「試作は1000回やりました」 人気の汁なし担々麺専門店が創業するまでの壮絶な道のり

オープン前の試食会を繰り返していたころは、1週間で5時間しか寝なかったですね…

下町の雰囲気と、おしゃれなカフェやショップなどの新しい空気感が混在し、にわかに人気を集めている台東区 蔵前。そんな蔵前に汁なし担々麺の専門店を構えるのが「タンタンタイガー」です。

代表取締役であり、「担々麺伝道師」であるタンタンタイガー東山さんに、飲食店の開業・起業の準備やコツ、体験談をうかがいました。

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――― タンタンタイガーはどういうお店なのでしょう?

汁なし担々麺の専門店です。

飲食店では、個人事業主として始める人も多いと思いますが、最初から会社をつくって運営しています。今後は、飲食分野でもっと事業を拡大していくことも考えています。

――― どうしてタンタンタイガーを始めようと思ったのですか?

もともと、飲食店をやりたいという気持ちを持ちながら、東京の出版社でサラリーマンをしていました。

具体的に飲食店の設立を始めようと思ったきっかけは、友人とSNSで会話していて、「それだったら、すぐに飲食店をやればいいんじゃない?」と持ちかけられたことですね。そのままSNS上で、すぐに出資者まで集まって、実際にスタートしようという話になりました。

―――  もともと、汁なし担々麺のお店にしようと思っていたのですか?

いえ、初めは株主がアイデアを出してくれた「地獄」がコンセプトの、「東京一辛い油そば」を提供する予定でした。

じつは、開業を決めたとき、まず友人向けに試食会をしたのですが、最初に作った料理は株主が怒り出すレベルで美味しくなくて…。「もっとしっかりとやらないと、店舗を出すのは難しい」と友人からも言われてしまいました。

――― 「地獄」ですか…。そのあと、どうやって今の味に辿りついたんですか?

とにかく試作と試食会を繰り返しました。

試作は絶対毎日やらないダメだと言われて、最終的に試作品の数は1,000以上作りましたね。

商品開発がうまくいかず、設立をためらったこともありました。ただ、マーケティングや戦略を踏まえて自分のやりたい方向を考え直して、「東京一辛い油そば」から「汁なし担々麺」に変えることに決めて吹っ切れましたね。人に決められたコンセプトから自分のアイデアに変えたことで、一気に責任感も生まれた気がします。

最初は友人だけに向けて試食会をやってたのですが、商品の方向性が固まっていくなかで、友人以外の方向けに試食会を始めることになりました。

ただの試食会ではなくて、「美味しかったら前売りチケットを買ってもらう」という形式にして、50人以上に売れたら東京に出店。無理だったら思い出づくりとして沖縄でお店を開く、という謎の厳しいルールを課してしまって、当時は1週間で5時間しか寝ずに没頭するぐらい必死でしたね。

――― すごいルールですね…。それで出店が決まったのですか?

実は、外部向けの試食会も、最初の反応はそれほど良くはなかったんですよね。

このころは、自分でも何が美味しいのかわからなくなるほど試作を繰り返していたので、試食会でのフィードバックを受けて味の調整を重ねました。

とにかく試行錯誤を繰り返して、最終的に3ヶ月で40回の試食会を終え、2016年の1月には74枚のチケットを売ることができ、出店にこぎつけました。

本当に本当に辛かったですが、飲食店を開きたいのであれば、試食会は絶対にやった方がいいと思います。

最終的にたどり着いた汁なし担々麺

―――  会社を設立する際に不安だったことや大変だったことは何ですか?

お客さんがどれだけ来るのかが分からないのは不安でしたね。

あとは、完全に独学だったので、お店が成り立つのかも不安でした。今後繁盛した時にどう人を雇用していくのかなど、人材面も分からないことだらけでした。

大変だったことといえば、設立書類の作成ですね。非常に特殊な書類が必要だったので、その作成は大変でしたね。

最初から優先株を設定するような珍しい内容の定款とか、創業時株主間契約書を作りたくて、設立本にも事例がないような非常に特殊な書類を一から作ったのは苦労しました。

特殊な要項だったのですが、会社設立freeeで出力した定款をコピーして、特殊なところだけ書き換えて作れました。

そのほかの大量の必要書類は、会社設立freeeで出力して、freeeのガイド通りに提出すれば手続きが済みましたね。簡単すぎて合っているのか不安になるほどでしたが、全く問題なく設立できました。

