2019年05月29日(水)0ブックマーク

CVP分析(損益分岐点分析)とは|概要や計算方法を解説

経営ハッカー編集部
シェア0
ツイート
ブックマーク0
後で読む

企業経営の要とも言える経理の仕事。「原価計算」や「利益率」など、普段馴染みのない方からすると難しい言葉がずらりと並ぶ分野ですが、その中に「CVP分析」という言葉があります。実は経営管理に非常に役立つツールで、財務分析の基礎とも言える考え方ですので、ぜひこの機会に知っておきましょう。

リアルタイムに経営を見える化する業務フロー
スピーディな見える化の壁となる転記・集計・加工を削減。freeeでは経営データを自動で見える化し、タイムリーな経営判断を実現します。

詳しく見る

目次

    1.CVP分析とは

    「CVP分析」とは、「Cost-Volume-Profit Analysis」を略したもので、「コスト(Cost)」「販売量(Volume)」「利益(Profit)」それぞれの頭文字を取った、会計用語の一つです。日本語では「損益分岐点分析」と表現され、管理会計上の分析手法の一つとして使用されています。

    この損益分岐点(CVP)分析を行うには、まず「損益分岐点」(CVP)が何かをしっかりと理解することから始めましょう。早速一つずつ解説していきます。

    CVP分析の理解に必要な「損益分岐点」とは

    企業を経営するにあたり、常に利益を生み続けなければ経営が破綻してしまうのは当然のことです。しかし、実際に販売して得た金額「売上高」と、そこにかかった「費用」が同じ金額となり、損益がプラスマイナス0になる場合も少なからずあります。その状態を「損益分岐点」と呼んでいます。分かりやすく言えば「利益はないけれど、損もしていない」といった、企業にとっては評価し難い状況のことです。

    単純に言ってしまえば、この「損益分岐点」を、売上高が上回れば「利益」となり、逆にそれよりも少なければ「損失」、経営は赤字となります。つまり、損益分岐点の値を算出することで「最低どれだけ売れば利益が出るのか」が分かるということですね。

    簡単な式で表すと「利益=売上高-費用」となります。
    単純に「売り上げた金額」が、「販売する際にかかった費用」よりも多ければ「儲け」、結果的に「費用」の方が嵩んでしまっていた場合は「損」ということです。

    さて、ここに出てきた「費用」という言葉ですが、実は「損益分岐点」を計算するにあたって、まず経営に関係する全ての「費用」を「固定費」と「変動費」いずれかに分類する必要があります。

    「固定費」とは、生産量や販売量の範囲に関わらず、毎月絶対に必要となる一定の経費のことで、人件費や、事務所の賃借料、固定資産税、その他機材のリース代金などがこれにあたります。一方の「変動費」とは、生産量や販売量などの増減に比例して動く経費のことを指しています。

    例えば、生産時の材料費や外注加工費、販売時の仕入れ原価や手数料などです。前述の「費用」とは、この2つを合わせたもの、ということになりますね。

    それらを踏まえて考えると、前述した「利益=売上高-費用」の式は「利益=売上高-(変動費+固定費)」と置き換えることができます。

    CVP分析とは

    「損益分岐点」の値を使って行う「CVP分析」は、企業の売上や必要な費用に関する目標設定を行う上で非常に有効な方法です。特に「固定費」と「変動費」の関係性に着目し、それらがどのように利益に影響を及ぼすのか、ということを分析します。

    基本的には「利益=費用」となる売上高、つまり企業が赤字にならない「最低限の売上高」を見出すことが目的ですが、より利益率を上げるためにはどれだけの費用がかかるのか、また一定の利益を出すためには最低どれだけの売上高が必要なのか、など幅広く応用することができます。

    また、こまめにCVP分析を行うことで、社員一人ひとりの業務に対する意識も向上します。具体的な数値を各自認識しておくことで、売上を上げることや、反対にコストを引き下げることなどをそれぞれが意識するようになり、結果的に企業の成果に繋がるのです。

    2. CVP分析の必要性

    CVP分析は、特に新規事業の立ち上げや、新規商品投入の際に有効であるとされています。他の自社事業が軌道に乗っているからといって、綿密な計画を練ることもなく新規で事業を開始してしまっては、それが原因で元々の事業経営にも影響を及ぼしかねません。

