リモートワークと活発なコミュニケーションを両立させる方法(ITツール・社員の意識・心がけetc…)

「働き方改革」の号令のもと、多様な働き方を模索する動きが広がっています。通勤ラッシュや保育園の待機児童問題、介護離職なども差し迫った重要な課題で、特に東日本大震災以降は、災害時でも事業の存続を可能とするためのBCP(事業継続計画:Business Continuity Plan)策定が意識されました。

こうした様々な社会問題を解決する切り札として注目されているのが、在宅勤務などの「リモートワーク(テレワーク)」です。しかし、「社員同士のコミュニケーションが希薄化するのでは」という懸念の声もあります。今回は、リモートワークを導入するにあたって、コミュニケーションのポイントを見ていきましょう。

無料で会社設立
開業freee

導入企業の8割は満足

総務省が初めてリモートワークの実態を調査した「平成26年通信利用動向調査」によると、2015年初頭時点でリモートワークを導入している国内企業はたった11.5%。導入形態ではモバイルワーク(営業活動などで外出中に作業をする勤務)がもっとも多く、次いで在宅勤務、サテライトオフィス(本来の勤務地とは別の場所にあるオフィス等で作業する勤務)となっています。

導入理由を見てみると、「定型的業務の効率性(生産性)の向上」が51.3%、「勤務者の移動時間の短縮」が 45.0%で多数を占めています。ただ、リモートワークの導入状況を資本金規模別に見ると、資本金50億円以上の企業が50%を超えており、大企業での導入がまずは進んでいるといえそうです。

リモートワーク導入で「非常に効果があった」「ある程度効果があった」と回答した企業は84.2%に達しており、満足度が高いといえます。
(参照:総務省「平成26年通信利用動向調査」

リモートワークを円滑に進めるコミュニケーションのポイント

一方でリモートワークだと、相手の表情や雰囲気が分かりにくいぶん、コミュニケーションにおいて齟齬(そご)が出てしまうことも。以下の3つのポイントを抑えて、円滑で活発なコミュニケーションを心がけましょう。

1.要件や忙しさの度合いによってツールを使い分ける

ビジネスコミュニケーションツールには、Eメールや電話、FAXなどがあります。このほか、最近ではビジネスチャットツール(Slack, Chatwork等)やスカイプのようなビデオ会議(Web会議・テレビ会議)などもあります。

せっかくリモートワークをしているのに、常に電話がかかってきてコミュニケーションに時間を取られるようでは、意味がありません。時には集中して作業したい、忙しくて電話に出られないこともあるでしょう。そうした要件の重要度や忙しさの度合いによって、柔軟に以下のルールを使い分けましょう。

たとえば、議事録的なメモを残したい要件や複数人で話し合いたい場合、急ぎの要件ではない場合、子育て中だったり海外拠点だったりで時間を合わせにくいメンバーとのやりとりなどなら、ビジネスチャットツールが便利です。

ビジネスチャットツールなら、会話のログが残るので議事録を作成する必要がありませんし、Eメールの一斉送信でありがちな「CC漏れ」などもありません。勤務時間が異なるメンバーも、後から都合のいいタイミングで話し合った内容をチェックしたり、返信したりできます。

一方、込み入った内容や急ぎの要件、直接顔を見て話し合ったほうがいい場合などは、ビデオ会議を使いましょう。文章では伝わりにくい内容も、顔を合わせて身振り手振りを加えたほうが伝わることもあります。

2.コミュニケーションのトーンを使い分ける

ビジネスチャットは「お疲れ様です」「お世話になっております」などの定型文がいらない代わりに、「了解」「わかりました」など、簡素なコミュニケーションになってしまうことも。

文字にすると同じ言葉でも、冷たい印象やぶっきらぼうな印象を与えやすいので、たまに顔文字を使う、ちょっとした雑談や相手を気遣う言葉を入れるなどの工夫をするとよいでしょう。

3.あえて雑談もはさむ

リモートワークをしていると、一緒に働く相手の様子が見えにくくなります。特に、ほかのメンバーがオフィスで働いている中で、1人だけリモートワークをしている状況だと、「サボっている」と思われやすいもの。

チャットや通話機能を利用する中で、意識して業務以外の雑談をはさむ、あえて子どもの気配などを感じさせることで、相手も状況を察し、ぐっと距離が縮みます。

リモートワークを導入する中小企業向け助成金も

リモートワークを円滑に進めるには、業務ツールのほかに、業務の成果に応じた報酬制度にするなど、人事制度の見直しも必要になります。厚生労働省では、リモートワークを導入する中小企業を対象に、「職場意識改善助成金(テレワークコース)」を設けています。

この制度はリモートワーク用通信機器の導入・運用のほか、就業規則・労使協定等の作成・変更、社労士によるコンサルティングなども対象になります。リモートワークの導入を検討している企業は、助成金の活用もあわせて検討するとよいでしょう。
(参照:厚生労働省「職場意識改善助成金(テレワークコース)」 )