貧困からの成り上がり! 26歳までフリーターだった男が独立起業を決意した「覚悟」とは?

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こんにちは。
2017年1月20日に「株式会社Huuuu」を立ち上げた徳谷柿次郎と申します。

Webメディアの編集者として仕事をいただいてるんですが、これまでの経歴をざっくり箇条書きで説明すると…

・26歳まで大阪の某某牛丼チェーン店でフリーターとして頑張る
・ライターになるべく、26歳の終わりに意を決して50万円片手に上京
・運良く編集プロダクション「有限会社ノオト」に拾われる
・約2年間、ライター編集者として修行を積む
・29歳のタイミングで「株式会社バーグハンバーグバーグ」へ転職
・ディレクター、広報、編集者の仕事を右往左往して約5年間務める
・どこでも地元メディア「ジモコロ」編集長として全国行脚を始める
・2016年末に退職して、独立→法人登記の覚悟を決める

こんな感じの34歳です。

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改めて振り返ると、遅咲きすぎる社会人生活にビビります。上京生活も約7年が経過して、気づけばそこそこの年齢になってしまいました。これまで働いた2社で培った「編集力」「企画力」「提案力」「広報力」といった能力があってこそ、今回の独立という決断に踏み切れたんだと思います。

DSCF0887※独立してから朝起きるのがツラい…。ナメック星の重力と同じ感覚です。

言い換えると、人生のレールを大きく踏み外していた自分にとって、ビジネスシーンに有効な能力を追い求めていた7年間といえるかもしれません。いや、ホントに退職したてで、独立起業をしたばかり。今しか感じられないことがやまほどある状態です。

詳しくは退職エントリーをご覧ください → 「株式会社バーグハンバーグバーグを退職して独立します

今回のテーマ

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今回の記事で伝えたいのは「なぜ、フリーランスではなく会社を立ち上げようと思ったのか?」です。ライター編集者が独立後、フリーランスとして活動することは珍しくありません。その中から一部の人間が法人化しているイメージです。

アルバイトから経営へ。自分自身、思いもよらぬ選択肢の葛藤と軌跡を現時点でまとめてみようと思います。何かの参考になれば幸いです。

フリーランスではなく、法人の道を選んだ理由

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なぜ、フリーランス(個人事業主)ではなく、株式会社としての法人の道を選んだのか? 何人かの経営者に質問されました。質問の裏側には、同じ世界に足を踏み入れる者への”覚悟の問い”が秘められている…。そんなプレッシャーをじんわり感じたんですが、私が現状で返す言葉は3つです。

クルマ(社用車)が欲しい
一度きりの人生だし、かっこいいかなと思って
覚悟を見せた方が、デカい仕事ができそう

本音半分、照れ隠し半分。正直、まだしっかり言語化ができていないのかもしれません…。

振り返るとこれまでの人生の成功体験において、最も重要だったのは「覚悟」でした。上京をしたときもそうだし、転職のときもそう。常に何かを捨てて、目先で損をしてでも長期的に利を得る。給料が下がろうが、環境が激変しようが、熱量が高い動機があれば素直に従う。

遅咲きの社会人デビューですが、周囲のアドバイスに従いつつ、じっくり判断すれば間違わないことを学んでいました。そもそも同世代で会社を経営している友人が大勢いたことも後押ししています。あとは、これまで東京で積み上げてきた環境の中で「職種にこだわらなければ食いっぱぐれないだろうし、なんとかなるだろう」と妙な自信を持っていたのかもしれません。

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さらに自身のルーツを辿ると、大きなトラウマがあります。小学生高学年の頃に親父がサラリーマンを辞めて自営業へ転身。世はバブル崩壊の煽りを受けて不景気のどん底へ進み始めていたタイミングでした。おぼろげな記憶の中で1〜2年で家庭内収入が激減。それなりの暮らしが崩壊し始めて、メシもまともに食えないような時間が長く続きました。一番酷いときで親父の月収8万円。いわゆる「貧困」です。

その体験が強く残っているため、「手にしている環境がいつ崩れてもおかしくない」と思い込んでる節があります。また、どん底の体験があるのも大きいのでしょう。東京で培った環境がいかに恵まれているのか。社会との接点、地域との接点、コミュニティとの接点。当時と比較すれば、義理人情に厚く利他的に生きて、仁義に背かなければ絶対に失敗しない世界が可視化できています。