    そんな時はCVP分析を使用して「損益分岐点」を知り、どの単価で最低どれだけの商品を販売すれば利益が出るのか、あるいは赤字にはならないのか、といった目安を立ててから経営の目処を立てる必要があります。

    一方、既存の企業においてもCVP分析は大いに活用されています。CVP分析を行うことによって、企業全体だけでなく各部署、商品別のコスト構造を把握することができ、その企業が抱える問題やリスクを浮き彫りにすることができるのです。

    基本的には月毎に損益分岐点を算出するのが理想的であり、毎月の収支を明らかにすることで、大きな変動なく安定した経営を行うことができます。

    臨機応変に売上・費用など各方面の目標設定を行ない、目標利益を獲得するための具体的な策を練るためにも、CVP分析は必要不可欠であると言えるでしょう。

    3. CVP分析の方法

    利益を算出するための計算式は、簡単に表すと

    「利益=実際に売り上げた金額-商品の原価-販売にかかった費用」

    ですが、ここでは「実際に売り上げた金額」を「売上高」に、「商品の原価」を「変動費」に、「販売にかかった費用」を「固定費」にそれぞれ置き換えて、前述した通り

    「利益=売上高-(変動費+固定費)」

    の式にまとめます。

    「損益分岐点」は利益・損益ともにプラスマイナス0の状態ですから、

    「0=売上高-(変動費+固定費)」つまり「固定費=売上高-変動費」

    となりますね。これは、「毎月必ずかかる費用を賄うためには、どれだけの利益(売上高-変動費)が必要になるのか」ということを表しています。

    この「売上高」から「変動費」を差し引いた利益のことを「限界利益」と言い、直接手元に入る利益のことを指します。つまり、経営が赤字にならないようにするためには、最低でも「固定費=限界利益」となればいいわけです。

    数式としては

    「限界利益=売上高×限界利益率(総売上高の中で、限界利益が占める割合のこと)」

    で算出することができ、置き換えると

    「固定費=売上高×限界利益率」

    という式が成り立つことが分かります。この数式を計算しやすく入れ替えると、

    「損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率」

    となり、これが最も噛み砕いた数式となります。
    これではまだ分かりにくいため、以下に簡単な例を用いて解説します。

     

    ◎150円で販売する商品を30円で仕入れ、それを販売するための店舗を月15万円で借りることにしました。

    • 売上高:150円
    • 変動費:30円
    • 固定費:15万円

    まずここから限界利益率を計算しましょう。
    「限界利益率」は「1-(変動費÷売上高)」で求めることができます。

    • 限界利益率=1-(30÷150)
    • 限界利益率=1-0.2=0.8

    この「限界利益率0.8」を

    「損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率」

    の数式に当てはめます。

    損益分岐点売上高=賃借料15万円÷限界利益率0.8=187,500

    つまり、187,500円が損益分岐点で、毎月それ以上売れば赤字にはならないということが分かりました。この流れを活用すれば、誰でも簡単に損益分岐点を算出することができますね。

    4.CVP分析のまとめ

    CVP分析を用いて損益分岐点を分析することは、今後の企業方針や目標を設定する際に非常に有効と言えます。馴染みのない方にとっては少し複雑な計算式となりますが、一つずつ噛み砕いて考えれば、そこまで難しい仕組みではありません。

    この機会に大まかな流れを理解しておくと、日々の仕事に役立てることができるでしょう。

    シェア0
    ツイート
    ブックマーク0
    後で読む

    この記事の関連キーワード

    ボタンをクリックすると、キーワードをフォローできます。

    関連する事例記事

    • 経営・戦略10月10日経営ハッカー編集部

      中小企業のホールディングス化のメリット・デメリットとは?

      0ブックマーク
    • 経営・戦略09月24日経営ハッカー編集部

      「5W2H」は「Why」から始める。社員に教えたい段取り力の身につけ方

      1ブックマーク
    • 経営・戦略09月23日経営ハッカー編集部

      NPSとは?業績を向上させる顧客ロイヤリティと従業員エンゲージメントの関係は?

      1ブックマーク
    • 経営・戦略09月18日経営ハッカー編集部

      ムーンショットとは?ムーンショット経営でイノベーションを生み出す

      1ブックマーク
    • 経営・戦略09月17日ITmedia

      手間をかけずにすぐできる働き方改革、利用が本格化する「DaaS」の魅力とは

      0ブックマーク
    関連記事一覧