消費税の端数処理は影響が大きい?!総額表示と積み上げ計算の復習を!

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10%への増税と軽減税率が導入される前に復習をしましょう。

消費税は平成29年4月に10%に上がることが決まっています。軽減税率も導入されることで、消費税の制度はしばらく過渡期に入るでしょう。

とはいえ、現在の制度を知らないと何がどう変わるのか、もしくは、変わらないのか、分かりません。

端数処理と総額表示、積み上げ計算の経過措置について復習しましょう。

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1)消費税の端数処理は切り上げ? 切り捨て? それとも、四捨五入?

皆さんは、普段買い物をした際に消費税の端数処理を気にしたことがあるでしょうか? 個人的には、消費税の計算で発生した端数処理は切り捨てになっていることが多いと感じます。

例えば、税抜で98円の商品の消費税は、98円×8%=7.84円切り捨ての場合は7円になります。

しかし、消費税の端数処理は特に法律で規定されておらず、切り上げ、切り捨て、四捨五入のうち、どれを選択しても構いません。つまり、上記の例では、切り上げ又は四捨五入して8円でもいいのです。端数処理をどうするかは事業者の選択に委ねられています。

2)総額表示はどうなった? 税抜価格で表示していてもいい?

平成16年4月から商品の値段について、総額表示方式が義務付けられています。これは、消費者が実際にいくら支払えばよいのか、一目で分かるように、本体価格に消費税を加算した金額を明示することを指します。

総額表示方式が義務付けられているのは、消費者に対して商品やサービスを販売する事業者です。事業者間取引については従来より制約がありません。

例えば、税抜10,000円の商品は、次のように表示しなければなりません。

  • 10,800円
  • 10,800円(税込)
  • 10,800円(税抜価格10,000円)
  • 10,800円(うち消費税額等800円)
  • 10,800円(税抜価格10,000円、消費税額等800円)

(出典:国税庁HP

しかし、現在は平成29年4月に消費税が10%に上がることもあり、この総額表示につき、特例措置が設けられています。平成25年10月1日から平成30年9月30日までの間は、消費者に誤解を与えない表示をしていれば、総額表示をしていなくても良いことになっています。

そのため、現在スーパーなどの小売店は税抜価格のみを表示しているところがほとんどです。期限付きで税抜価格での表示が認められているため、消費税10%への増税後、特例措置の期限切れまでの間に総額表示へ徐々に変わっていくものと思われます。

3)実際の申告時における消費税額の計算は?

売上(課税標準額)に対する消費税額を計算する際は、切り捨て処理を行います。

例えば、税込105円の商品を10万個販売した場合は、

105円×100,000個=10,500,000円→税込売上高
10,500,000円/108×100=9,722,222円(千円未満切り捨て)→9,722,000円

したがって、9,722,000円に税率を掛けて売上にかかる消費税を計算します。
  
その後の計算過程は省きますが、最終的に百円未満の端数処理を行うまで、端数処理をする場合はすべて切り捨てです。

4)消費税の積み上げ計算はどうなった?

申告時における売上に対する消費税額の計算方法は上記に挙げたとおりですが、実は別の計算方法もあります。

消費者に少額の物品を大量に販売する量販店などは、販売の都度に計算する消費税について端数処理をした1円未満の年間合計が相当な金額になる場合があります。そこで、以前は旧規則第22条第1項(消費税の積み上げ計算の特例)が設けられていました。この特例は販売の都度に計算した消費税額を累計したものを消費税の申告書に記載することができるというものでした。

しかし、総額表示方式の導入により、旧規則22条第1項は平成16年4月に廃止されています。ただ、廃止に伴い経過措置が設けられているため、その経過措置を適用すると、消費税を積み上げて計算することが可能です。

<参考>国税庁HP:課税標準額に対する消費税額の計算の特例(経過措置)

税込価格を基礎として販売の都度に消費税額を計算し端数処理をした場合、「1.端数処理の違い」「2.経過措置又は原則的な方法」で消費税を計算したときにどれぐらいの差が出るか、比較をしてみます。

例えば、税抜98円の商品を10万個販売した場合、

・切り捨て時:税込価格98円×1.08=105.84円→105円
税込売上高10,500,000円

・切り上げ又は四捨五入時:税込価格98円×1.08=105.84円→106円
税込売上高10,600,000円

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端数処理を切り捨てにした場合、経過措置を使用した方は一括計算より納税額が少なくなりました。

上記はすべて同じ金額という極端な設定ですので、切り捨てであればどんなケースでも経過措置がいいとは言えません。

また、この経過措置を適用するには相手に渡す領収書等に消費税額を記載していることが必須です。実際の申告の際には専門家にご相談ください。

5)まとめ

消費税の端数処理、総額表示、積み上げ計算に関する経過措置について復習できたでしょうか。

軽減税率の導入により、将来的にはインボイス方式が導入されるという話もあります。現在の情報をしっかり整理して、新しい情報もキャッチアップしていきましょう。

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  4. 損益計算書で会社の利益を把握しよう
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  6. 法人にかかる税金は9種類もある
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