これから独立する個人事業主が、長期・中期・短期の資金計画を立てる上で重要な3つのポイント

Financial Planning Accounting Investment Estate Concept

ITの発展や組織に属さないフリーランスの活躍により、多くの人が個人事業主として起業しやすい時代となっていますが、一方で、現在の起業後生存率は、3年で62%、5年で49%、10年で34%、15年で21%と言われ、非常に厳しい現実があります。

意気込み勇んで起業したものの事業が継続できない直接の要因は、もちろん資金不足(赤字)ですが、とくに個人事業主では、もともとの資金計画自体があいまいになりがちなケースが多いです。

そこで今回は、とくにこれから独立しようとする個人事業主が、長期・中期・短期の資金計画を立てる上で重要な3つのポイントを紹介します。

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事業投資の期間・金額を明確にする

これから独立しようとする準備段階において、自分の商品を明確にして売り出し、顧客リストを育てて評判を高め、売上を安定化させるまでが、すべて「事業投資の期間」です。

その事業投資の期間をどれくらい短縮できるか、どのくらいの金額に抑えられるかで、必要な資金の規模は決まります。それが製造を含んだ事業なら、設備・原材料費・製造コスト・販売ルートまでを確立するために、相応の期間と資金が必要となります。

近年増えている、カウンセリング、コーチング、コンサルティングなどの個人サービスの起業においても、必要な資格取得から、トレーニング期間を経て、実際にセミナーや個人セッションで集客できるためには、同様に相応の期間と資金が必要です。

成功している多くの起業家を見ると、投資の「金額の少なさ」よりも、投資の「期間の短さ」が重要になっています。

設備にせよ、資格にせよ、投資金額はそれほど圧縮できるものではありません。しかし、投資期間については自分のコミット次第でいくらでも短縮できます。

起業する以前にサラリーマンをされていた方は、時間をこなせば給料がもらえるという習慣が身についてしまっているケースが多くみられ、起業したのに日々無駄な時間を過ごしていることで、資金を浪費してしまうことがあります。

人の3倍スピーディーに働けば、資金も1/3で済む訳ですから、これこそが資金計画の最大のコツと言えます。「時は金なり」の格言を肝に銘じてください。

売上目標を「見える化」「細分化」する

次に、具体的な長期・中期・短期の「事業計画」を立てるにあたってのコツをご紹介します。それぞれの期間としては、国債の満期期限を1つの目安として、短期1年、中期2~5年、長期5~10年とみるのが通常です。

事業計画が重要であることは誰もがわかっていることですが、多くの個人事業主が具体的な事業計画なしに事業を始めてしまっています。

たしかに会計や経理の経験や知識がない場合には、事業計画を考えること自体が難しいことであるかもしれません。そこでお勧めなのは、事業計画のうち最も重要でわかりやすい「売上目標」から落とし込んでいく方法です。

まず、1年目から10年目までの1年ずつの売上目標を定めます。まずは、ご自分の願望ベースでよいですから、1年目500万円、2年目700万円、3年目1,000万円・・・と、数字として「見える化」することが大切です。

次に、その目標を達成するために必要な金額を「細分化」します。たとえば、ある人の事業がA・B・Cと3つあるとして、A事業は総売上の50%、B事業は30%、C事業は20%というように見積もります。

そして、A・B・Cそれぞれの販売単価が異なるはずですので、各々の売上を達成するために必要な年間販売数を販売単価で割ることにより明確にしていきます。そして、それを12分割して1か月の販売数、1週間、そして1日の販売数まで落とし込んでいくのです。

売上が明確になれば、その売上に必要な原価、経費、そして必要な固定費も見積もれるはずです。これだけで、大まかな事業計画ができあがります。

個人事業主といえども、事業主である以上は経営者である意識を持つことが重要です。その意識づけには、「数字化」することが最も有効な手段です。

売上30%減を想定した資金計画を立てる

上記の2つのステップ(事業投資・売上目標からの事業計画)をしっかり押さえたうえで、長期・中期・短期の「資金計画」を立てていきます。あまり難しく考えずに、大きな事業の流れを想定していきます。

ここで大切なことは、もちろん資金不足を起こさせないことですので、起業後から売上が安定するまでの「資金繰り」を計画していきます。

資金繰りをする場合、あまり長期のことを考えても、10年後に事業がどのようになっているか、社会環境がどう変化しているかは実際には想定が難しいですから、長くても3年位の計画で充分です。(3日、3月、3年というように、多くの場合は3年持続できれば何とかなるのです)

起業後3年間を継続できるための資金を想定する際には、年間での収支の揺れ幅を想定します。つまり「売上目標の30%増しと30%減」の2パターンを想定するのです。(さらに用心深く、40%、50%位までの幅で想定できれば安全です)

「30%増」、すなわち売上増大する場合には、それは御の字でしょう。問題は「30%減」になってしまった場合です。売上が30%減になっても、最初の投資金額や固定費(家賃・その他経費)は変わりません。売上が下がった状態での3年分の収支を計算し、合計します。

その合計がマイナスになるようなら、そのマイナス分を補える資金の準備がされていなければ起業するべきではありません。

このように、事業のマイナス幅をよりシビアに想定して準備しておき、そうならないように最善を尽くして、やっと3年継続、5年継続、10年継続が実現するのです。

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まとめ

これから独立しようとする個人事業主の皆さんは、サラリーマン等で固定給がもらえて収入が安定しているうちに、どれだけ準備できるかが重要です。「とりあえず独立して、時間ができてからぼちぼち準備しよう」ではまったく間に合いません。

ぜひ、上記3点を踏まえてしっかりと数字化し、資金計画を立てて、安心した中で最大限のコミットをして、より多くの個人事業主が成功・事業継続されることを願います。

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目次

  1. 個人経営主と法人のメリットを比較
  2. 会社の種類は?4つの形態の違いを比較
  3. 新会社法は会社が守るべきルール
  4. 会社は6万円の費用で設立できる
  5. 最短時間で会社を設立するための流れとは?
  6. 会社設立の際に決めるべき5つのこと
  7. 定款の作り方とは?定款は会社のルール集
  8. 電子定款の作成手順を完全解説
  9. オンラインで電子定款を送信してみよう
  10. 紙で行う定款作成・認証方法まとめ
  11. これで完了、登記の手順
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