2019年09月18日(水)1ブックマーク

資産処理を最適化するためにも知っておきたい一括償却資産・少額減価償却資産・固定資産の違い

経営ハッカー編集部

一括償却資産・少額減価償却資産・固定資産

事業用の固定資産のを購入するとどのように会計処理したらいいか迷うかもしれません。
 
固定資産の会計処理方法は、資産の取得金額によって適する方法が異なります。
 
そこで着目すべきは「会計」と「税務」の観点です。
 
今回は、固定資産処理の「一括償却資産」と「少額減価償却資産」にスポットを当てて解説していきます。
 

 

消耗品か資産かは取得金額で決まる

事業用に購入するものが固定資産なのかどうかは、購入金額もしくは使用可能期間によって決まります。
 

10万円未満は「消耗品」

「10万円未満」か「使用可能期間が1年未満」のどちらかに該当するものは、固定資産ではなく消耗品として処理することができます。
 

10万円以上は「資産」

10万円以上のものを事業用に購入したら、減価償却の固定資産として耐用年数に応じた経費を計上していきます。
 
しかし、一定の条件を満たしているならば、「一括償却資産」か「少額減価償却資産」として一括で経費を計上できるようになります。
 

“事業などの業務のために用いられる建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの資産は、一般的には時の経過等によってその価値が減っていきます。このような資産を減価償却資産といいます。”
 
<引用元>国税庁:減価償却のあらまし

 

一括償却資産とは

一括償却資産とは、10万円以上20万円以下の資産です。
 
会計上は取得した年に一括償却資産に計上し、その後3年間かけて取得金額の3分の1を経費として計上していきます。
 
2019年に事業用に購入したものが15万円のパソコン2台と12万円の机1つだとすると、年間の合計額は42万円です。
 
これらはそれぞれ10万円以上20万円以下のものなので、耐用年数を調べることも減価償却費を計算することもなく一括で資産として計上できます。
 
合計42万円を3年かけて経費として計上するので、420,000×1/3=140,000円となり、3年間は「14万円」を経費として計上していくことになります。
 
一括償却資産については、中小企業等にかかわらずずべての事業者が適用できます。
 

 

少額減価償却資産とは

少額減価償却資産とは、30万円未満の資産を取得・使用開始年度の経費に一括して計上できる資産のことです。
 
少額減価償却資産の特例が適用されるのは青色申告書を提出している個人事業主と法人のみで、法人であれば従業員数1,000以下の法人に限られます。
 
特例では、取得金額の合計年間300万円までを限度としています。
 
少額減価償却資産の対象に制限等はなく、取得価格30万円未満で合計300万円までならなんでも経費として計上できます。
 
つまり、パソコンやプリンター、机や椅子に棚、自動車など、事業用に購入した者がそれぞれ30万円以下で合計300万円までなら1回で経費として処理できますが、300万円を超えたものについては減価償却で計算しなければならないということです。
 
少額減価償却資産の特例は平成30年3月末までとされていましたが、平成30年(2018年)の税制改正によって2年間延長され、令和2年(2020年)3月末までは適用可能となりました。
 

 

資産の当てはめ方

経費を計上する際は、どの資産として計上することが最も効果的なのかを考えます。
 

10万円未満の資産

節税を第一に考えるなら、10万円未満の資産は経費として処理することが望ましいでしょう。
 
一括償却資産にすれば利益が出ますが、3年間にわたって税務処理が続きます。
 

10万円以上20万円未満の資産

青色申告者は、10万円以上20万円未満の資産を少額減価償却資産として計上すると節税になります。
 

20万円以上30万円未満の資産

青色申告者は、20万円以上30万円未満の資産を少額減価償却資産として計上すると節税になりますが、限度額は300万円です。
 

30万円以上の資産

30万円以上の資産は固定資産として減価償却で計算します。
 

 

まとめ

固定資産を会計処理する際は、資産の種類と内容によって決められた方法を用いる「減価償却」という形で費用として処理されます。

一括償却資産は、「会計」と「税務」の処理方法が異なります。

会計処理では、資産の種類と内容に関係なく全額費用とするか、資産の部に記載してから3年かけて均等に減価償却するかのどちらかを選択し、税務処理では、3年かけて均等に減価償却します。

少額減価償却資産は、資本金1億円以下の中小企業者と個人事業主であれば「会計」も「税務」も購入した年度に全額経費にできます。

固定資産を取得したら、会計と税務の面から自社に適した処理方法はなにかを検討し、最適の処理方法を選択しましょう。
 

”減価償却は、高額な資産について、購入年度だけでなく数年にわたってその費用を計上できるシステムで、建物や設備などの有形のものだけでなくソフトウェアなどの無形の財産にも適用されます。”
 
<引用元>経営ハッカー:減価償却費の計算方法をわかりやすく解説|計算例3選つき

 

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