―――  飲食店では、店舗探しや設備など、特有の準備もありますよね。

店舗探しは、いわゆる普通の「不動産屋さん」ではそもそも取り合ってもらえないことが多く、非常に難航しました。出資した友人と、「7月までに物件が決まらなかったら、物件の費用をキャデラックの購入に当てて、今後の移動は全部キャデラックにする」という謎のルールを交わしていたので、店舗選びは非常に焦りました(笑)。

最終的には飲食店.comというサービスで店舗を見つけることができました。物件の数が多いですし、更新頻度や使い勝手も良くて、おすすめですよ。

あとは、券売機や什器などは、色々な中古什器を取扱っているテンポスや、知り合いの内装屋さんを見つけて、できるだけ費用を安くオープンできるように心がけました。

―――  「キャデラック」ですか(笑)なかなかハードな立ち上げ期を経験されていると思いますが、どうしてそれらの困難を乗り越えられたのでしょうか?

株主の存在がかなり大きかったです。株主とはいえども、友人の集まりですし、何人かは高校時代からの友達で一緒に住んでいるメンバーだったんです。

オープンの準備が一番つらいときに、友人は「飲食店の開業は辞めてもいいし、もし、開業の準備を続けるとしても、友人でいることを優先してほしい」と言ってくれました。この一言が非常に嬉しかったですし、頑張ろうという気持ちになれました。

―――  素敵なご友人ですね。その他に、設立後の日々の業務で工夫されていることはありますか?

回転率を上げるための工夫はたくさんあります。

汁なし担々麺の専門店にしたのも、メニューを一本化することで効率を上げる意味がありますし、ラーメンとは違ってスープを炊く手間なども少なくて済みます。また、キッチン内の移動を少なくするために、冷蔵庫や食洗機の配置にもこだわっています。

あと、券売機はアナログなイメージはあるのですが、レジ時間の削減もできスタッフ1人以上の働きをしてくれているので重宝しています。カウンターにすることで、配膳の時間を短縮するなど、効率にはこだわっていますね。

照明も工夫されていて、担々麺をカウンターに置くとより一層美味しく見える

お金の管理に関しては、お客様とのやりとり以外で現金での取引を一切しないことにしています。全部クレジットカードと振り込みで処理することで、freeeに連携してお金の管理はかなり効率化できていると思います。

また、味を保つためのこだわりもあります。スープの温度をコントロールするために、ガスコンロではなく保温能力の高いIHのクッキングヒーターを使うなど、改善したいことは尽きませんね。

―――  すごいこだわりですね..。そこまで効率化していてもまだ改善したいんですか?

まだまだやりたいことはあります。

メニューの提供をする動線と製氷機の動線が被ってしまっているので、製氷機の位置を変えたいですし、お客さんが増えているので、仕込みの量を増やして回数を減らすために冷蔵庫を大きいものに変えたいとも思っています。

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―――  最後に、飲食店を将来立ち上げたいという人に、もし自分がアドバイスするとしたら、どんなことを伝えますか?

やはり、一つ目は商品の試作を繰り返し行うことですね。

私の場合は、エクセルでどういうメニューを作ったのかまとめて情報を蓄積していきました。試作するときにも、要素を一つづつ変えてみて、実験のように結果を検証することが重要です。

あと、「美味しい」という言葉で満足してはいけないと考えています。作り手として、「なぜ美味しいのか」ということを考えて突き詰めていくべきです。試作してもどこがどういいのかを探れなければ、改善できません。

開店準備は、まずは要件を整理してタスクを明確にすること。その上で、スケジュールを立てて、それを明文化してやり遂げるシステムを作ったほうがいいと思っています。「やりたいな」という程度では理想ばかり考えて気持ちは良いのですが、具体的に動き出さないと始まらないので。

経理などのバックオフィス業務に関しては、一度オープンより前に実際にやってみたほうがいいですね。私は、店舗をオープンする前に、資材や仕入れの取引を入力してみて、会計処理を一通り体験しておきました。

開業後は本業が忙しくて、他のことを学ぶ余裕すらないですから、事前に使っておいて良かったですね。

ユニークな体験や苦労をにこやか語る東山さん

―――  多くの人を虜にする一皿の裏には、想像以上の思考と努力があったのですね。本日はありがとうございました!

東山さんが実際にfreeeを使って行っている業務について知りたい方はこちら:「シンプルで使いやすい」からfreeeを利用しています」

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