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2014年11月23日(日)

青色申告と白色申告の違いをわかりやすく説明してみた

経営ハッカー編集部
青色申告と白色申告の違いをわかりやすく説明してみた

個人事業主や経理の人間が必ず避けては通れないのが「確定申告」。
しかし、その確定申告にも「青色申告」と「白色申告」の二種類があることをご存知でしょうか。ここではこの二つの違いについて詳しくご紹介します。
違いを理解しているかしていないかで、納税金額が大きく変わる可能性もあるため必見です。

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[目次]

■1)青色申告と白色申告の違い
■2)白色申告のメリットとデメリット
■3)青色申告のメリットとデメリット―単式簿記と複式簿記の違い
■4)青色申告のメリットとデメリット―複式簿記での申告とデメリット
■5)おすすめ会計ソフト

 ■1)青色申告と白色申告の違い

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青色申告と白色申告2つの違いを簡単に言えば、青色申告は申告に手間がかかるが納税額が少なくて済み、白色申告は申告にほとんど手間はかからないが節税効果が少ないはないということです。これだけでは何のことかよくわからないと思いますので、2.以降でそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

青色申告は「複式簿記もしくは単式簿記」、白色申告は「単式簿記」
青色申告も白色申告も、帳簿付けが必要な点は共通していますが、白色申告は簡単な「単式簿記」で行います。青色申告はやや複雑な「複式簿記」ですが、その分、控除額が最大65万円と大きく、節税効果が期待できます。ただし、青色申告も「単式簿記」を選択することが可能で、その場合の控除額は10万円となります。

青色申告は事前に届け出が必要
青色申告を行うためには事前に「開業届」と「青色申告承認申請書」を、税務署に提出する必要があります。白色申告は届け出を提出する必要がなく、届け出を提出しない場合は自動的に白色申告になります。
なお、青色申告を行うためには期限もあるため注意が必要です。

(1)原則
新たに青色申告の申請をする人は、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。

(2)新規開業した場合
業務を開始した日から2ヶ月以内に「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。

(3)相続により業務を継承した場合
業務を継承した日から2ヶ月以内に青色申告承認申請書を提出しなければなりません。
参考:国税庁HP「青色申告制度

申請書の作成を「よくわからない」と後回しにしてしまう方も多く、せっかく青色申告の特典を享受しようと思っても、機会を逃してしまうこともあります。このため、申請書は早めに提出することをおすすめします。開業freeeを使えば、「開業届」も「青色申告承認申請書」も無料で、簡単に作成できるためおすすめです。郵送先の税務署の住所も自動ででてきます。

確定申告時の作成書類
確定申告の際、青色申告をする方は「青色申告決算書」、白色申告をする方は「収支内訳書」を作る必要があります。この青色申告決算書もしくは収支内訳書は、確定申告書と一緒に税務署に提出しなければなりません。

青色申告には節税面でのメリットが
後述しますが、青色申告には節税面で大きなメリットがあります。これまでは、「青色申告は大変」「複式簿記で複雑」などのイメージがありましたが、2014年(平成26年)分からは、すべての白色申告者に「帳簿への記帳」と「帳簿等の保存(期間5~7年)」が義務づけられており、帳簿の作成に限って言えば青色申告とそれほど手間は変わりません。

参考:国税庁HP「白色申告者の記帳・記録保存制度」「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について

さらに、会計freeeなどの確定申告ソフトを活用すれば、日々の記帳も確定申告書類の作成も手間は変わりません。節税効果を考えると、青色申告のほうがメリットが大きいと言えるでしょう。

■2)白色申告のメリットとデメリット

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前述したように、白色申告は手間がかからず、青色申告は手間がかかると繰り返し書いてきたのですが、2014年1月からの法改正で実のところ青色申告の方が手間をとるのは申請の手続き部分だけになっています。というのも元来青色申告でも「単式簿記」と「複式簿記(専門的な知識や会計ソフトが必要)」のどちらかを選択して申告できるようになっており、いるのです。以下では、青色申告における単式簿記と、複式簿記の違いについて説明します。
この2つの大きな違いは「課税対象額からの控除額」です。単式簿記での申告だと「10万円」、複式簿記の場合は「65万円」と、その差はかなり大きくなります。複式簿記での申告は経理や会計の知識がほとんどない状態で挑んでみても逆にミスが増えてしまい、追徴課税がかかってきたりもします。ので、申請をするだけで白色申告よりもとりあえずは10万円節税できる単式簿記での青色申告の方が、初心者向けだと言えるでしょう。
というのも、ある程度事業が拡大してくればきて、人を雇えたり、あるいは事業が拡大していなくとも家族に経理をやってもらえるならばもちろん複式簿記の方がお得です。ただし、その場合は自分でイチからなのですが、その経理の事務をするのではなく、会計ソフトの導入か専門家にお願いすることをおすすめします。自分でするとなると、メインの事業の方に支障が出てしまって、本末転倒になってしまっては元も子もないからです。

