【誰も語らないテレワークの現実】 良いこと尽くしなの?デメリットないの?孤独に苛まれてるんじゃないの?

経営ハッカー編集長の中山です。

ここ数年、ワークライフバランスだとか、自分らしい働き方という考え方をよく見聞きします。いわゆる新しい働き方ってやつですね。で、そのわかりやすい例が「テレワーク」。

テレワークとは勤労形態の一種で、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間の制約を受けない柔軟な働き方のこと。テレコミューティング (Telecommuting)、なんて言い方もするそうですね。

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テレワークを全社的に仕掛けたオジサン(42歳)

個人的にも興味はあるんですけど、ネット上で読む記事って、どうしても育児休暇中のママさんとか、フリーランスな方々の声がほとんどで、正社員男性の言葉に触れる機会がありません。

そしたら、なんと中山の前職の同僚に、まさにそれを実践している人がいました。

>> シックス・アパートらしい新しい働き方「SAWS(サウス)」

全社員は、全ての勤務日において、それぞれのライフスタイルや住んでいる場所、その日の業務内容にあわせて自由な場所で働くことができます。たとえば、小さな子供がいる社員は、通勤の必要がない自宅勤務に切り替えることで、家族のための時間を増やせます。近所のコワーキングスペースに拠点を置きつつ、外出の多い日は最寄りのカフェで働くなど、それぞれが自分に合った働き方を選べるようになります。

要するに、自宅勤務が基本となり、通勤電車から解放されたってことですね。うらやましい。

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ということで、「SAWS」の仕掛け人の1人の作村氏に、連載形式で「テレワークの現実」とか「テレワークの喜びと悲しみ」について、包み隠さずに語ってもらうことにしました。

第1回目の今回は、”ハードボイルド小説風な独白調”で語ってもらいました。

子供をキッカケにした、パパ友との交流

自宅から歩いて3分の居酒屋。店の名前は「はまじ(仮名)」。店主の話では奥さんと自分の名前を最初と最後をくっつけたそうだ。ここなら終電や帰宅時間を気にせず飲める。しかし近所には飲み仲間は居なかった。ここ大船は生まれ育った土地ではない。幼馴染もいない。以前から目をつけていた居酒屋だがこれまで飲みにいくことはなかった。

店にはカウンター席と4人テーブル席が4つ。私達が座ってるテーブル席以外には人は居ない。時計の針は0時を回っている。他の客はいつの間にか帰ったようだ。店にはセイヤ君(仮名)パパとイッキ君(仮名)パパと私の3人と店主だけ。もう終電時間は過ぎているが、店主から「原付きで帰るから気にしないでくれ」と言われている。

店主はお茶を飲みながらのんびりスマホをいじってる。言われたとおり気を使わなくて良さそうだ。セイヤ君パパとイッキ君パパは、私の娘と同じスイミングスクールに子供を通わせるパパ友だ。それぞれ業界は違うけど年齢は近く、何より同い年の子供を持つ親として何かと話が合う。

楽しい飲み会だ。同級生でもなく、仕事付き合いでもない知人との飲み会がこれほど楽しいとは。子育てという同じ楽しみ・悩みを抱えている分を差し引いても期待以上だ。生まれ育った東京から仕事の都合で横浜に移住してきてから20年。初めての地元住民との交流だ。大げさかもしれないけど世界が広がった気分だ。近所付き合いが世界を、視界を広げてくれるとは。グローバリゼーションと声高に叫ばれる現在(いま)おかしな話だ。

パパ友飲み会を企画したのには、理由があった。

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家族以外の誰ともしゃべらず日が暮れる!

勤務先のシックス・アパート株式会社は2016年の夏、思い切った決断をした。フルタイムテレワーク(*ほぼ全従業員を対象とした週5日以上の在宅勤務)の開始だ。はじめにその話を聞いたとき、心が踊った。「大船から赤坂(*現在のオフィスは神保町)までの往復3時間以上の通勤がなくなる。」スマホで 2ch まとめやはてブ、Kindle で読書、nasne から書き出したテレビ番組を PSVita で見たりして、時間を潰していた。そう、潰していた。

通勤のなくなったいま、録画してた映画は自宅のテレビで見る。スマホをいじる時間が大幅に減った。2chまとめやはてブもあまり見なくなった。(ここであることに気がつく。テレワークが普及し、市場全体のスマホ閲覧時間が減ったら、このブログも読まれなくなるのではないか?この問題を考えるのは後回しにする)

そして、保育園の送り迎え。送りたい時間帯に送れる。娘の”寄り道登園”に焦ってイライラしないで済む。家族と連携すれば突然の迎え電話にも対応できる。本当にいいことずくめだと思った。

今考えると、在宅勤務開始時期に、リオ・オリンピックがあったのは幸運だった。「国別対抗戦は自分も参戦してる」ような気にさせる。妻は出勤していて、娘を保育園に送ったあと家には自分ひとり。同僚との連絡は Slack(*チャットツール)、メール、たまの LINE で済む。電話はほとんど使わなかった。それでも孤独感を味わうことはなかった。

2020年東京オリンピックに期待をつなげて、リオ・オリンピックは幕を閉じた。そのとき私の心を占めたのはオリンピックロス(*◯◯ロス:◯◯をなくした喪失感)と会話ロス。家族が寝静まる中、布団に包まれると、家族以外の誰とも会話していないことに気がつく。

「これはちょっとマズイな。いや、だいぶマズイかも」

商談に始まりプレゼンテーション、イベント登壇など話すことも仕事にしてる自分はそう思った。

感じたのは、寂しさではなく不足感

振り返ると、赤坂に勤めていたときの通勤時間は片道1時間40分。帰宅後の風呂や次の日の準備など考えると億劫になり、東京で飲む気にならなかった。いつしか飲み会と呼ばれるものと疎遠になっていたが、家から30分で通えていた前職では、若さに任せた勢いを差し引いても飲み会が好きだった。当時の同僚を自宅に招いては、TVゲームに興じていた。大晦日に集まって、桃鉄をやりながら新年を迎えたこともあった。

