サラリーマン時代は苦手だった会社の飲み会が、独立後はうらやましく思える ~映像ディレクター川口善己さん~

 

TVや映像の仕事は、外から見ると華があってさぞかし楽しそうに見えるモノです。が、実際の現場がどうかは中の人にかわかりません。

テレビ制作会社でADとして社会人生活をスタートし、今はフリーランスの映像ディレクターである川口善己さん(34歳)に映像ディレクターのお仕事について、そしてフリーランスで働くことについてお話を伺いました。

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― そもそも、映像ディレクターってどんなお仕事ですか?

番組の制作と演出を担うのが、映像ディレクターの仕事です。映像作品を制作するとき、現場で指揮を執る人ですね。映像関連の制作会社やテレビ局に所属するディレクターもいれば、僕のようなフリーランスもいます。プロデューサーが決めたコンセプトをカメラマン、映像編集者に伝えることもするし、演技指導的なこともします。

 

― プロデューサーとディレクターって分かりにくい用語ですね……どっちもカタカナですし

サッカーにたとえると、「ゼネラルマネジャー(GM)」がプロデューサーで、「監督」がディレクターです。なので上下関係でいうとプロデューサーが上。ディレクターは基本的に現場に出て仕事をします。ロケハン、取材、台本執筆、交渉など、もろもろですね。ちなみに、「選手」が出演者やカメラマン、ナレーターさんらですね。

 

※パソコン2台を使って仕事

 

― 撮影した映像の編集は誰の仕事になるんですか?

ケースバイケースですが、最近は自分で編集することが多いです。編集マンという編集専門の人とディレクターが並んでPCの前に座って、「あーしよう、こーしよう」と話しながら作業するのが昔ながらのスタイルなんですが、最近は編集マンに頼む予算が無かったり、またイメージが固まっている場合は自分でやった方が早いこともあります。

 

― 映像ディレクターとして独立するために、どうやってスキルと知識を身につけました?

もともとテレビの制作会社でADとして社会人スタートして、そこで鍛えられましたね。ドキュメンタリーとか教養系番組、情報番組等が専門領域で、ドラマとかバラエティはほぼ関わりがないです。いまはテレビ番組をメインにしつつ、ウェブCMとかブランドのイメージムービーもつくっているんですが、やはり会社員時代に基本スキルを身に付けたからできているかなと思います。CM系の映像だと、自主映画の監督さんとかが手掛けているケースもあるみたいですけどね。

 

※ハンガリーでワインの取材。(左から2人目が川口さん)

 

― テレビの仕事をするなら、テレビ業界で働いた経験がないと難しいものですか?

基本的にはそうだと思います。ただ単にキレイな画を撮るだけならセンスとか撮影技術でできるんですけど、決まった尺の中で完結させて着地するストーリー構成を組むとか、台本を書くにはテレビ業界の経験は必要でしょうね。

あと、ドキュメンタリー系の撮影では、「交渉力、コミュニケーション力、度胸、アドリブスキル」といった、撮影とは別の能力も求められます。AD時代にこのへんの力も鍛えられたので、独立するときも不安はなかったです(笑)。

 

― ドキュメンタリーを撮るプロの交渉力とか誰にも臆せず向かっていく度胸って、傍から見てて凄いって思います

でも、性格はそんな社交的ではなくて、どっちかというと物静か。一人で過ごすことが苦にならないタイプです。不特定多数の人が集うパーティに積極的に出かけたがるキャラではありませんね。もちろん、お仕事で人と会うときは、己の持てるマックスの社交性を発揮して接しています(笑)。

 

※(急に思い立ち)休暇でインドへ。シタールを習ってみた

 

― 個人事業主になってよかったことは?

やっぱり「自由」であることを挙げますね。時間と働き方をコントロールできるのがいいです。妻も個人事業主なので、いっしょに旅行もできます。平日オフシーズンに行くと安いですし、空いています。

ひとけの少ない観光地で、「他の人たちが働いているときに、我々は優雅に休めているぞ!これぞフリーランスの醍醐味!バンザイ!」って気分を謳歌します。その代わり、忙しいときはむちゃくちゃ忙しいですが…。

「結婚しててよかったな~」ってのもありますね。すごく忙しいときって、PCの前で朝から晩まで編集しっぱなしってこともあって、食事はコンビニで、誰とも口を利かず、1日が終わることもあります。帰宅すると、妻がいてくれるのが精神的にとても助かります。

フリーランスになる前の勤め人時代からいっしょに住んでいたので、孤独感で苦しむことはなかったですが、独り身だったらどうやって寂しさを癒しただろう…って思いますね。独り身のフリーランスの方って、どうやって孤独を紛らわせているんだろうって逆にお訊きしたい気持ちです…。

 

― 逆に、厳しかった時期はありますか?

半年、仕事がなかったことは一度経験してます。この時期はきつかった。世のすべてのフリーランスが同意してくれるでしょうが、経済的な危機感はサラリーマンよりは確実にありますね。

あと、目黒に住んで目黒で仕事しているので、目黒界隈で一人で食事とか呑みに行くことがあるんですけど、会社員らが居酒屋でわいわい話したり、大人数で盛り上がっているのを見るとちょっとうらやましい。「あー、仲間がいるっていいな」って思います。サラリーマン時代は飲み会が苦手で避けていたくせに、いざ独立したらうらやましいです(笑)。

 

― フリーランスを目指す人にアドバイスをお願いします

サラリーマンやめる半年前に、自宅の近くに仕事場用のワンルームマンションを借りました。フリーランスになってからだと保証人だなんだとうるさく言われて借りにくいので、会社員のうちに借りておこうって判断でして、それは正しかったです。

フリーランスになろうと思っている人には、「部屋を借りるなら会社員のうち!」ってお伝えしたいです。

 

大学卒業後、テレビ番組の制作会社に就職。8年勤務ののち退社しフリーランスの映像ディレクターに。
ドキュメンタリー系や教養番組系のテレビ番組のほか、WebCMや企業のイメージムービーなども制作しています。
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