地方都市で起業することのメリット&デメリット

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@人事編集長の安齋です。私は仙台の大学出身です。大学卒業後、東京に数年ほど住んでいましたが、2015年に仙台に戻ってきました。仙台は東北最大の都市であり、人口は約108万人です(2016年現在)。ほどよく都会なので、個人的にとても住みやすいと思っています。

実は仙台は、東日本大震災後、新たな事業所が全体に占める割合を示す「開業率」が政令指定都市の中で1番になりました(参照記事)。実際、私の友人・知人の中にも起業している人がたくさんいます。

仙台に限らず、地方都市で起業する方が増えてきています。そこで今回は、私の住んでいる仙台を例に、地方都市で起業することのメリット・デメリットを自分なりに考えてみました。

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■地方で起業することのメリット

(1)経営者ネットワークがある

仙台の例で言うと、「みんな仲間である」という雰囲気が起業家の中にあります。地元のイベントに参加すれば、皆知った顔ぶれ。仙台・宮城を盛り上げていこうという志を持った人ばかりです。東京にもネットワークがあると思いますが、震災を乗り越えているからでしょうか。結束はかなり堅い気がします。この絆こそが、仙台の強みです。仙台の起業家メンバーには県外出身者も多いのですが、むしろ主要メンバーとして活躍されています。

かつて若手起業家だった人が年を重ね、後進育成に回る…という人もいます。このように、次の世代へしっかりとバトンを渡していくシステムがあるのも、仙台で起業する人には心強いです。

(2)自然がたくさんある

仙台は「杜の都」と言われるように、自然がたくさんある都市です。中心部はビルが立ち並んでいますが、通りには木々が多く、緑があふれています。公園もたくさんあるので、昼休みに公園に行くと、ビジネスマンやOLさんが集まっているのを見かけます。

また車でちょっと中心部を離れると、すぐに自然が広がってきます。海も近いので、仕事に煮詰まっても手軽に気分転換が可能です。海や森をぼーっと眺めていると、不思議とやる気が湧き出てきますよ。

(3)起業支援をしてくれる団体がある

仙台には起業支援をしてくれる団体がたくさんあります。例えば、一般社団法人「MAKOTO」は、起業家に対してハンズオン支援を行っています。現状分析から成長戦略支援まで手堅く支援を受けることができるのです。東京にも起業家支援の団体がありますが、MAKOTOのメンバーは「復興支援」に全力で取り組んでいるので、復興支援を目的とした起業をしたいという方に特におすすめします。

MAKOTOはコワーキングスペース事業も展開しています。私もこのコワーキングスペースのバーベキューイベントに一度参加したことがあるのですが、会場には地域の起業家がたくさん集まっていました。(1)にも通じるところがありますが、横のつながりと縦のつながりがしっかりと構築されているので、意見交換したり協業したりできそうです。

一般社団法人 MAKOTO(マコト) ~復興に向け被災地のベンチャー・中小企業を支援~

(4)固定費が安い

仙台はオフィス賃料、人件費が安く、固定費を抑えられます。ある経営者に聞いたところ、仙台の坪単価5500円に対し、東京の坪単価は22000円と、仙台と東京の坪単価の差はなんと4倍。これほど仙台の賃料は安いのです。人件費も同様に安いと言っていました(感覚値で申し訳ありませんが、1人あたり月収で5万円~10万円程度違うようです)。

今やネットを使えば、日本全国どこでもビジネスができる時代。地方都市で固定費を安く抑えつつ、首都圏の顧客と仕事をするというのもアリだと思います。

■デメリット

(1)都内のイベントに参加しづらい

首都圏に住まれたことのある方ならわかると思いますが、東京では毎週、たくさんのイベントが開催されています。そこで人脈を広げることができますし、ビジネスチャンスにもつながる可能性もあるでしょう。

しかしながら、地方都市だとイベントの数が相対的に少なくなります。イベントに出てみたら、また同じメンバーだった…ということも多いです。新規開拓をしたい!という場合には、県外に出ていく必要があります。参加したいイベントが東京で開催される場合は、それなりの交通費が掛かることを覚悟したほうが良いでしょう。

(2)トレンドに乗り遅れる

都内で火がついたアプリやサービスが、地方都市に波及するまでには若干のタイムラグがあります。いまでこそFacebookやInstagramが全国で流行っていますが、サービス開始当初は東京のユーザーが多かったです(もちろん地方都市にもアーリーアダプターはいましたが、相対的に東京のユーザーが多かった印象です)。アプリの中には東京でしか利用できないものもあり、ブームに乗り遅れてしまったこともありました。

