確定申告における役員とフリーランスの違い

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所得税を納めるために、確定申告が必要になってくる人がいます。役員と個人事業主(フリーランス)とでは、確定申告に何か違いがあるのでしょうか?

サラリーマンで年収が2,000万円を超える人や、同族会社の役員やその親族で、給与のほかに店舗・工場などの賃貸料などの収入がある人は、必ず確定申告をしないといけません。役員とはどういう人か、どんな確定申告をしないといけないのかなどを、フリーランスの人の確定申告と比較しながら見てみましょう。

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1)役員とは誰を指すのか

役員とは、法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人となっています。一般には、会長や社長、専務、常務、(ヒラの)取締役などと言われる人たちです。

その他に、法人の使用人以外の者で、その法人の経営に従事している人や、同族会社の使用人のうち株式の所有割合などの条件を満たし、会社の経営に従事している人となります。難しく聞こえますが、「会社の経営に従事している」ことがキーワードになります。

なお、法人の役員の報酬は、「売り上げが好調だから」といって随時上げていくことはできません。上げるタイミングや、その多寡によって決算時に損金算入できない割合があります。

2)フリーランスの確定申告

フリーランスの場合、収入と所得に注意を払って確定申告をする必要があります。収入が1,000万円あっても、仕入れ原価や各種経費を差し引くと儲けがほとんど無いような場合(所得金額が38万円以下)は、確定申告をしなくても良くなります。(仮に所得がそんな数字でしたら、事業を続けることさえ難しいでしょうが…)

フリーランスは一般的に「白色申告」と呼ばれる申告方法か、「青色申告」のどちらかを選べるようになっています。帳簿を揃える煩雑さはありますが、青色申告には様々な特典がありますので、青色申告を選ぶ方が節税にはなります。

ここで注意すべきは、収入が物品やサービスの売上金額だった場合です。課税売上が基準期間内(個人事業主の場合2年前)に1,000万円を超えると、消費税の課税事業者になります。所得税と消費税は別枠で考えないといけません。

3)役員の確定申告

役員であっても役員でなくても、給与所得者(サラリーマン)の1年間の給与収入が2,000万円を超えたら確定申告をしないといけません。役員に良くあるケースですが、子会社の役員も兼ねているような場合、給与を2カ所以上から受け取ることになります。その2カ所目の給与と、各種の所得との合計額が20万円を超える場合も確定申告をする必要があります。

「役員とは言え、給与はお小遣程度しか貰っていないよ」という人は、確定申告の必要はありませんが、年間の給与が150万円を超えた役員の源泉徴収票は、その他の法定調書と一緒に税務署に送付されることとなっています。

4)役員とフリーランスの確定申告の違いは?

役員もフリーランスも、経営者であることに変わりはありません。この二者の確定申告においての大きな違いは、役員はサラリーマン的対処で源泉徴収票が存在するのに対して、フリーランスはあくまでも個人事業主として確定申告に対処するところにあります。

同族会社の役員や親族には、店舗や工場の敷地などを貸与している場合も多くありますが、この場合は、賃貸料も収入ですので、もれなく確定申告で計上する必要があります。減価償却費、固定資産税などは経費として計上できます。

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5)まとめ

俗にクロヨン(9:6:4)と言う言葉があります。税務署がどれくらい課税所得を把握できているかの割合です。サラリーマンは9割(ほとんどの人は10割)税務署で把握しています。しかし自営業者は6割、農業従事者は1割しか所得が税務署に把握されていないと言われていて、そんな不公平感の表れです。

ほとんどの役員は一般の社員に比べて給与収入が多く、不動産の賃貸料などの副収入も見込まれるので、確定申告をする必要のある人が増えてきます。それに比べ、自営業者の所得は把握しにくいので、確定申告を待って税務署で数字の突き合わせをしています。

忙しさにかまけて確定申告を怠ると、延滞税や加算税が待っていますので、役員もフリーランスの人も、期日までに確定申告を終わらせることが必須です。

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目次

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  4. 損益計算書で会社の利益を把握しよう
  5. 法人のための税申告・納付まとめ
  6. 法人にかかる税金は9種類もある
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