従業員の入退社の各種税金と保険の手続きについて

入退社の税金保険の手続き

従業員を雇った時、従業員が退職した時には、社会保険などの手続きが必要になります。

従業員を新たに雇う時、雇い方やその人の状況で社会保険などの手続きは変わってきます。入退社時の手続きについて勉強しましょう。

目次:

  1. 入社時に必要な手続き:所得税について
  2. 入社時に必要な手続き:雇用保険について
  3. 入社時に必要な手続き:社会保険について
  4. 退職時に必要な手続き:所得税・住民税について
  5. 退職時に必要な手続き:雇用保険について
  6. 退職時に必要な手続き:社会保険について
  7. まとめ

1.入社時に必要な手続き:所得税について

入社したら最初の給料の支払い日の前日までに、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出してもらいます。扶養親族の有無を確認するためです。扶養家族の人数や状況によって、所得税や住民税が変わってきます。なお、平成28年1月1日からこの申告書にも、個人番号(マイナンバー)を記入することになっています。

今まで学生であっても、結婚して子供がいる人もいますから、扶養家族についての確認は必ずして下さい。これは、社会保険の手続きでも必要になってきます。

年度の途中で入社する人で前職がある人には、その他に前職での源泉徴収票の提出を求めてください。これは年末調整に間に合えばいいです。

2.入社時に必要な手続き:雇用保険について

労働者を一人でも採用したら、労働保険の適用事業所になります。労働保険は、労働者を雇用する事業主が、保険加入の手続きを行ったうえで保険料を納めることが義務付けられている、強制保険です。

雇用保険に加入できる人は、31日以上引き続き雇用されることが見込まれる人で、1週間の労働時間が20時間以上の人です。これらの条件を満たした人について、雇用保険の手続きを行います。

今までどこかで働いたことのある人には、「雇用保険被保険者証」というものを提示してもらってください。この中に記載されている「雇用保険被保険者番号」は、一生同じ番号を使います。働いたことが無い人は、初めて働いた会社が届け出をして、番号を付与してもらいます。

入社した人の「雇用保険被保険者資格取得届」を作成します。先ほどの「被保険者番号」と、個人番号(マイナンバー)が必要になってきます。この用紙はハローワークのホームページからダウンロードできます。今は、電子申請も利用できますので、登録しておくと、わざわざ出かける必要がなく、手続きも迅速にできますので、便利です。

3.入社時に必要な手続き:社会保険について

社会保険というと、通常厚生年金と健康保険をこう呼びます。昔は厚生年金と健康保険は手続き省庁が一体化していましたので、その名残のようです。

こちらはアルバイトやパートで雇うと、勤務時間が一般社員の4分の3未満でしたら、加入しなくていい社会保険です。扶養の範囲で働きたい人などもいますので、確認しましょう。

平成27年10月から、月額賃金が8.8万円を超えると社会保険に加入しなくてはならない106万円の壁も設けられました。(従業員数が501人以上の企業であるなど、条件がいくつかあります。)

さて、入社した人が社会保険の対象者であった場合は、「被保険者資格取得届」を作成し、日本年金機構の住所地を管轄する事務センターへ郵送します。扶養家族がいる人は、「被扶養者(異動)届」も合わせて提出します。どちらも年金機構のホームページからダウンロードできます。    「被保険者資格取得届」の記入に際しては、年金手帳の番号(基礎年金番号)と、個人番号(マイナンバー)が必要になります。

これらの、税や社会保険の手続きを行う時には、マイナンバーの提出を受けることが必要になります。企業側では、マイナンバーカードの提示を受ける場合に本人確認を行なわなければなりません。
 

4.退職時に必要な手続き:所得税・住民税について

従業員から退職願が提出されてそれを受理したら、退職の手続きを始めましょう。

所得税に関しては、最後の給与支払い後1カ月以内に「源泉徴収票」を作成し、本人に交付します。退職金が発生する場合は、「退職所得の受給に関する申告書」を提出してもらいます。

住民税は、退職の時期により徴収方法が変わります。

  • 退職日が1月1日から4月30日までの間でしたら、一括徴収と言ってその年の5月分までの住民税を最後の給与から一括で徴収し、納付します。
  • 退職日が5月1日から5月31日までの間でしたら、通常の徴収・納付になります。
  • 退職日が6月1日から12月31日までの間でしたら、翌年の5月分までを退職金などから差し引いて納付するか、普通徴収(自分で納付)するかどちらかを選んでもらいます。

5.退職時に必要な手続き:雇用保険について

従業員が退職した時は、ハローワークに「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出し、「雇用保険被保険者離職票」(通称・離職票)を作成、交付してもらいます。

退職する人が一番求めるのが、離職票かも知れません。いわゆる失業保険を申請するのに必要な書類です。事業主は、離職の日以前の働いた日数や支払った賃金の額、離職の理由を明記し作成します。離職票に掛かれた賃金をもとに、失業給付の金額が決まります。

この中で事業主側に求められるのが、退職願になります。退職は本人からの申し出であれば、退職願は不要としている会社もあるかも知れませんが、注意してください。解雇権の乱用などの後々のトラブルを防ぐために、ハローワーク側も神経をとがらせています。期限を限っての雇用でしたら、雇用契約書を必ず取り交わしてください。自己都合の退社は、自筆の退職願を必ず書いてもらいましょう。

6.退職時に必要な手続き:社会保険について

従業員が退職した場合に健康保険及び厚生年金保険の資格がなくなる時は、健康保険証を添付して「被保険者資格喪失届」を、年金機構の事務センターへ郵送します。その他にも、高齢受給者証、健康保険特定疾病療養受給者証、健康保険限度額適用・標準負担額減額証が交付されている人は、添付します。

この時、被保険者でなくなる日(資格喪失日)は、退職の翌日になることに注意してください。

退職した人は今の健康保険は使えなくなりますので、新たに他の健康保険制度に加入する必要があります。方法としては、つぎの3つの選択肢があります。

  • 家族の誰かの健康保険の扶養家族になる。
  • 国民健康保険に加入する。
  • 協会けんぽの「健康保険任意継続」を利用する。

まとめ

入社・退職ともに事務手続きは、煩雑なものがあります。しかし入退社の手続きは、入ってきた人が会社の印象を良いものと捉えるか、そうでないかの一つの要因になります。辞めていく人は、特に色々な事情を抱えて辞めていく場合があります。素早い手続きと、誠意を持った対応を心掛けましょう。

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目次

  1. 給与計算って?意外と複雑な給与の仕組み
  2. 職業規則や給与規定は、給与計算のルール
  3. 入社手続きに必要なものまとめ
  4. 給与明細を見れば給与計算がわかる
  5. 残業代の計算は、◯倍で考えよう
  6. 労働保険は、年度更新が重要
  7. 社会保険の計算と定時改定
  8. 所得税の計算と源泉徴収の仕組み
  9. 住民税は計算が不要?
  10. 年末調整とは?その流れと必要な作業
  11. 源泉徴収票の構成を理解しよう
  12. マイナンバーにはどんな対応が必要?
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