年末調整の書類でシャチハタを使っても大丈夫?【OKな場合とNGな場合、それぞれを解説】

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会社員の方で取得税を源泉徴収されている場合、1年間の取得金額に対して課税される取得税のうち、払い過ぎた税金分を還元してもらうための清算手続きである「年末調整」の手続きを行います。日本は「ハンコ社会」ですので、この年末調整のための書類にもハンコを押さなくてはなりませんが、このハンコをうっかりシャチハタ印で押してしまった、というケースが多々あるようです。

年末調整ではシャチハタ印でもOKな場合とNGな場合があるので、ハンコの取り扱いに関しては注意しておく必要があります。

年末調整ってどんな手続き?

年末調整とは、1年間で得た収入をもとに計算される取得税を実際に払うべき額よりも多めに払っていた、という場合に、本来払うべき所得税額との差額を返還してもらう手続きです。

年末調整の手続きが行われるのは、主に会社勤めの方です。源泉徴収分によって本来の所得税額より多めに給料から引かれているケースで、会社側が代わりに清算手続きをしてくれるというのが通常です。

年末調整は払い過ぎた税金が戻ってくるという手続きですので、税の徴収を目的とする確定申告とは違い、必ず行わないといけないという手続きではありません。ただ、所得に対して適用されるさまざまな控除(取得控除のうち雑損控除、寄付金控除、医療控除以外の11種類)が得られるので、勤め人にとっては大きなメリットのある手続きです。

完全に個人で起業している方にはあまり関係のない手続きなのですが、例えば会社に勤めながら副業で起業されている方は、確定申告とともに年末調整を行うことがあります。また個人事業主で従業員を雇っている場合で、その給与から取得税(源泉取得税)を天引きしている場合には、経営者として年末調整手続きを税務署に申告しなければなりません。

シャチハタ印ってどんなもの?

さて、年末調整の手続きでは、会社から年末の時期に年末調整表が配られてくるでしょう。 年末調整で会社から求められる書類は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」「保険料控除申告書」「配偶者特別控除申告書」の3つです。では、この書類にシャチハタ印を押してもいいのでしょうか?

そもそもシャチハタ印とはどういったものなのかを、あらためて確認しておきましょう。 シャチハタ印は正式には「インク浸透印」といい、「シャチハタ」というのは実は名古屋にあるハンコメーカーの会社名です。

シャチハタ印はハンコ面がゴムでできていて、中の部分からインクが浸透することで朱肉を使わずにポンポンとハンコを押せるようになっています。浸透印ということはインクの粒子が細かいので、通常の朱肉を使ったハンコと比べると消えやすく、またハンコ面はゴム製でやわらかくて破損しやすいので、ハンコの形が変わりやすいという弱点があります。

さらに最近では、100円ショップでも売られているほど気軽に手に入れやすいので、めずらしい苗字でもない限り、同じようなハンコがたくさん使われている、という特徴があります。

シャチハタ印がNGな書類

このような特徴から、重要な公的文書や契約書のような重要書類にシャチハタ印を使用することは、基本的にNGです。税務署、役所に提出する申告書類、不動産契約書、議事録など、長期間にわたって保存することが必要な重要書類、あるいは本人確認の必要のある書類などについては、必ず「朱肉を使った個人の印鑑を使用する」ことが必要です。

もちろん、印鑑登録にシャチハタ印を登録することもできません。日本は個人の意思表示をハンコで証明する仕組みとなっているので、こうした局面で使用されるハンコでは誰でも使用できる、破損やインクの消失などの可能性のあるシャチハタ印では危険だからです。

年末調整の手続きや確定申告などの書類においても、基本的にシャチハタ印は使用できません。確定申告などで数字などの記載ミスを訂正する「訂正印」として、シャチハタを使用することも認められません。これらの手続きでの書類は、申請する各個人の所得や控除に関連するものなので、印鑑による署名が基本となっているのです。