■3)青色申告のメリットとデメリット―単式簿記と複式簿記の違い

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白色申告は手間がかからず、青色申告は手間がかかると繰り返し書いてきたのですが、2014年1月からの法改正で実のところ青色申告の方が手間をとるのは申請の手続き部分だけになっています。というのも元来青色申告でも「単式簿記」と「複式簿記(専門的な知識や会計ソフトが必要)」のどちらかを選択して申告できるようになっているのです。以下では、青色申告における単式簿記と、複式簿記の違いについて説明していきます。
この2つの大きな違いは「課税対象額からの控除額」です。単式簿記での申告だと「10万円」、複式簿記の場合は「65万円」と、その差はかなり大きくなります。複式簿記での申告は経理や会計の知識がほとんどない状態で挑んでみても逆にミスが増えてしまい、追徴課税がかかってきたりもしますので、申請をするだけで白色申告よりもとりあえずは10万円節税できる単式簿記での青色申告の方が、初心者向けだと言えるでしょう。というのも、ある程度事業が拡大してきて、人を雇えたり、あるいは事業が拡大していなくとも家族に経理をやってもらえるならばもちろん複式簿記の方がお得なのですが、その経理の事務を自分でするとなると、メインの事業の方に支障が出てしまって、本末転倒になってしまっては元も子もないからです。

■4)青色申告のメリットとデメリット―複式簿記での申告とデメリット

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複式簿記での申告をすると控除額が65万円になると書きましたが、青色申告にはさらにいくつかのこれにはさらに特典が付きます。
・赤字を3年間繰り越して収入と相殺できる。
⇒例えば事業を開始した1年目は赤字が100万円あったとします。2年目に黒字で100万円が出た場合、2年目の事業所得を0円として計上できるということです。もちろん課税はなしです。

・貸倒し引当金を利用できる。
⇒売掛金が回収できなくなった場合を想定して、まだ回収していない売掛金の一部を費用として計上することです。これによって課税対象額が低減できます。

・減価償却を1年で300万円まで一括計上できる。
⇒一般に、備品や建物などに使った経費は10万円以上になると一括計上できなくなります。しかし青色申告・複式簿記では30万円未満のものは一括計上でき、1年間で300万円まで可能になります。

・家族従業員のお給料を経費にできるそのほかにも特典が
⇒家族を従業員にしている場合、その給与(専従者給与)を経費として計上できます。事業者と生計を一にしていて、年齢が15歳以上という条件がありますが、経費として課税対象額から差し引くことができ、大きな節税効果があります。ただし、支払える給料は「青色事業専従者給与に関する届出書」に記載した範囲までで、著しく高い給料は認められません。
・家事按分を利用できる
自宅をオフィスにしている場合は、家賃や光熱費も経費として計上できます。ただし、すべての金額を計上できるわけではなく、使用しているスペースや割合のみです。
青色申告のデメリットについてですが、ここまで書いてきたとおり、それはひとえに「手間」だけです。逆に言えば手間さえかければこれらの特典が手に入ります。るので、できれば青色申告で確定申告をしておくのがいいでしょう。 また、会計ソフトを活用すれば青色申告は手間もかかりません。例えば、確定申告ソフトのfreeeを利用すれば、ステップに沿って必要事項を記入するだけで申告書が完成しますので、ミスも激減されるでしょう。

■5)おすすめ会計ソフト

NO.1

クラウド会計ソフト「freee(フリー)」 最初の一か月は無料でお試しが可能で、それ以降はひと月980円(税抜)、年間だと9,800円(税抜)で利用可能なクラウド会計ソフトです。

使い勝手の良さはもちろんですが、クラウドなのでどの端末からでも利用できるというフレキシブルさが最大の強みです。年間9,800円のスターターコースは、個人事業主やフリーランスの方におすすめです。でも青色申告に対応しているので、最低それだけでも10万円の控除を利用でき、節税がは可能です。なわけで、個人事業主の方には強くお勧めできるソフトです。もちろん、会社法に準拠した決算書に対応したスタンダードプランもあり、それは年間19,800円で利用できますの利用料。個人にも法人にも自信を持ってお勧めできるソフトです。

■つまるところ、青色申告が圧倒的にお得ということ

青色申告と白色申告を比較してみてみると、確かに多少の手間はかかるものの、それによって得られるうまみが青色申告の方が圧倒的に大きいです。 私も初めは面倒臭がって白色申告で済ませていたものの、いましたが、この事実を知ってからはすぐに青色申告に切り替えたという人も。 2014年の法改正で白色にしていても結局帳簿の提出が必要になったので、白色と青色の手間の差はほとんどなくなりました。から。 ぜひ皆さんも、青色申告を検討してみてください。

<青色申告に関するすべての疑問を解決したい方はこちら>

・「青色申告ガイド|青色申告に関する疑問をすべて解決【永久保存版】

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