話をひっくり返すように聞こえるかもしれないが、生まれてのこの方「孤独感」を味わったことがほぼない。仲間に恵まれていたのだろうが、生来の鈍感さのせいだと思う。だから在宅勤務が始まっても、寂しさは感じなかった。感じたのは、寂しさじゃなくて「物足りなさ」だ。活力と好奇心の満たす何かがほしい。在宅勤務のお陰で使える時間はある。考えろ、自分。

以下、脳内会議。

「家からメッチャ近い居酒屋で飲み会をやりたい!」

「そうだ、家の近くに居酒屋あるじゃん!ちょっと小洒落たやつ」

「誰と行く?」

「行く人がいない」

「探せばいい、作ればいい」

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妻たちも歓迎してくれた、土曜日開催の地元飲み会

思考の転換だ。在宅勤務で減ったコミュニケーション量は、何も同じ組織、同じ人で取り戻さなくていい。同じ場所でコミュニケーションを取り戻そうとすると、テレワークから遠のいていく。いわゆるヤマアラシのジレンマだ。ヤマアラシは互いの身体を寄せ合って温めようとすると互いの棘が刺さり互いを傷つける。近づくことが仇となる。テレワーカー同士が対面のコミュニケーションを増やそうとするとテレワークの恩恵が減る。お互いのためにならない。

まったく新しいコミュニケーションを作ればいいんだ。テレワークでその時間はある。善は急げ。目当ての店にランチで偵察に行った。店主に聞くと「土曜日もお店は開けてますよ。」「最後のお客さんが帰ったときが閉店の時間です。」「予約しなくてもテーブル席なら空いてると思う。」ふむふむ…条件はバッチリ。もっと話を聞くと、保育園や幼稚園に子供を通わせるパパ達のたまり場にもなっているらしい。似た境遇の大人の男たちが、イナゴのように匂いを嗅ぎつけるのか。

ベビースイミングスクールに一緒に通うセイヤ君パパとイッキ君パパは嬉しそうにして話しに乗っかってくれた。テレワーカーじゃない彼らの忙しい平日を避けて、土曜日開催にした。休日に飲み会を開くのも私の憧れの一つだった。

これで、「土曜日に近所の居酒屋で終電を気にせずに飲む」計画が完成した。この時点で既に満足感でいっぱいだった(おい)。

パパ友飲み会で話したり聞いたりしたことは殆ど覚えてない。ただただ、楽しい。近所でパパ友たちが飲み会を開くのは、奥方達にもウケがいいようだ。酒が入った状態でどこまで役に立つかはわからないけど、「旦那が近くにいる」ということが小さな子供を抱える家庭にとって安心材料なんだろう。

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テレワークが生み出す新しい人間関係

労働安全衛生法の一部を改正する法律により、ストレスチェックと面接指導の実施等を義務づける制度が平成27年12月1日から施行された。(*従業員数50人未満の事業場は、当分の間努力義務。)

ストレスは企業、就業者ともに抱える現代社会の大きな課題だ。ストレスの多くは対人関係から生じるものとされている。だとすると、ストレスを感じる相手との接触時間を劇的に減少する在宅勤務は、ストレス解消の大きな手段になるだろう。しかし、その一方で仲のいい同僚とのランチなどのインフォーマルコミュニケーション(組織の中で自然発生的に生まれる関係性)によって生じる幸福感もなくなる。これは難しい問題で、一挙両得の解決策は私には導け出せない。

私が言えるのは、テレワークによって対人ストレスは減らせる。同時に、疎遠になる同僚との楽しかった時間は、テレワークによって生み出される新しい出会いと付き合いで穴埋めしてはどうだろうということ。私の場合はそれが「パパ友」だったけど、なんでもいいと思う。誰でも、それぞれの「◯◯友」を探せるはずだ。

長時間通勤、そもそもの長時間労働によって疲弊した私達には、新しいコミュニケーションを作り出す余力はない。しかし、テレワークによって長時間労働から開放され、長時間労働から柔軟な時間配分が可能な本当の裁量労働へ転換して私達が疲弊から復活するとき、新たな活力が湧いてくる。私はテレワークに心が踊ったし、時間的な余裕から新たな活力が湧いてきた。

テレワークで作り出した”時間と活力”を使って、あなたなら何をするだろうか?

<次回予告>

次回はテレワークとダイエットの意外な体験『在宅勤務とおやつの「い(胃)とおかしな」関係』をお送りします。

事業開発担当として2011年より、シックス・アパート株式会社に勤務。現在は、経営企画も兼務。東京生まれ。社会人としてのほとんどの時間を横浜/鎌倉で幸せに過ごす。一児の父。好きな言葉は「合理的な非常識」。2016年夏、テレワーカーとして働き始める。自らを実験台にテレワークの様々なアイデアに挑む。
※当連載の内容は個人によるもので、シックス・アパートを代表するものではありません。
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目次

  1. 見積書から領収書まで、6つの〇〇書を徹底解説
  2. 請求書、見積書、納品書、クラウド作成ツール9選
  3. わかりやすい見積書の書き方ガイド
  4. トラブルにならない、契約書作成ポイント
  5. 契約書の印紙税を節約する3つの方法
  6. 請求書の書き方|網羅すべき6つの基本項目
  7. 領収書に添付する収入印紙の金額一覧
  8. 領収書を紛失したときの対処法5選
  9. 領収書が上様でも大丈夫|領収書豆知識30選
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