簿記2級を履歴書に書く前に、知っておきたい経理でのキャリアアップとは

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使える資格ランキングで長きに渡り常に上位にランクインする簿記。様々な資格が生まれる資格戦国時代に、その強さは不動といってもいいかもしれません。

筆者自身も学生時代、内定をいただいた会社から内定式までに簿記3級を取得することを課されました。内定に浮かれていた大学生に降りかかる「勘定科目」「売掛金」「決算書」等の専門用語。会計学科でもなかった筆者は、社会とはこんなにチンプンカンプンな用語を使うのかと戦々恐々としたものです。

経理や会計税務と関係ない業務をしている方も、今後のキャリアに経理をやってみようかなとお考えの方も、簿記2級を勉強中の方も、資格とったらどうなのかが気になるところではないでしょうか。

30代女性、そろそろ落ち着かないといけない筆者が、転職活動中コンサルトに言われた一言。
「一般事務では年齢的な部分と給料の面で多少の限界があります。簿記を持っているのではあれば、経理業務等への転職をすると、将来的には給料も高めになり、安定する傾向はありますよ。」と・・・。簿記でそんなに変わるものなのでしょうか。

簿記2級の取得は、勉強期間が三カ月から一年で、合格率はおおよそ30%程度とされています。取得方法は、スクールに行く、独学で目指す等様々ですが、取得する過程はさておき、ここでは取得後のキャリアについてご紹介できればと思います。

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簿記取得後、①非経理畑で役立てるパターンと、②経理畑に入るパターンがあります。①のように、直接経理や財務に関わらなくても、原価率が上がることの意味や、取引先の倒産、固定資産の除却が与える会社の損益への影響を理解して仕事を行うことは、知らないで行うことと大きな差があります。

簿記の知識は会社の収益構造を理解するための一助となり、その点が簿記の社会的評価の高い理由であります。個人的には、財務諸表が理解できることで株等の投資等に役立つことも1つでしょう。こういったことから毎年多くの人が簿記を受験しています。

②のパターンとして、経理部(財務部、会計課等を含む)に入った場合、そこで日々行われている業務は、小口現金の管理、請求書・領収書の発行、取引先の与信、月次仕訳の入力、財務諸表の作成、有価証券報告書の作成、税理士・公認会計士との折衝、原価計算(製造業の場合)、銀行・資金調達に関する折衝、連結決算業務、資産計画の立案等多岐に渡ります。

簿記2級でカバーできる業務は全体の一部分にすぎません。領収書やレシートを見てどの勘定科目かがわかるという程度にすぎないかもしれません。簿記の知識以外に、税務や労務の知識が要求され、また1年にどのようなサイクルで業務が発生し、期限が来るかを常に把握する必要があります。

簿記2級を取得したあなたへ質問です

「源泉徴収」「年末調整」「登記事項証明書」「非課税取引」「標準報酬月額」「支払調書」「会議費」「償却資産」の内容を説明できるでしょうか。

経理部では、2級では出てこない言葉が日々飛び交っていること、簿記=経理ではないことをぜひ頭の片隅に置いておいてください。

経理業務は、月ごと、三カ月ごと、半年ごと、決算で、様々な締め切りがタイトにやってきます。期限は1日でも過ぎるとペナルティーが課されるため、期限は厳守です。決算期前後の数カ月は残業続き、また月初、月末、さまざまな期限によって、はっきりとした繁忙の差が出る業務でもあります。資料がそろわないと待ちぼうけ、来たら期限までとにかく激務ということもしばしば。

経理業務の特徴として、大量のデータを入力したり、常に誤りのない請求書や資料を作成したり、単純かつ反復する作業を正確に、また大量こなす体力・忍耐力が求められます。

会計・税務は保守主義であり、業務は過年度を踏襲するため、創造性や営業力というよりも正確に数字を扱うことが求められます。会計資料に誤りは許されませんが、正確に作ったつもりでも間違いは常にあるもの。例年と異なるところや誤字脱字、計算のエラー等ミスを見つける力も非常に重要です。

キャリアアップの面ではどうでしょうか

簿記の先には、公認会計士や税理士といった難関資格があります。
士業資格を取ることで、独立開業や年収アップが可能になる点では、資格でキャリアアップできる業種の1つです。但し公認会計士、税理士は、そう簡単に取れる資格ではありません。また、独立開業もけして易しいものではありません。

一方で、難関資格を取らなくても、業務が体系化されており、転職の際、「月次仕訳の入力ができる」、「財務諸表の作成ができる」、「有価証券報告書の作成ができる」、「銀行・資金調達に関する折衝ができる」、「連結決算業務ができる」というようにどこまでの会計経理業務ができるかの説明しやすく、具体的な経験が評価されやすい業種です。

全く経理のイメージが沸かない方は、「1000ピースの単色のパズルを渡されて、12時間後に絶対完成させなくてはいけない作業が毎月やってくる」というのを想像してみてください。一概に単純作業が要求されるわけではありませんが、コツコツ、正しく、期限厳守が求められるのが特徴です。適性を判断する際の参考になれば幸いです。

法人であれば決算報告をしない会社はありませんので、すべての会社で経理は必要とされています。経理になったばかりの人も、経理畑10年の人も、今日、明日もコツコツと、正しく、期限通りに、がんばりましょう!

*経営ハッカーでは書き手を募集しています。

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目次

  1. 会社の経理を始めるために
  2. 法人の決算に必要なものまとめ
  3. 貸借対照表で会社の資産状況を把握しよう
  4. 損益計算書で会社の利益を把握しよう
  5. 法人のための税申告・納付まとめ
  6. 法人にかかる税金は9種類もある
  7. 税金を滞納したら、どんな罰則がある?
  8. 法人のための節約のコツ
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