ただし、会社から必要書類が送られてきた場合には、シャチハタ印が認められるケースもあります。ではそれが具体的にどんなケースかを見ていきましょう。

シャチハタ印でもOKな場合

これまでにも説明してきた通り、年末調整は基本的に会社側が税務署への申告手続きなどを代わりに行ってくれますので、会社経由で必要書類を出す場合にはシャチハタ印でも構わない場合があります。通常では会社側から年末調整表とともに、「給与取得者の扶養控除等(異動)申告書」「保険料控除申告書」「配偶者特別控除申告書」という3種類の書類が送られてきます。

会社が必要書類を税務署に提出するというケースでは、これらの書類は会社内で保管されることになりますので、担当部署が「シャチハタOK」と認めているのであれば、シャチハタ印でも問題はないでしょう。とくに担当部署から何も指示がない場合は、提出書類が社内資料として保管されることがほとんどですから、シャチハタ印を使用しても構いません。

ただし、あくまでも「シャチハタ印でも構わない」ということですので、このようなケースでもできれば正式な印鑑を使用したほうがベターです。個人事業主や住宅ローン控除の申請など、会社を経由せず自分で年末調整書類を税務署に提出するという場合には、必ず印鑑を用意しておかなくてはいけません。

「うっかりシャチハタ印を押してしまった!」ときの訂正方法

もし、シャチハタ印を使用してはいけない書類で、うっかりシャチハタ印を押してしまった場合にはどうすればいいでしょうか?こうした公的書類での訂正では、基本的に訂正箇所に二重線を引き、訂正印を押したうえで修正します。訂正印は公的書類や重要書類に関しては、印鑑登録をした「実印」を使うことが原則です。

しかし、実印を訂正印として頻繁に使用するのは偽造などのリスクがあるので、通常は氏名欄に押印した認印と同じ印鑑を使用します。修正方法はシャチハタ印を誤って押してしまった箇所の上に二重線を引いてから、正式な印鑑を押せばOKです。修正テープや修正液による訂正はNGです。

もし、税務署への書類提出後にミスに気づいた場合には、できるだけすぐに担当者に連絡を取ることが重要です。年末調整の計算前ならば、すぐに訂正して計算し直してくれます。 また、会社から送られてきた書類を訂正する場合でも、基本的に同じ方法で訂正を行いますが、会社が書類を提出した後だと手続きが複雑化してしまうので、できるだけ早く担当部署に訂正を申し出ましょう。対応が後手後手に回ると、税務署から受領拒否されてしまうこともあります。

こうなると再度手続きのやり直し、あるいは税務署に呼び出されて指導を受ける、といったことになりますので、対応は正確に、早く行うのが原則です。

公的書類に押す理想の「ハンコ」はどんなもの?

シャチハタ印は基本的に、宅配物の受領印や社内や町内の回覧書類の確認印などで使うものです。公的書類や重要な権利関係を証明する書類などでは、「印鑑を使用する」ことになります。

この印鑑は、いわゆる「認印」と、印鑑登録を行った「実印」の主に2パターンのものを使うことになりますが、公的書類などで使用する「実印」で使用するようなハンコは、できるだけ材質のいいもの(例えば木、動物の角や牙など)で作られたものの方が望ましいでしょう。値段も高くなりますが、プラスチック製のもの(いわゆる三文判)だと破損の危険性や、同じようなものが大量に出回っていることによるセキュリティー面での問題があります。

また、ハンコ面の文字が誰でも読み取れるようなものだと、これも同じようなハンコが大量に存在している可能性がありますし、フルネームが印字されている場合には個人情報の保護という点でも問題があるでしょう。

自分だけが判別できればいいので、個人で起業する方は「銀行印」と「実印」に関してはしっかりとした材質のものを用意しておくことをおすすめします。あまり安物の銀行印などを使っていると、銀行側からの信用という点でも疑問を持たれてしまうので、経営者としては痛手です。

このように、「公的書類に関わる重要書類には基本的にシャチハタ印はNGである」ということをまず押さえたうえで、年末調整のように会社内で保管されることになっているケースでは例外的にOKになることもある、ということを理解しておきましょう。

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