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2015年04月08日(水)

【社長・販管担当者必見】取引先との販売管理を最適化する4つのコツ

経営ハッカー編集部
【社長・販管担当者必見】取引先との販売管理を最適化する4つのコツ

取引先に販売した商品代金やサービス料の回収で、以下のような悩みを持ったことは ありませんか?

・これまでは全て前金決済だったのに、新規取引先から掛金での取引を求められた... ・長年付き合いのある取引先だが、どうやら最近業績が悪そうだ... ・このまま掛金商売を続けていると、いつか貸倒れがおきるんじゃないだろうか... ・掛金取引をしている取引先への請求総額が分からなくなってしまった。売掛金の管理はどうすればいいんだろう...?

こういった悩みは、B to Bで事業を運営する法人には必ずつきものです。 そこで今回は、新規取引先との販売管理に関わる大切な確認事項をまとめてみました。 Client [目次] 1)掛金取引をすることによる自社にとっての3つのメリット 2)取引先の信用度を測る3つのポイント 3)掛金を管理するための3つの業務 4)貸倒れのリスクを回避する2つの方法

1)掛金取引をすることによる自社にとっての3つのメリット

そもそも取引先に掛金取引を行うということは、取引先に「商品代金・サービス料金」の金額を一時的に貸し付けることになります。 取引先に実質的にお金を貸す以上は、自社にとっても何らかのビジネス上のメリットを追求する必要があります。 では、取引先と掛金取引を行うメリットにはどのようなことが考えられるのでしょうか。 merit word on metal pointer 主に以下の3つのメリットが挙げられます。 これらが自社の取引にも当てはまるのか、確認してみてください。

1. 取引先に対する交渉力の向上につながる

掛金取引を行うことで、取引先の短期的な資金繰りを改善する効果があります。これにより、取引先への発言力や交渉力を増すことができます。

2. 取引先との間の関係性の醸成につながる

掛金取引は取引先の支払い能力をいわば「信頼」することで成り立ちます。支払い猶予を設けることで、自社は取引先への信用を示すこととなり、長期的な関係性の向上に繋がります。

3. 自社の販管実務の効率化につながる

商品やサービスの取引頻度が大きい場合、売上を定期的に締めて請求することで、自社の請求・販管実務を効率化することができます。 ※上記以外にも、自社の所属する業界慣習上、売掛取引が一般的であったり、過去からの付き合いで掛金での代金回収を続けている場合もあります。

あなたの会社にはいくつ当てはまったでしょうか。 1つでも当てはまっていないものがあれば、販売管理の見直しをする必要があるかもしれません。

2)取引先の信用度を測る3つのポイント

掛金取引の自社にとってのメリットが明確になったら、いくらまで支払いを猶予してもよいのか(=与信限度額)を検討しましょう。 与信限度額は、年間を通じて自社が取引先に対して抱えるであろう与信の最大額と、取引先の信用度の高さを比較して決めていきます。 与信の最大額は、この先の取引先に対する販売高の推移を見積もることで予想できます。 Trust

一方で取引先の信用度については、下記の3つのポイントが検討の一助となります。

1. 取引先の事業規模

取引先の年商・取り扱う商品やサービスの種類数・従業員数などは、先方の事業規模を推し量るのに役立ちます。

2. 取引先の支払い実績

取引先のこれまでの支払い実績をみれば、先方が掛金に対してどれだけ正確に支払いを行ってきたかが判断できます。

3. 取引先の最近の業績

取引先の最近の業績がよければ、短期的な支払い能力は高い可能性があります。一方で、取引先業績が不振であるようならば、支払い能力が落ちている可能性があります。

※上記のような情報は、商談や日常会話から聞き取ったり、推し量ったりすることができます。 より詳細な与信分析が必要な時は、「帝国データバンク信用情報」「東京商工リサーチ信用情報」から、 取引先の財務情報を取得することもできます。

3)掛金を管理するための3つの業務

一度掛金での取引を始めると、取引先への請求から代金の回収まで一定の期間が生まれます。 期間を経ても正確に売上を回収できるような実務を運用することが、販売管理業務に求められます。 Management

下記のような業務が、基本的な対応として求められます。

1. 自社内での掛金と回収時期の管理

自社内で掛金の総額と回収時期を記録しておきましょう。取引先・商品・回収時期別にソートができるような仕組みを作っておくと便利です。

2. 取引先との定期的な与信残高の確認

定期的に、自社が認識している掛金総額と、取引先が認識している掛金総額を照合しましょう。 与信残高を記載した「残高確認書」を取引先に送付して、金額に誤りがないか確認してもらう作業が一般的です。

3. 取引先に対する支払いの督促

支払い時期が近づいている取引や、既に支払い期日が過ぎてしまった取引については、適宜取引先に支払いを督促しましょう。

freeeを使うと、請求書の発行から売上回収の管理までの作業を、一括で効率的に行うことができます。詳細についてはこちらをご覧下さい。

4)貸倒れのリスクを回避する2つの方法

これまでのような対策を打っても、突発的な理由などで売上の回収が滞ることもあります。 最悪の場合、回収できない売上は「貸倒損失」としてコストを産んでしまいます。 そこで、万が一貸倒れが生じた時にも対応を取れるように、保全策を講じておくことが必要です。 Risk word on campass 具体的には下記のような2つの方法があります。

1. 売掛金の保全が図れるような契約を取引先と締結する

取引を開始する際に締結する契約書(売買契約や業務委託契約等)に、貸倒れ時にも最大限の債権回収ができるような内容を盛り込んでおきましょう。

2. 信用保険に加入する

貸倒れが発生した時に支払いを受けられる「信用保険」に加入しておきましょう。 この加入にあたり支払いが必要な保険料を、商品代やサービス料に上乗せすることで、売上を回収できなくても補填を図ることができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。以上が、取引先に対して掛金取引を行う際に気をつけるべき主なポイントとなります。 しかし、販売管理に最も必要なのは、自社と取引先との良好な取引関係です。 日々の面談や業務関係から、先方の状況を的確に捉えられるようなコミュニケーションをとれば、自然と「安心できる取引先」か「危険な取引先」かが想像できるのではないでしょうか。 そのような良好な取引関係を支える知識として、本稿のトピックが参考となれば幸いです。

Text=森 成徳

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