だったら法人化の道を選んで、自分と家族、そして他人のために使える稼ぎを得たい。

親父と同じ失敗は繰り返さない。

二度とあの頃には戻りたくない。

掘り起こすとキリがない複雑な感情が、まだまだ奥底に眠っていました。

余談ですが、覚悟を差し出して情報発信をしていると思いもよらぬ出来事が起こります。

2016年末に公開したブログの退職エントリーでライフネット生命・出口治明さんの言葉を引用したら、ライフネット社の人から「ブログでのご紹介ありがとうございます。良かったら出口に会いに来ませんか?」と連絡が! 普段はアウトドア系のラフな格好ばかりなんですが、この日ばかりはジャケットを着て、緊張な面持ちで会いに行きました。

脳に刺激を与えるには「飯、風呂、寝る」という生活から、「人、本、旅」という暮らしに移行する必要があります。つまり、たくさんの人に会い、本を読んで、いろいろなところに行って刺激を受ける。そうしなければ生産性は上がりません。これが働き方改革の基本です。

ビジネスパーソンの仕事に、特別な才能は必要ない。必要なのは、好奇心と謙虚な気持ちです。言い換えれば、誰もが伸びる可能性を持っています。「知ることは楽しいことだ」と思える人は、さらに伸びると思います。自分は賢い、何でも知っていると思ったら、学ばなくなります。

※「日経ビジネス アソシエ(2017年1月号)」より引用

この「人、本、旅」という考え方こそ、30歳以降の価値観を大きく変えた要因です。そして出口さんの言葉は、遅咲きの社会人デビューという「常に足りない状態」でキャリアを重ねてきた私にとって勇気を与えてくれるものでした。

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独立後の戸惑いと楽しさ

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独立直後は朝の満員電車に揺られず、自宅でダラダラと働くスタイルに喜びがあったんですが…。一ヶ月も経てば不規則な生活のループに陥り、「このままではやばい」と思い始めました。幸い取材や打ち合わせが多い仕事のため、人と会う総量はこれまでと変わらず。最初の戸惑いは「オフィス環境」がないことの不便さでした。

・自分のデスクがないため、資料や名刺などで部屋が散らかる
・背もたれのない机でPC作業をするから腰が痛くなる
・プリンターがないから印刷の度にコンビニへ走る
・打ち合わせ場所が基本「先方」になるため、移動ばかりで疲れる
・ノマドワーカーはとにかくツラい

などなど、それまで思い描いていた理想のワークスタイルとは別世界…。思い描いていたのは、午前中はスポーツジムに通って汗を流し、午後はお気に入りのコーヒーを淹れながら原稿を書く。晩御飯は自宅作業の環境を生かして、自炊で栄養面に気をつけた食事……。

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現実は昼まで寝てしまって、メシも食べずに打ち合わせや取材へ移動。隙間でジャンクフードを腹に流し込み、騒がしいカフェやタバコ臭い喫茶店の中で作業に追われる。独立後は「何か仕事に繋がるかもしれない…」と思って、これまで以上の週5ペースで飲み会。終電で家に帰ったらシャワーを浴びて、深夜3時過ぎまで残った仕事に手をつける…。

前よりも確実に生活荒れてるわー!

とは言いつつも、自己責任の範疇でゼロから仕事を作り、時間に追われる中での作業は不思議と精神的に苦ではありません。

慣れない環境の中での法人登記の準備。新規仕事の立ち上げにかかる時間。独立ボーナスの連絡や飲みのお誘い。連続する地方出張仕事やイベント登壇などなど…オン/オフの切り替えをする暇がないような怒涛の時間が過ぎていきました。

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また、自己責任の世界だからこそ、空いた時間があれば本屋をブラブラしたり、服や雑貨などの買い物をしたり、空いている時間帯の映画を観たりなど、会社員時代の軸とは少しズレた時間を堪能することも余裕でできます。時間があればですが。まぁ、それでも、前述の荒んだ世界と天秤にかけたら、現状ではまだ損している実感は否定できません。もうちょっと仕事と環境が落ち着けば、また見える世界が変わってくると信じたいです。

仲間を選ぶきっかけは「ドラマ性」

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退職エントリーの効果なのかなんなのか。ありがたいことに独立直後から仕事の相談がいくつか舞い込んできました。編集者といってもWebメディアの仕事中心にやってきたため、必然的にコンテンツ制作の話が多数を占めます。同時に「このままだとあっという間に人手不足に陥る!」と危機感を抱き、巻き込む仲間を見つけることも怠りませんでした。

