個人事業主なら知っておきたい!確定申告書の記入ミスを正しく訂正する方法とは?

起業後は、個人事業主として毎年確定申告を行うことになります。確定申告書の提出にあたっては、いざ提出という段階で間違いを発見するということもあるでしょう。確定申告書には多くの数字を記載する必要がありますのでミスをする可能性もあります。

ミスをした場合は訂正を行うことが求められますが、訂正印を押して書き直すのか、それともすべて書き直す必要があるのかなど、どのように訂正したらよいのかわからないという人もいるでしょう。

そこで、確定申告書の作成方法と訂正方法などについてお伝えします。

確定申告書の作成方法

個人が1年間に得た所得については、所得税が課税されます。所得税は原則、自ら計算して確定申告書を作成し納税を行う「申告納税方式」がとられています。そのため、所得があった人は原則として毎年確定申告する必要があり、起業した個人事業者も原則として確定申告をすることになります。通常、会社員は会社が年末調整によって税務処理を完結してくれますので、確定申告は不要となっています。

ただし、会社員でも一定以上の年収の人や会社の給料やボーナス、退職金以外に一定金額以上の所得がある人などは確定申告が義務付けられています。そのほか、株式投資などをしている場合も確定申告をするケースがあります。そのため、基本的には誰でも確定申告をする可能性があるといえるでしょう。

確定申告書の作成方法は3種類あります。

1つは手書きです。確定申告書を手書きで作成する場合は、記入用紙を税務署でもらってきてボールペンなどで記入することになります。

もう1つは国税庁のホームページにある確定申告書作成コーナーを利用する方法です。

3つ目は、パソコンなどで確定申告書のフォーマットを再現して作成する方法です。

また、提出方法も3通りあります。

1つ目は税務署に出向いて提出する方法です。疑問点などをその場で確認できるメリットがありますが、申告書の提出期限近くになると混んで待ち時間が長くなるデメリットがあります。

2つ目は郵送する方法です。控えも郵送して、受付印押印後返送してもらうことがポイントです。

3つ目は電子申告です。当面はマイナンバーカードを読み取るカードリーダーが必要になりますがパソコンですべて完結できる点が魅力です。

確定申告書の記入ミスを訂正する方法

確定申告書の作成中に間違いに気づいた場合は、訂正を行うことになります。確定申告書作成コーナーを利用している人や、フォーマットを再現してパソコンで作成している人は再入力をして印刷しなおせばよいため、申告書提出前の訂正に関してはシンプルな対応で済ませられます。

問題は、手書きで確定申告書を作成している人が書き間違えた場合です。ほんの1箇所でも間違えた場合は書き直した方がよいのではないかと思う人もいるかもしれませんが、確定申告書の記入ミスは間違えた部分を訂正して提出してもまったく問題ないでしょう。訂正に関しては厳格なルールが存在しているというわけではありません。ただし国税庁のホームページでは修正方法に関する例が示されています。

例示されている訂正方法は、間違った部分に二重線を引いて、上下どちらかの空いているスペースに正しい数字を記入し、正しい数字から間違っている数字に向かって矢印を書き、書き加えた数字がどこに当てはまるのかを明示することとなっています。

また、正式な書類の訂正は訂正印が必須と思っている人もいるかもしれませんが、例示では訂正印を押すことまでは求めていません。もちろん、訂正印を押しても問題はありませんが、狭くて小さい部分の訂正箇所への押印は大変ですので、必ずしも訂正印が必要ではないことは知っておくとよいでしょう。訂正印を押す場合は、確定申告書の第1表に押印している印鑑と同じものを使うことをおすすめします。

税務署に嫌われる訂正方法とは?

訂正箇所がある確定申告書はそれほど珍しくありませんので、税務署は見慣れています。訂正印があるからといって、税務調査の対象となる確率が上がるわけでもないでしょう。そのため、訂正することをそれほど怖がる必要はありません。

ただし、確定申告書の訂正方法によっては、税務署に嫌がられることがあります。最悪の場合は書き直しをするように言われる可能性も否定できません。税務署は提出された申告書について、計算内容が正しいかどうかを確認する必要があります。

確定申告書の提出期限には数多くの申告書がいっぺんに提出されますので、提出された段階ですべての計算が正しいかどうかを確認するのは難しいでしょう。しかし、少なくとも提出されたあとでも、内容をチェックできる申告書になっているかどうかは提出を受けるときに確認をしています。そのときに、計算内容が確認できないと判断される申告書は嫌がられたり書き直しを命じられたりすることになります。

具体的には、訂正に訂正を重ね最終的に正しい数字がどれかわからなくなっている申告書や、訂正箇所がにじんで判別できなくなっている申告書などがあげられます。税務署では最終的に人の目で申告書をチェックすることになります。読む人の立場に立って訂正することが大切です。

確定申告書作成コーナーの利用がおすすめ

手書きの確定申告書の訂正方法を理解しておくことは大切ですが、訂正作業が簡単な確定申告書作成方法をマスターすることも考えた方がよいでしょう。

おすすめの方法は、国税庁のホームページ上にある確定申告書作成コーナーを活用する方法です。画面に表示される指示に従って必要事項を入力していくと、簡単に確定申告書を完成させることができるようになっています。

入力すべき内容が多い人は作成に時間がかかり、1回の作業では完結できないことも考えられますが、途中で保存して作業を中断することもできますので心配いりません。当然、所得の合計や税額などの部分は自動計算してくれますので、手書きの場合に発生しやすい計算ミスを回避できます。すべて入力したら提出用と控えの2部を印刷します。入力した内容がきれいに確定申告書のフォーマットに入力された状態で印刷できます。

印刷後は捺印して持参するか、郵送すれば確定申告完了です。申告書の作成が完了した時点でデータを保存することになりますので、提出前に訂正すべき所が見つかったら保存データを呼び出して修正するだけで税額計算まで自動的に修正できます。後は印刷しなおせば訂正作業は完了です。手書きの間違い訂正に苦労した経験がある人は、積極的に確定申告書作成コーナーを活用してみることをおすすめします。

提出後に記入ミスがわかったらどうする?

すでに提出した申告書に間違いがあることを発見した場合は、どうしたらよいのでしょう?提出期限前であれば正しく直して提出したいものです。税務署に行って以前提出した確定申告書を返してもらい、それを訂正して再提出するという方法が考えられますが、実はそんな面倒なことをする必要はありません。

税法上、同じ納税者から2部以上の確定申告書の提出があった場合は、新しく提出された確定申告書を有効とするという規定があります。そのため、すでに提出した申告書に誤りがあったことなどを説明したり、提出した申告書を取り下げたりする必要はなく、新たに正しい申告書を作成して提出するだけで問題ないことになっています。

提出期限内にすでに提出した申告書を訂正する目的で作成する申告を。「訂正申告」といいます。訂正申告をする場合は、正しいものに赤字で訂正する数字を書き足す形で申告書を修正するのが望ましいとされています。

確定申告書作成コーナーを利用していた人は、すでに提出した申告書と同じものを再度印刷し、そこに訂正を追記すると簡単に訂正申告の対応ができます。なお、確定申告期限後に間違いを見つけた場合は、訂正申告とは違った処理が必要となります。税額が多すぎたため還付を請求する場合は減額更正の請求を行います。税額が少なすぎた場合は修正申告を行うことになっています。