とあるWeb編集者がコミュ障を克服するために意識してきた7つのコト

マーケティングメディア「MarkeZine(マーケジン)」副編集長の市川と申します。何卒よろしくお願いいたします。

Webメディアの編集者というものは、情報収集や取材のために人と会う機会が必然的に多いものです。なのですが、私は人付き合いが得意ではありません。

小学生の頃は通信簿の備考欄に「広く友だちを作りましょう」と書かれたりしていました。

そんなことを、親も見る通信簿に書くから余計に閉じこもった性格になるんだよ。そりゃひねくれてもいきますわ。二十歳過ぎるまで彼女もできませんでした。

ただそんなこと普段話しませんし、感じさせないようにがんばっているのです。

この記事のテーマについて経営ハッカーの中山順司さんとメッセンジャーで相談したときも(原稿のやりとりもすべてチャットを使って、その間一言も話さなかった)、「でも、市川さんコミュ障じゃないんでわ?」とのレスが。

うるせーこちとら踏ん張ってなんとかごまかしながら生きてるんじゃい! という感じなのです。

そんな自分でもどうにかコミュ力を鍛えるために心がけている7つのコトを紹介します。

とあるWeb編集者がコミュ障を克服するために意識してきた7つのコト

この7つのメソッドがあれば美女に囲まれることも夢じゃない!? (※写真はMarkeZine主催イベント時に業務上撮らせていただいたものです…)

ちなみに、「コミュニケーション能力ないとダメ!」「協調性が絶対必要!」とか言いたいわけではありません。ちょっとはコミュ力ないと自分も生きづらいよね、というくらいのスタンスです。

 

1.人見知りだと言わない

 自分も昔はそうでしたし、実際コミュニケーション能力に自信がない人ほど自分から「私、人見知りなんです」とか言いがちです。

「『人見知りで』とさも被害者のように言うのは、『自分はコミュニケーションを取る努力をしない人間なので、そちらで気を使ってください』と恐ろしく恥ずかしい宣言していることと同じ」とド正論を語るのは、かの星野源さん(星野源著『いのちの車窓から』より)。

ラジオ番組で「人見知りなんです」と自分を説明していることに恥ずかしさを覚え、それから人見知りだと思うことをやめたそうです。

「人見知りなんです」という上の句には、括弧付きで「(だからちょっと問題があっても大目に見て)」という甘えの下の句がセットなもの。だけど、接する相手にとっては本当にどうでもいい話ですよね。そもそも中年になって「○○には自信がないんです」とか言っちゃうの誰得? という話ですよ。

「不器用ですから」も高倉健だから許されるセリフ。

そうやって口に出すことで、自分自身でも本当にそういう人間なんだと決めつけていっちゃうことになる。その時点で変われるチャンスを失っていると思うのです。だから、こういった言い訳っぽいネガティブな言葉が頭に浮かんできても、ぐっと堪えることが大事。使わないことが大事。

 

2.悩む前に行動する

 私は心配性で、根がネガティブ。意識しないと物事を悪い方向へ悪い方向へ考えがちなのです。ただ、「こうしたらこうなっちゃうんじゃないか……」というマイナス思考って、大体が妄想の産物なんですよね。

『ぼのぼの』ってマンガを知っていますか?

まあ、知らなくても続けるんですが、『ぼのぼの』のアライグマくんも「後でこまるんだったら後でこまればいいじゃねえか なんで今こまるんだよ」とおっしゃっています。そうだよなーっとわかっていても、自動的に浮かんでくる負のイメージは簡単に消えてくれません。だから、浮かんでくるものは仕方ないとして、ちょっと横に置いておいて、行動しちゃう。自分からあいさつする。自分から話しかける。いろんなところにできるだけ顔出してみる。

たとえば業界関係者が集まる懇親会的な場への参加の案内が届いたとします。

もうこの時点で、うわーできれば行きたくないなぁと思っちゃうわけです。

ネットワーキングとかマジダルいし、目的なく行っても何も得られないし、そのうえ金も時間も失う。そもそもそんなとこに積極的に行く奴なんて基本ヒマなんじゃね? とか、もう自動的にどんどんネガティブワードはいくらでも出てくるわけです。

そういったものをいったん脳内の箱に収めて、参加申し込みをしちゃう。とはいえ本当に自分にとって必要なさそうなものだったら、その案内自体を箱に入れて埋めておきましょう。

映画の『イエスマン』って見ました? え、見てない? じゃあネタバレしちゃいますけど、イエスマンだって最終的に全部イエスじゃうまくいかないわけですから。

そこはバランスを見てということで。ちなみに、経営ハッカーの中山さんは「立食形式のものはすべて欠席する」というマイルールを運用しているそうです。あいつ、絶対俺よりコミュ障だわ。