とある案件でアウトドア系の記事制作の話が浮上。登山やキャンプは好きな方だけど、専門的な知識がありません。そこで過去に一度取材したことのあるアウトドア雑誌編集者の名前(友光さん)を打ち合わせの場で口にしました。

「彼がいれば、良い記事が作れるかもしれません」

ただし、半年前に一度会って話しただけ。会社間の壁もあります。現実的ではなかったものの、脳裏に浮かんだ顔がやけに引っかかっていて…。

打ち合わせから二時間後。奇跡が起きます。

場所を移してカフェでパソコンを開いたら、さっき名前を口にした当事者から「退職のご挨拶」という件名のメールが届いているではありませんか!

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こ、これはー!なんという僥倖(ぎょうこう)!!

速攻で電話をかけて「さっき友光さんの名前を出したばかりで驚きました」「次の仕事は決まってるんですか?」「一緒に働きましょうよ!」と、一方的な想いを伝えました。漠然と巻き込む自信があったので、語気と口調がやや強かったかもしれません。こうやって仲間を口説いていくんだなと、どこかロールプレイングゲームにも似た感覚に陥り、ワクワクしていた自分を客観視していたような…。

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翌日、下北沢のミスドで顔を合わせて再び説得。

そもそも、私が登壇するトークイベントに参加予定だったらしく、どちらにせよ再会フラグは立っていたんです。彼からしてみたら、一緒に働くことになるなんて1ミリも想像できていなかったでしょう。押し引きのある説得の言葉を投げかけるたびに、武者震いとも取れる紅潮した表情をしていたのが印象的でした。
その2日後。

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大寒波が襲う兵庫県多可町3泊4日の取材に、彼は同行していました。フットワーク軽すぎじゃないですか? この日以降、彼の決意は固まり、彼の奥さんからも「柿次郎さんだったらいいんじゃない」と謎の信頼を勝ち得て、一緒に行動しています。謎のスピード感。ありがてぇ。ありがてぇ。

結局のところ人間1人でやれる仕事は限られている。いかに人を巻き込み、仲間を選んでいくのか。会社経営の難しさでもあり、醍醐味でもあるんだと気づきました。仲間探しめっちゃ楽しい!

一方で彼の人生、そして家族を巻き込む決断には責任が伴います。もし会社がうまくいかなければ…売上が立たなければ…。ひよっこ経営者としての葛藤が生まれましたが、それ以上にこの責任をエネルギーにして行動できる心地よさは初めてです。だって彼の人生を狂わせてしまった以上、経営者として、男として何とかするっきゃない!!

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岡山県出身の彼のために「友光だんご」というライターネームを考えて、今後は編集ユニット「柿次郎とだんご」としても活動予定です。よろしくお願いします。

恩師に気付かされた会社名への想い

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少し時間を巻き戻した2016年12月。独立するにあたって、恩師である前述の有限会社ノオト代表・宮脇淳さんの元を訪ねました。編集者歴20年、経営者歴12年と聞きたいことばかり。足を向けて寝れない人1位でもあります。

実は元々社名を「株式会社 柿次郎商店」で登記しようと考えていました。とりあえず1人会社だし、地道に個人商店のような気軽さでコツコツやっていけばいいかな?という安易な気持ちで。いかんせん退職と独立の作業が重なり、じっくり時間をかけて考えられていなかったのもあります。要はサボっていたんです。

「法人用の判子セットも購入したし、明日法人登記の申し込みをするだけだ!」

そんな矢先、宮脇さんと今後について話していたところ…。

「株式会社 柿次郎商店? うーん…」
「あれ、ダメですかね?」
「ダメじゃないけど、法人名は自分だけのものじゃないからな」
「たしかに」
「もっとしっかり考えた方がいい。社名が会社を作るといっても過言じゃない」
「そういうもんですか…」
「あれだな、風。風って漢字がかっこいい」
「風ー!?」

といったやりとりがありました。まさかの登記前日。宮脇さんのマジな返答に「うーん…」と悩んでいたら、パッと思いついた単語がありました。過去にプロジェクト名として考えていた「Huuuu(フー)」です。

フー…フー…風(ふう)だ…!!