流行に乗り遅れないようにネットの情報をくまなくチェックしていても、どうしてもリアルな口コミには負けます。私も東京在住の友達とチャットなどで定期的にやりとりしながら、流行に乗り遅れないように努めています。また頻繁に東京に出張して多くの懇親会に参加したり、RSSリーダーに大量にサイトを登録して常にチェックしたりしています。

(3)面白い人材が相対的に少ない

これは語弊があるかもしれませんが、東京には地方に比べて面白い人材がたくさんいました。家を持たずにノマドワーカーとして働きながら仕事をしている人や、シェアハウスをメディア化して編集長として居住していた人など…。東京には面白い人がいて常に飽きることがありませんでした。

もちろん地方都市にも面白い人はたくさんいます。しかし、面白い人ほどなかなかメディアに登場しないため、出会える機会がなかなかありません。地方では人づてに”逸材”を発掘していくことが求められます。

なぜ東京には面白い人が集まるのか。おそらくですが、「東京で一旗上げたい!」と発起して上京する人が多いからではないでしょうか?一発当てたい人が東京に集中するため、相対的に情報感度が高く、柔軟な思考を持った人が集まるのだと思います。

もし仙台をはじめとする地方都市で一発当てるチャンスがあるということをPRできれば、面白い人材が地方にも集まるかもしれません。これは民間と行政が協力して取り組んでいくべき課題だと感じます。

(4)通信環境が安定していない

ビジネスで必須となるWiMAXなどの通信回線。地方都市でももちろん入るのですが、ちょっと郊外に外れると繋がらないなんてことも…。そもそも電源があって回線も安定しているというカフェ自体が仙台中心部に集中しているので、郊外でノマドをするのはなかなか難しいのではないかと思っています。

個人的には、大自然の中でノマドしてみたいと思っています。もし地方都市の郊外でノマドができるおすすめの場所があれば、ぜひ教えてください。

■こういうビジネスこそ地方で起業すべき

地方で多くの起業家に会ってみますと、その地方に密着したビジネスを立ち上げている人ほど成功しているように思います。例えば仙台であれば、地方の学生のインターンシップを支援するビジネス(一般社団法人ワカツク)、農業の六次産業化を支援するビジネス(株式会社ファミリア)など。海の近くで漁業などを手掛けている人もいます。このように、その地方の特色をうまく生かしたビジネスを展開すべきだと思います。

逆にメディア事業など、全国を意識したビジネスを展開するのは難しいです。よほどSNSで影響力がある人であれば良いのですが、そもそも発信力がないと、地方でメディアを作るのは大変だと思います。地方でメディアを立ち上げるのであれば、やはり地域密着型の情報発信をするものになるでしょう。

■競合は少ないけれど…

よく「地方は東京に比べて競合が少ないから起業が成功しやすい」という意見を聞きますが、必ずしもそうとは思いません。そもそも商圏が狭く、参入できない場合もあるのです。

例えば私の知人は仙台在住で講演業をしていますが、ほとんどの売り上げは関東での仕事だと話していました。業種によっては、仙台で完結させるのが難しく、結果として東京などほかの大都市にまで出ていかなければ、ビジネスをやっていくことができないのです。

地方での起業が話題になっている今、「スタートアップは田舎で」と考える人も多いと思いますが、「むしろ東京でチャレンジしたほうが成功しやすい」仕事があることも心に留めておくことをおすすめします。そして、地方都市で起業することを決めたのであれば、その土地の特色・文化をしっかりとリサーチすることが必要です。私の場合は大学時代に仙台に住んでいたため、その土地の特色を掴んでいました。やはり一定期間、その土地に移住して「空気感」を知ることが先決ではないでしょうか?

安齋 慎平
仙台在住。ライフハッカー[日本版]、ギズモード・ジャパン、Facebook navi、LIGブログなど様々な媒体で執筆。最近では内閣府広報「Highlighting JAPAN」にて記事を担当した。好きなことは散歩(街歩き)、テレビ鑑賞など。ビールをこよなく愛する。
@人事」編集長

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目次

  1. 個人経営主と法人のメリットを比較
  2. 会社の種類は?4つの形態の違いを比較
  3. 新会社法は会社が守るべきルール
  4. 会社は6万円の費用で設立できる
  5. 最短時間で会社を設立するための流れとは?
  6. 会社設立の際に決めるべき5つのこと
  7. 定款の作り方とは?定款は会社のルール集
  8. 電子定款の作成手順を完全解説
  9. オンラインで電子定款を送信してみよう
  10. 紙で行う定款作成・認証方法まとめ
  11. これで完了、登記の手順
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