達を行うかなどとリンクして決定することとなるため、経営計画策定の一環として検討する事項となります。

したがって、会社は今後の成長戦略や資本政策を含めた精緻な経営計画を作成することが必要になります。

2)アドバイザーの選定

株式上場は、本には書かれていない、その会社に応じた事象が生じることが多いのですが、上場の現場にいて、その感覚を経験している人は多くありません。

そのため、経験のあるアドバイザーとの契約は必須と考えて良いかと思います。労働市場には幾度か上場経験のある従業員もいるかと思いますが、実際にそのような方を採用することは難しい状況です。

ベンチャーキャピタルからの出資がある場合は、ベンチャーキャピタルの従業員がアドバイザーとして協力することも多いようです。ベンチャーキャピタルの利益は一般的には上場によって得られるため、上場を目標とする限り利益は一致します。しかし、上場後の会社経営については利害が一致しないことが多いため、安定株主を作ること等の資本政策については、ベンチャーキャピタルからのアドバイザーの意見を慎重に検討する必要があるようです。

また、株式上場に際しては多額の利益が生じるため、様々な人がその利益を得ようと擦り寄ってきます。株式上場の経験がない、もしくは、アドバイザー料を長く受け取るために上場を本来の目的としないアドバイザーもいるなど、株式上場に関するアドバイザーは玉石混交であり、その選定は慎重に行う必要があります。

3)主幹事証券会社の選定

株式上場に際して、主幹事証券会社は様々な業務を行うことになります。たとえば、上場スケジュールの作成や社内管理体制の整備に関する助言、上場に関する申請書類の作成に関する助言、証券取引所や財務局との折衝、上場時の株式の公募や売出しの実施、IRのサポートなどです。また、証券会社は上場会社として適切かどうかの審査も行います。

大手の証券会社ですと審査もしっかりしていて、十分な資金の調達が可能となります。しかし、多くのIPO案件を抱えているため、上場する順序が遅くなる場合があり、上場までのスピード感などを十分に考慮して選択することが必要です。また、アドバイザリー契約にかかる費用も巨額になることから、契約のタイミングも十分に考える必要があります。

4)監査法人の選定

中小企業にとって、監査法人は縁のない存在かもしれませんが、上場する企業にとっては監査法人から決算書のチェックは必須の事項になります。株式上場に際しては過去二年分について監査法人の決算書のチェックがなされ、これを元に作成された有価証券届出書(Ⅰの部)についても監査法人のチェックが行われます。

制度が変わりましたが、上場後には内部統制についても監査法人のお墨付きが必要になるため、監査法人から適切な助言を受け、十分な内部管理体制を整えて適時適切な決算を行う必要があります。

監査法人によっては上場支援業務を請け負ったものの、適切な助言を与えることなく、報酬のみを受ける法人もありますので、法人の選択には注意が必要になります。

証券会社と同様、大手の監査法人だと適切な助言が得られる可能性が高いのですが、その分、監査も厳しくなり、特に内部統制の整備に十分な時間を必要とすることが考えられます。また、一般的に大手監査法人の監査報酬は高額となります。

5)まとめ

もちろん、株式を上場させる市場を選択したり、印刷会社(上場会社が株式を上場させるために必要な報告書等を印刷する会社は宝印刷とプロネクサスの二社しかありません)を決める必要などはありますが、これらは上場までのタイムスケジュールがはっきりする頃までに決めれば良いものです。まずは、上述の4点を考慮して、上場を検討してはいかがでしょうか。

大手監査法人及び準大手監査法人で複数回の株式公開支援業務を行っており、将来において株式公開を踏まえた経理業務及び内部統制体制を整えるためのアドバイザリーが可能です。
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目次

  1. 法人にも確定申告って必要なの?
  2. 法人税とは
  3. 法人の確定申告の全体的な流れ
  4. まずは法人決算書と勘定科目内訳明細書
  5. 法人税の申告書類の作り方
  6. 作成した申告書を提出して納税する
  7. 最後に
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