この脳天直撃セガサターンな閃きと感動はきっと誰にも伝わらないでしょう。めっちゃ頭悪い字面だし。

元々の「Huuuu」に込めた想いは、私が人生のテーマに掲げているヒップホップの文化「フックアップ(=社会的な環境をもった人間が、才能のある若者を適切な環境に引っ張りあげる行為)」の『H』、そして4つの『u』にはuser、unity、unique、unkoといった多様性のある意味を持たせられるようにしました。

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そこに地方創生を含めたローカル領域で語られる「土の人、風の人」という考え方である「風」の意味も…! こんなに腑に落ちる名前はないため、その場で即決。判子も作り直して、登記をお願いしていた税理士さんに謝罪しつつ、ギリギリで法人登記が終わりました。そもそも法人登記の流れは複雑で。

友だちに紹介してもらった信頼できる税理士さんと連携しても、個人の印鑑証明、法人用判子セットの注文、登記用書類の準備などなど、霧に包まれた森を歩き続ける感覚に近い。その手の作業が苦手なことを差し引いても、明らかに事前知識と準備期間が短かったことは否めません。二度とやりたくない…!

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退職→独立から法人登記まで持ち込むのは、孤独な作業です。人生の選択に他人が干渉しづらい側面もありますし、最後は自分自身で決断する。「会社を作って経営者になると、他人から指摘、アドバイスを受けることが一気に減るんだよ。その人が全責任を背負っているからこそ、言いづらくなるんだろうな」という宮脇さんの言葉が忘れられません。

人生の節目でお世話になった人へ挨拶をするーーこの行為にどこか通過儀礼的な感覚を持っていたんですが、「自分で会社をやります!」という覚悟のタイミングでは意味合いが全然違っていました。最初だからこそ、アドバイスをしやすい/受け入れやすい。宮脇さんに挨拶をすることで、心底納得できる会社名にすることができたのは今後10年に影響を与えると思います。ボタンひとつの掛け違いで会社が変わる怖さ。瞬間の判断力と経営者の孤独さをほんの少し垣間見た気がします。

いいか、柿次郎。会社経営はリキだぞ。リキ出して頑張らんかい!

宮脇さんのアドバイスは、人生の節目に超刺さります。

まとめ

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長々と独立後約1カ月半の心境、出来事について語らせていただきました。毎日のように変化があり、3日ごとに価値観が変わる。今一番強く感じていることは、これまでの人付き合いの延長に現在があること。仕事の依頼がくること。丁寧に積み上げてきた人間関係がダイレクトに返ってくるんだなぁ…と驚きと喜びを噛みしめるばかりです。

また、これまで普通に飲んだり、遊んだりしていた先輩経営者の言葉がガラっと切り変わったのも印象的で。「お前も同じ世界、同じ土俵に上がってきたんだな」という、覚悟にも似た気持ちの入ったアドバイスをもらうことが増えました。例えるなら、親の小言も子どもができた途端身に沁みるような感覚。前職の社長にも、退職間際にこんなセリフを言われました。

「今の俺の気持ちも、数年後にわかるはずだ」

人を雇用することの怖さ、難しさはもちろん、キャッシュフローの概念とか。入金、出金のタイミングに意識が強くなり、案件毎の報酬設定や見積もり金額にも重みを感じるようになりました。

また、自己責任で仕事を選択することによって「家族を守っていかないといけない」という感情がより強くなったように思います。もちろん、これまで長々と触れてきた感情は、この独立直後のもの。恐ろしいスピードで気持ちの変化があり、想像していないような壁にぶちあたるはずです。ただ、現時点では未来を考えることの喜びと興奮に満ちています。

この気持ちをどれだけ持続できるのかが大事なんだろうなと。

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最後に。

決して楽ではない独立という選択肢。激動の日本において働き方がどんどん変わってくるタイミングだからこそ、日々の経営を楽しみながら、より充実感のある人生を自らの手足で切り拓いていく。3ヶ月後、半年後、そして1年後が楽しみで仕方がありません。

そういえば、この記事を書いてる間に、会社設立freeeから申し込んだジャパンネットバンクの法人口座の審査が通りました! 苦戦したけど、これで社用車に一歩近づいた!!

写真:小林直博(鶴と亀)

おじさん界代表。ジモコロ編集長として全国47都道府県を取材したり、ローカル領域で編集してます。趣味→ヒップホップ / 温泉 / カレー / コーヒー / 民俗学 / Twitter:@kakijiro / Facebook:kakijiro916 個人ブログ:「柿次郎ブログ

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