社会福祉法人とは? 設立要件から税金などの基本知識のまとめ

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社会福祉法人は、公益法人の1つで、税制上の優遇措置が多いことも知られています。
今回は社会福祉法人の設立要件を中心にご説明します。

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社会福祉法人とは?設立要件から税金などの基本知識のまとめ その2

 

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<目次>
  1. 社会福祉法人とはどのような法人か
  2. 社会福祉法人の設立要件
  3. 社会福祉法人設立の認可と登記
  4. まとめ

1)社会福祉法人とはどのような法人か

社会福祉事業を行なうことを目的とし、社会福祉法に基づいて設立される法人で、民間企業の1つです。社会福祉法人は非常に公益性の高い法人とされ、税制上様々な優遇措置が設けられています。

また、社会福祉事業の中でも、第1種社会福祉事業は社会福祉法人以外の者が事業を行なうことは認められていません。

ただし、設立要件は非常に厳しく、簡単に設立できるわけではありません。

2)社会福祉法人の設立要件

設立の認可を受けるための要件は以下の通りです。

1.名称

公共性の高い法人であることから、法人及び施設の名称は、個人名や団体名を引用したものは認められません。また、法人名(社会福祉法人)と施設名(特別養護老人ホームなど)は異なった名称でなければなりません。

<例>
「社会福祉法人クラウド福祉会、特別養護老人クラウド福祉会」はNG
「社会福祉法人クラウド福祉会、特別養護老人ホームクラウド苑」はOK

2.役員

社会福祉法人には、6名以上の理事と2名以上の監事を設置しなければなりません。また、誰でもなれるわけではなく、以下の要件があります。

(1)理事
イ.各理事と親族等特殊の関係がある者が一定数を超えないこと
ロ.社会福祉事業についての学識経験者(社会福祉事業従事経験者や弁護士など)または地域の福祉関係者(民生委員や地域の社会福祉団体の役職員など)が含まれていること
ハ.理事のうち1人は、運営する事業の施設長であること
ニ.法人の施設の整備又は運営と密接に関連する業務を行う者(例えば施設を建設する建設会社の者など)が理事総数の3分の1を超えないこと

(ロ)監事
イ.監事のうち1名は財務諸表を監査しうる者(公認会計士や税理士、会社等の監査役及び経理責任者等)、1名は社会福祉事業についての学識経験者又は地域の福祉関係者であること
ロ.他の役員と親族等特殊の関係がある者ではないこと
ハ. 法人の施設の整備又は運営と密接に関連する業務を行う者ではないこと
ニ.他の職務を兼任する者ではないこと(理事、評議員、職員はNG)

3.評議員及び評議員会の設置

原則として、理事定員の2倍を超える評議員からなる評議員会を設置しなければなりません。評議員会とは、法人運営上の諮問機関です。重要事項を決定する際は、あらかじめ評議員会の意見聴取が必要であり、理事や監事の選任も評議員会において行います。

評議員は役員に準じた専任要件を求められ、地域の代表者、および利用者の家族の代表を評議員に加えなければなりません。

4.資産の要件

社会福祉事業という公益性の高い事業を、安定的かつ継続的に経営していくため、財政面における確固たる経営基盤として基本財産を有することが求められます。基本財産の要件は次の通りです。

(1)原則
社会福祉事業を行なうために直接必要な物件が基本財産です。所有権を有していること、又は国もしくは地方公共団体から貸与や使用の許可を受ける必要があります。
全て貸与や使用許可を受けている物件の場合は、別途1,000万円以上の資産(現金や預金など)を基本財産として有していなければなりません。

土地の取得が極めて困難な地域などについては、国または地方公共団体以外の者からの貸与も認められますが、地上権や賃借権を設定して登記することが求められます。

(2)居宅介護事業、地域・共同生活援助事業などを行う法人の場合
一つの都道府県内においてのみ事業を行なう場合、1,000万円以上に相当する資産(現金や預金など)を基本財産とすることが認められます。

5.資金の要件

社会福祉法人は、基本財産以外に下記の資金を現金や預金等で準備しておかなければなりません。

(1)運転資金
主に営む事業に応じて、年間事業費の1/12、2/12、あるいは3/12以上の金額

(2)建設等自己資金
必要金額

(3)法人事務費
必要金額(最低100万円以上)

6.法人設立時の寄付金

法人設立のための寄付は、次の要件を満たす必要があります。

(1)書面による贈与契約がなされていること
(2)寄付者の所得等から、その寄付が確実になされることが証明できること

7.法人設立時の借入金

法人設立時、建設資金として借入を予定している場合、償還計画を立て、返済が無理なく行われるものでなければなりません。

8.定款の作成

社会福祉法人も、定款を作成しなければなりません。「社会福祉法人定款準則」に沿って作成することが求められます。記載事項には「必要的記載事項」と「任意的記載事項」があり、必要的記載事項については、ひとつでも欠けると無効になります。

3)社会福祉法人設立の認可と登記

1.設立認可の申請

社会福祉法人設立の認可は、都道府県知事または指定都市、もしくは中核市の長が行います。また、2つ以上の都道府県で事業を行なう場合は、地方厚生局長又は厚生労働大臣が認可を行うことになります。

2.設立の登記

設立の認可が都道府県知事等からされた場合、認可されたことを証明する書類が送付されます。その書類が到達した日から2週間以内に、管轄法務局に設立登記の申請を行います。

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社会福祉法人とは?設立要件から税金などの基本知識のまとめ その2

4)まとめ

社会福祉法人の設立は要件が難しく、作成する書類量も膨大です。そのため、法人の設立登記が完了するまで長い時間(2年超になることも)を要する場合もあります。

しかし、公益性の高い法人としての知名度、行える社会福祉事業の幅広さ、税制上の優遇措置など、高いハードルを越えるだけのメリットがあることは間違いありません。

社会福祉事業と社会福祉法人制度(厚生労働省)

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目次

  1. 会社の経理を始めるために
  2. 法人の決算に必要なものまとめ
  3. 貸借対照表で会社の資産状況を把握しよう
  4. 損益計算書で会社の利益を把握しよう
  5. 法人のための税申告・納付まとめ
  6. 法人にかかる税金は9種類もある
  7. 税金を滞納したら、どんな罰則がある?
  8. 法人のための節約のコツ
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