IT業界の謎の卓球バー飲み会とかにも深く考えず参加(しかも渋谷という敵地)

ちなみに、私も中山さんも奇跡的に既婚者で娘がいます。私の妻は9歳下です。

「9も離れていたら、“どうせ”話も合わないし、恋愛対象にならない」とか思っちゃうところの“どうせ”を取っ払ってまずは話しかけていかないと、変わり者が好きな変わり者に巡り合う確率もどんどん減ってちゃうので。

3.共通項でつながる

 別に仕事関係の人と友達になる必要はないけど、仕事でつながった人とプライベートでも友達になれたのならそれはそれで素敵なことだと思っています。純粋に人と会うことに楽しみを見いだせるようになってきますし。

そこで強力な武器になるのが「共通項」です。「共通の話題」ですね。趣味の話なんかは盛り上がりやすいですよね。

私の場合は、妻とは「マンガ・アニメ好き(オタク)」というのが話すようになったきっかけですし、中山さんとも「ロードバイク」という共通項を通じて出会いました。

某社の広報の男性は「はじめて会った人との共通の話題なんて他人の悪口くらいしかないじゃないですか」と断言していました。ま、まあ、それはそれで良いんじゃないでしょうか。仮に趣味がなくても、探そうと思ったら何かしら見つかるという意味で。

「共通項なんて別になくたって会話に困ることなんてないじゃーん」という人は、まずコミュ障じゃありません。なんでこの記事読んでるんですか。コミュ障には何かきっかけとかとっかかりが必要なんですよ。コミュ障なりにこの共通項を探る、見つける方法としても役立つのが次の「聞き上手を目指す」です。

ロードバイクつながりで中山さん含むfreeeのメンバーとレースに参加したことも

4.聞き上手を目指す

 自分の好きなことについて話すのは楽しいものですよね。特に相手も同じものが好きだったらなおさら。ですが、一方的に喋って楽しいのは自分だけ。

ふと相手を見たらお地蔵さんみたいになってというのもコミュ障あるある。高倉健みたいな人はわかりませんが、基本的に人は自分について話すのが好きなもの。

だから、逆に聞き上手を目指したいところです。そうすることで、自然な流れで共通項も見つけやすくなります。

初対面の相手の趣味嗜好を知りたい場合に私が気をつけているのは、まずは観察すること。服装や持ち物にはその人の個性や好みが強く表れているからです。

今だと、スマホケースとかめちゃくちゃわかりやすいですよね。ケースにキャラクターが描かれていたら「○○好きなんですか?」と訊いてみる。あとは会う人のSNSをチェックするというのも鉄板ですね。ただ、これはさりげなくやらないとネットストーカーっぽくなって余計に気持ち悪がられます。

仮に自分にはわからない世界の話になった場合はひたすら好奇心を持って、「その世界についてもっと詳しく教えてください!」という姿勢でいることが大事だと思います。もし共通の話題を見つけた場合も気をつけたいのは、相手の話をいつの間にか自分の話に挿げ替えないこと。

たとえば、アニメ好きということがわかったからと言って、「じゃあ○○見た!? 見てないの!? なんで? アンチなの? 絶対見たほうがいいって! 特に第何話のあのシーンが……」なんて、書いているだけでこの記事の離脱率がここで高まるんじゃないかってくらいうんざりしますよね。

本質的に大事なのは、相手の話に興味を持って聞くことで、テクニック的なことは本とかでも学べます。私は、自分が話していて心地いいなと感じる相手の、何がそう感じさせているのかを分析して真似ていくようにしています。


5.数を打つ

 なんでコミュ障になっちゃうかというと、たぶん過去のトラウマ的なものが大きく関わってくるからでしょう。がんばってコミュニケーションをとった結果うまくいったことよりも、傷ついた経験のほうが多かったり、受けたダメージが大きかったり。成功体験が圧倒的に少ない。

でも結局、成功体験を得るためにも打席数を増やしていくことが必要になっちゃう。そもそもコミュ力が乏しいということはバットの振り方がヘタなわけだから、振る数ぐらいは稼いでいかないと。何をもって成果かは、そのときの目的次第ですね。

ビジネスチャンスにつながったーとか。彼氏・彼女ができたー、とかも。失うことよりも得るもののを大きさを考えることが大事なのかなって。失うのって自尊心くらいじゃないですか?

自分にしかわからない自尊心のことを気にしているくらいなら、彼女の一人でも作ったほうが良い。10代の頃の自分にも伝えてあげたかった……。

むやみやたらにいくと、痛い目見ちゃうかもです。

でも、痛みも次に活かせていければ良いと思うんですよ。どんな施策も必ず成功するなんてことはないわけで、「ああ、こういうのはダメなんだな」という経験から、「やっちゃいけないこと・やっても意味ないこと」を覚えて、成功の確度を高めていくしかない。

皆さん大好きなPDCAですね。PDCAサイクルを回すためにも、やっぱ数が必要ですよね。

コミュ障をこじらせた結果、クリスマスにサンタに会いに行くも目をそらされる筆者

6.嫌われることを恐れない

Twitterで流れてきて目にとまった投稿。

 堀江貴文氏の本『バカは最強の法則』の中でも、「そもそも人間関係がうまくいっていない人は誰にでも好かれようという気持ちが強すぎる。100人のうち全員に好かれるなんて人間関係はあり得ない」というセリフが出てきます。

 嫌われるんじゃないか、疎まれるんじゃないかという恐怖心から消極的になっちゃう根っこの部分には、自分を必要以上によく見せたい、簡単に言えばカッコつけ、モテたいって気持ちがあるんだと思います。いや、そりゃモテたいですけど。

 モテるってなんですか。1,000人斬りとかそういうことですか。たぶんそうじゃないというか、僕らコミュ障が目指しているところはそこじゃないっていうか。勝ち組になって、リア充の仲間入りしたいというわけじゃなくって、少しでもマシな自分になりたいだけなんです。必要な人と必要なタイミングでつながる、そのためのコミュ力があればいいのです。

 そのためには嫌われることを恐れてていてもしょうがない。嫌われる人からは嫌われても仕方ないと割り切って、自分は自分のやるべきことに向かっていくしかない。何をやってもマウンティングしてくるおじさんとかいるし。「そういう趣味なんだろうな」とでも思っておきましょう。

どう見られるかとか気にしなければ顔ハメとかも楽しめる(楽しいのか?)


7.足りないところを補い合う

 ここまで熱弁をふるっておいてなんですが、そもそもコミュニケーションのあれやこれやをまんべんなく身につけるのは少なくとも自分には無理です。

 今も知らない人のいっぱいいるパーティー的なのは苦手です。「もういいや」と思ったらひっそり帰っちゃうこともある。お酒は好きですが、飲み屋で見ず知らずの常連っぽい人に話しかけるのも話しかけられるのも嫌。買い物に行って、店員に探しているモノの場所が訊けない。案内してもらった後に「やっぱいらないです」と言いづらいから。偏っていて欠けた部分が多い人間なのです。 

こういう感じ、苦手。下手すると食べて飲んで帰る

でも、そういうところは誰かに補ってもらえればいいと思っています。自分にないものは、誰かが持っている。だから出会う必然性があるし、一緒にいて、一緒にやる意味があるんじゃないかな。

めちゃくちゃ社交的で行動力あって意識も高い人(きっと収入も高い)を見ると、純粋に「スゲー!」とは思うけど、別に無理して自分がそうなりたいわけでもない(お金は欲しい)。そういった人の近くにいて、ちょっとおすそ分けしてもらう感じ(お金じゃなくて、コミュニケーション的なことや人脈的なとこで)。

じゃあ、お返しに何ができているかと言われると困ってしまうのですが……。「こんなひねくれた人間でもある程度(石の裏で動く虫程度)頑張って生きているんだ」ということを感じてもらうことで、小ネタと優越感を与えることくらいでしょうか。

あと今書いていて思い出しましたが、「見た目の清潔感を保つ」というのも大事かも! これ、8つ目に追加しておいてもらっていいですか。

変なTシャツ着ていますがお風呂には毎日入っています

彼の著作『お父さんがキモい理由を説明するね』の中で、中山順司さんは娘に向かって「真の友人関係が築けるのは学生時代まで。社会人になったら、知人は増えるけど、友達はできない。賭けてもいいけど、どの大人でも同じこと言うよ」と話しています。

半分納得できるのですが、それってちょっと寂しいなとも思うわけです。別にいまさら、コミュ力鍛えまくって世界中にフレンズ作りまくるぞ! とかは思いません。

ただ、中山さんからは「友達」と呼ばれたい。私に必要なのは、そのくらいのコミュ力なのです。あと、中山さんこそ、この7つ(8つ)のことを意識して、コミュ力を鍛えたほうがいいと思いまーす。

MarkeZine 編集部 副編集長:市川 明徳(いちかわ・あきのり)
大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたる。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っている。